春はお花見、夏はキャンプ、秋は紅葉狩りで冬は雪遊び・・・。
季節に合わせてお出かけを楽しめる犬と違って、猫は縄張りから出るのがとても苦手です。
散歩の必要がないので、猫とのお出かけ先と言えば、動物病院がもっとも多いでしょう。
しかし、愛猫の性格によっては、猫同伴可のホテルに泊まったり公共交通機関で長距離移動したりすることも可能です。
この記事では、脱走やストレスに注意しながら愛猫とお出かけする時の準備やコツについて解説します。
猫とお出かけする時に準備するもの
安全にお出かけするためには、キャリーバッグやハーネスなどを準備しましょう。
お出かけが半日以上になる場合には、水・フード・トイレも必要になります。
ハーネスや携帯トイレは、いつでも使えるように練習しておくことが大切です。
キャリーバッグ
キャリーバッグは、通院や長期移動には必須のアイテムです。猫のサイズに合ったキャリーバッグを選びましょう。キャリーバッグに慣れさせるには、普段からリビングなどに置きっぱなしにしておくのがおすすめです。
いつでも出入りできるようにしておき、猫ちぐらと同じような使い方をすると良いでしょう。
お気に入りのタオルやブランケットを敷いておけば、昼寝スペースの1つとして利用することができます。
日頃から見せて、キャリーバッグに対する警戒心をなくしておきましょう。
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水・フード(おやつ)
短いお出かけであれば、水やフードは必要ありません。しかし、半日以上の長さになる場合は、フード(おやつ)を携帯しましょう。暑い時期には、水も必要です。
乗り物酔いをして嘔吐する可能性もあるため、公共交通機関や自家用車でお出かけする際には、出発前やお出かけ中にお腹いっぱい食べさせないようにしてください。
また、脱水症状になると熱中症や泌尿器系疾患の原因となることがあるため、こまめな水分補給を心がけましょう。
液体オヤツも水分補給に役立ちます。
ハーネス・リード
お出かけ中に外を少しでも歩かせたい時は、ハーネスやリードが必要です。ハーネスには、ベルト型とベスト型の2種類があります。ベルト型は、首輪と同じくらいの太さのベルトを首と前足に通し、2点以上で固定します。サイズ調節がしやすく、サッとつけやすい点が特徴です。
ベスト型は、洋服のように胴体を包み込むデザインのハーネスです。
体が抜けにくく安全性が高いですが、慣れないと装着が難しいという特徴があります。お出かけ前に、少しずつ練習しておきましょう。
猫の体の特徴をふまえて作られた猫用ハーネス Any cat ハーネスストライプ
イタリアferplast社製 小動物・猫用リードつきハーネス jogging(ジョギング)
トイレグッズ
猫のトイレの平均回数は、1日に2〜3回です。オシッコは1〜3回、ウンチは0〜2回くらいが目安になります。
お出かけ前に排泄を済ませておけば、半日程度であればトイレを携帯しなくても大丈夫です。
しかし、長時間のお出かけの時は携帯用トイレ(猫砂・ペットシーツ)が必要になります。
携帯用トイレをお出かけ先で初めて使うと嫌がることも多いので、日ごろから使っておきましょう。
排泄コントロールを自分でできないシニア猫は、オムツをつけるという選択肢もあります。
お出かけや緊急時に使える 猫壱 ポータブルトイレブラック
猫とお出かけする時の注意点
愛猫とお出かけする時は、注意したいポイントがたくさんあります。お出かけ先では、
してください。
事前準備が重要です。外出先でなるべく愛猫にストレスをかけないように、家庭でできる備えをしっかり行いましょう。
脱走に注意する
外に逃げ出した猫を捕まえるのは、至難の業です。飼い主さんが呼びかけても、さらに遠くに逃げていくこともあります。交通事故や行方不明の恐れがあるため、絶対に脱走させないようにしましょう。
洗濯ネットに入れたりハーネスをつけたりした上で、キャリーバッグに入れると安全です。
万が一、キャリーバッグの扉が開いたりファスナーが壊れた場合にも脱走を防ぐことができます。
車で移動する時にも十分注意しましょう。車内で愛猫を自由にさせる場合は、ドアと窓を閉めた状態をキープしてください。
熱中症に注意する
暑い季節にお出かけする時は、こまめな水分補給と温度管理が大切です。当然ですが、エアコンを切った車内に猫を放置してはいけません。真夏には、ほんの数分で50℃以上になることがあります。
また、猫はあまり水を飲みたがりませんが、脱水症状になると熱中症や泌尿器系疾患を引き起こすことがあります。
お出かけの際は、脱走に気をつけながら水分補給をさせましょう。
キャリーバッグは風通しの良いデザインのものを選び、日向に置かないように気をつけてください。
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ワクチン接種をしておく
外では細菌やウイルスに感染する恐れがあるため、ワクチン接種をしておきましょう。猫同伴可のホテルやカフェでは、ワクチン証明書の提示を求められることもあります。ワクチン接種は、病気の予防を目的として行います。
子猫は1回では十分な免疫力がつきませんので、獣医師さんの指導のもと、複数回接種します。
3種混合ワクチンは、3,000〜5,000円程度です。
アレルギー症状が出る場合もあるため、なるべく午前中に接種し、異常が見られたら動物病院を受診しましょう。
お出かけグッズに慣れさせる
知らない場所や慣れない場所にお出かけする際、愛猫は大きなストレスを感じます。その上、慣れないキャリーバッグやハーネスを使うと、体調を崩すレベルの不快感を伴うかもしれません。
キャリーバッグは日ごろから部屋に出しっぱなしにしておき、存在に慣れさせておきましょう。ハーネスも1日数分から始めて、少しずつ使用時間を延ばして慣れさせておくことが必要です。
