多くの猫は臆病で、大きな音が苦手です。テレビや洗濯機など、音の出る家電はたくさんありますが、最も猫が怖がりやすいのは掃除機でしょう。
大切な愛猫を怖がらせたくはないですが、猫は毛が抜けるので、どうしても掃除機をかける時間をゼロにはできませんね。
この記事では、猫が掃除機を怖がる理由を解説し、できるだけストレスを与えずに部屋をキレイにする方法をご紹介します。
猫が掃除機を怖がる理由
まったく掃除機を怖がらない猫がいる一方で、何年間も掃除機に慣れない猫もいます。
生まれ持った性格やそれまでの経験によって、警戒心が強かったり臆病だったりする猫は、掃除機の音・形・動きを怖がる傾向があります。
掃除機の音が怖い
猫は、虫の羽音やネズミの鳴き声を聴き取れるように進化してきました。
そのため、高い音をキャッチするのが得意で、人には聴こえない超音波も聴くことができます。
猫の聴力は人の約3倍で、犬よりもよく聴こえています。
掃除機のキーンという音は、人でもうるさいと感じるほど大きいので、猫にとっては相当なストレスでしょう。
また、掃除機が壁や家具にぶつかる音も怖がる原因となります。なるべく強くぶつけないように気をつけましょう。
掃除機の形・動きが怖い
縄張りに侵入した敵とみなして、掃除機を威嚇する猫もいます。臆病でデリケートな猫にとっては、生活空間に突然現れ、部屋中を動き回る掃除機は脅威でしかありません。
本体が大きい昔ながらの電源コード式の掃除機よりも、コードレスのスティック型掃除機やロボット掃除機の方が威圧感が少ないようです。
どうしても掃除機が怖い場合には、愛猫から遠い場所から掃除を始め、キャットタワーの上や他の部屋へと逃げられるようにしてあげましょう。
猫が掃除機を怖がる時の注意点
掃除機を毎日かけているのに全く慣れない場合、愛猫は掃除のたびにストレスを感じている可能性があります。
しかし、抜け毛やホコリを取り除かないとアレルギーの原因にもなるので、トイレ中や食事中を避け、逃げ場を用意した上でササっと掃除機をかけましょう。
怖がっても掃除機は必要
愛猫が怖がるからといって掃除機をかけないと、抜け毛やホコリがたまって不衛生になります。
特に、3月頃と11月頃の換毛期には非常にたくさんの毛が抜けるため、1日1回は掃除機をかけましょう。
しかし、抜け毛が目につくたびに掃除機をかけては、愛猫にストレスをかけてしまいます。
頻繁に掃除機をかけるのではなく、モップやコロコロクリーナーなどの音の出ない掃除道具も併用しましょう。
わざと怖がらせない
猫が怖がると、やんのかステップ(背中を丸めて逆毛を立て、小刻みにサイドステップする様子)をしたり、イカ耳(威嚇の表情・横に耳を倒した顔がイカに似ている)になったりと面白い行動や表情を見せることがあります。
しかし、怖がる様子が面白いからと、わざと掃除機で追い回すのは避けましょう。
掃除機が苦手なだけでなく、恐怖を感じるようになると、愛猫は大きなストレスを感じて問題行動を引き起こす恐れもあります。
トイレ以外での排泄や過剰なグルーミングは、ストレスを抱えているサインです。
トイレ中や食事中は避ける
掃除機をまったく怖がらない性格の場合、寝ていても起きない猫もいます。しかし、臆病な猫の場合は、トイレ中や食事中には掃除機をかけないようにしましょう。
トイレ中に大きな音で驚かせると、途中で排泄をやめてしまったり、我慢したりしてしまいます。
猫は泌尿器系の病気が命取りになることも多いため、愛猫がトイレに入ったら掃除機をストップさせましょう。
また、食事中に怖い思いをすると、そのキャットフードに苦手意識を感じて避けるようになることもあります。
ごはんに口をつけたら、食べ終わるのを待ってから掃除機をかけ始めるのがおすすめです。
部屋を締め切らない
掃除機の音や動きに恐怖を感じる猫は、逃げ場がないとパニックになる可能性もあります。
掃除機をかける時は、ドアを開けたりキャットドアを設置したりして別の部屋に行けるようにしておきましょう。
2階建ての場合は、違う階に移動できるので掃除機から遠くに避難できます。
しかし、ワンルームの場合は逃げ場が限られるため、キャットタワーや背の高い家具があると、上に移動して安心することができます。
猫を怖がらせない掃除方法
優秀な掃除機が開発され、忙しい人でも楽に掃除できるようになってきました。しかし、パワーの強い掃除機は、それだけ音が大きくなります。
愛猫が掃除機が苦手な場合には、音の出ない掃除方法も活用しましょう。
モップ
画像出典:Amazon公式HP
ハンディタイプのモップは、狭いところのホコリや抜け毛をキャッチしてくれます。
持ち手が伸びるタイプは、キャットタワーなどの高い部分の掃除にも役立ちます。
掃除機をかける前に、上から下へゴミを落としておくのがおすすめです。
ゴミがモップにくっつくタイプだと、掃除機をかける時間を短縮できます。
猫の抜け毛は、テレビ・パソコン・エアコンの上などさまざまな場所に存在します。