好奇心旺盛で新しいものが好きな猫もいますが、多くの猫は「いつもの知っているもの」に安心します。
初めから長時間お出かけしない
お出かけが苦手な猫は多いので、少しずつ様子を見ながら時間を延ばすようにしましょう。車でのお出かけの場合も、徐々に慣れさせることが大切です。キャリーバッグに入れたりハーネスをつけたりして、まずは近所を5分だけ散歩するところから始めましょう。
車通りが少なく静かな環境から慣れさせると、外に対する恐怖心が芽生えにくいです。
また、車に乗せる時は、エンジンの音や振動に慣れさせることが必要です。
車酔いをしないかどうかも確かめておくと、酔い止め薬を処方してもらうなどの準備がしやすくなります。
愛猫に無理をさせない
猫は、娯楽的なお出かけをしなくても退屈しません。旅行やアウトドアなどに関しては、愛猫に無理をさせないようにしましょう。
特に、ストレスを感じやすい性格の場合やシニア猫・持病持ちの猫など体調に不安がある場合には、必要な通院を除き、お出かけしない方が無難です。
また、お出かけ好きな猫でも、下痢や食欲不振などの体調不良が見られる時には、ドライブや散歩はせず、自宅でゆっくりと過ごすのがおすすめです。
予定を延期したりキャンセルしたり、愛猫の体調に合わせましょう。
季節や天候を考慮する
非常に暑さ・寒さが厳しい時期や雨風が強い日には、お出かけを避ける方が良いです。緊急で必要な通院の場合を除き、散歩やアウトドアは気候の穏やかな時期を選びましょう。
台風や雷が多くなる夏から秋にかけては、気温が高くて危険なだけでなく、気圧の変化や大きな音が猫のストレスになりやすいです。
天気が荒れそうな時には、自宅で飼い主さんと過ごせるようにしてあげましょう。
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交通機関の情報を調べる
多くの公共交通機関は、猫と一緒に利用できます。ただし、それぞれに規約があるので、事前に必ず調べておきましょう。
飛行機・電車・新幹線・タクシーは、各社毎にルールが決まっています。
特に飛行機は航空会社によって、さまざまな点で違いがありますので注意してください。
使用できるキャリーバッグの大きさを守らないと、せっかく空港や駅に行っても乗せてもらえないため、情報収集は必須です。
キャリーケースを購入する時は、サイズに注目しましょう。
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猫とお出かけする時のコツ
お出かけは猫に対して精神的にも身体的にも負荷をかけることを前提とし、少しでもストレスを軽減するためのコツを知っておきましょう。
慣れないお出かけは、飼い主さんも大変ですね。ここでは、飼い主さんが楽になるコツもご紹介します。
お気に入りのタオル等を用意する
使い慣れたタオルやブランケットを携帯すると、愛猫を落ち着かせるのに役立ちます。キャリーバッグの中に敷いたり、外から掛けてあげましょう。
猫は、ふわふわの柔らかい布を好みます。
日頃から猫ちぐらやケージの中に敷いておけば、安心できる寝床として寛げるでしょう。
お出かけのときに携帯できるサイズの布を常用し、洗濯は強いニオイのしない洗剤を使用してください。無香料やペット用洗濯洗剤がおすすめです。
大好きなオヤツをあげる
移動中や目的地到着後に大好きなオヤツをあげると、愛猫は緊張がほぐれ、嬉しい気分になります。普段のゴハンとして与える総合栄養食よりも、オヤツは嗜好性が強いので、適切なタイミングであげると気分転換に役立ちます。
いつもは喜ぶオヤツなのにまったく食べない場合は、非常に強いストレスを感じている証拠です。体調の変化に注意してください。
緊張が強かったり不安が大きかったりすると、一時的に食欲が落ちることがあります。
帰宅してからの様子をよく観察しましょう。
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最短で移動できるルートを調べる
お出かけが長くなると、その分、愛猫がストレスにさらされる時間が長くなります。事前にルートや乗換案内を調べて、できるだけ短時間で移動できるようにしておきましょう。
日差しの強い時期には、日陰やビル内を移動できると熱中症予防になります。
また、交通量が多い場所を通ると、車のエンジンやクラクションの音に怯える可能性があるので、飼い主さんだけで歩く時とは異なるルートを知っておくと役に立ちます。
リュック・カート型のキャリーを使う
大柄の猫や複数の猫を連れてお出かけする場合、片手で持ち運ぶキャリーバッグだと大変です。リュック型やカート型のキャリーを使えば、より楽に移動できます。
リュック型のキャリーバッグは、両肩と腰に愛猫の重さが分散されるので、比較的軽く感じます。片手が空くので、傘を差したり別の荷物を持ったりもできて便利です。
また、カート型のキャリーケースだと、肩や腕への負担が小さくなります。
ただし、きちんと舗装された平らな歩道でないと、余計に疲れる場合もあります。
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【まとめ】猫とのお出かけには配慮が必要!
ほとんどの猫は、慣れない場所へのお出かけにストレスを感じます。
よっぽど肝の座った性格の猫でない限り、お出かけ中はずっとドキドキ緊張しっぱなしでしょう。
それでも、どうしても一緒にお出かけしなければいけない場合もありますよね。
その時は、脱走や熱中症の予防をしっかりと行い、ストレス対策として使い慣れたタオルやお気に入りのオヤツを準備しましょう。
お出かけの必需品であるキャリーバッグは、日頃から目につきやすい場所に置いておき、自由に出入りできるようにしておくのがおすすめです。