ハンディタイプのモップは気軽に掃除できるので、毎日の習慣にしやすいでしょう。
カーペットローラー
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カーペットローラーには、2種類あります。いわゆるコロコロクリーナーと呼ばれる粘着シートタイプと、パクパクローラーと呼ばれるボックスタイプです。
コロコロクリーナーは、カーペットだけでなくソファや衣類に付着した猫の抜け毛を掃除できます。消耗品なので、お金がかかるのがデメリットです。
パクパクローラーは、カーペットを摩擦することでゴミが取れます。ボックスにたまったゴミを捨てれば、何度も使えるので経済的です。
フローリングシート
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フローリングシートには、2種類あります。ドライタイプとウェットタイプです。
それぞれ紙の厚さや薬剤が異なる商品が販売されています。汚れの種類や程度に合わせて選びましょう。
フローリングシートは軽くて小回りが利くので、ベッドやテーブルの下も掃除しやすいです。フローリングだけでなく、畳・壁・天井・網戸も掃除できます。
使い捨てではないタイプがお望みであれば、モップと脱水バケツのセットもおすすめです。
ほうき・ちり取り
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ほうきとちり取りのセットは、昔ながらの掃除道具です。
部屋の隅に置いておけば、ゴミを見つけた時に気軽に掃除できます。使い捨てではなく、長く使えるのもメリットです。
お皿からこぼれたキャットフードやトイレから飛び散った砂を集めて捨てるのに便利です。ほうきにくっつきやすいフワフワの抜け毛やホコリも簡単に掃除できます。
柄の長いタイプは部屋全体を掃くのに適しており、柄の短いタイプは狭い範囲やスキマを掃除するのに適しています。
ゴム手袋
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ゴム手袋でソファやカーペットをこすると、猫の抜け毛がくっつきます。
表面に毛が絡みやすい布製のキャットタワーの掃除にも便利です。角やスキマの細かいゴミも取ることができます。
背の高いキャットタワーは、見えないところの掃除がしにくく、ゴミがたまりやすいです。ゴム手袋を着けた手でこすると、効率的に掃除ができてストレスが少ないでしょう。
ゴム手袋は100円ショップにも売ってあり、比較的安価なので気軽に使いやすいです。
雑巾
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昔ながらの掃除道具である雑巾も、静かな掃除方法としておすすめです。水拭きをすると、毛やホコリだけでなく水溶性の汚れも取れます。
雑巾がけは、掃除機をかけた後にする方が効率的です。ササっと掃除機をかけてから、フローリングを雑巾で水拭きすれば、部屋全体がスッキリするでしょう。
猫はよく嘔吐しますが、吐き戻したキャットフードや水分をティッシュなどで取り除いた後、雑巾で水拭きすると畳やフローリングにシミができにくくなります。
猫を怖がらせない掃除機のコツ
愛猫が掃除機を怖がる場合は、できるだけ掃除機タイムを短くしましょう。
そのためには、掃除機以外の道具の併用や抜け毛が部屋に散らない工夫が必要です。
短時間であれば、毎日掃除機をかけても、愛猫がストレスを抱える心配はありません。
掃除機をかける時間を短くする
掃除機の大きな音で愛猫を怖がらせないためには、他の掃除道具も併用して、掃除機タイムを短くしましょう。
音のしない道具を使えば、テレビを見たり音楽を聴きながら掃除できるので、時間を有効に使えます。
また、掃除機は床の乾燥したゴミを吸い取るのに便利な道具ですが、高い場所や水溶性の汚れの掃除は苦手です。
ゴム手袋や柄の長いモップで高い場所の抜け毛を取り、水溶性の汚れはウェットタイプのフローリングシートや雑巾で拭きましょう。
音の小さな掃除機を使う
愛猫が掃除機を怖がっている場合、これから買い替えるなら、できるだけ音の小さな掃除機を買いましょう。
音が静かだとその分パワーが落ちますが、最新技術によって静音性と強い吸引力が共存する掃除機も開発されています。
静音性に優れたロボット掃除機なら、飼い主さんが在宅ワークの場合は仕事中にも掃除ができ、夜の帰宅が多いオフィスワークの場合には留守中に掃除を済ませることができます。
自動で部屋がキレイになるロボット掃除機は、忙しい飼い主さんにおすすめです。
空気清浄機も使う
空気清浄機を使えば、部屋の空気中のホコリや猫の抜け毛を除去できます。ペット用のフィルターは、トイレのニオイの脱臭も得意です。
空気清浄機は、掃除機のように大量のゴミを吸い取ることはできませんが、汚れた空気を吸い込み、キレイな空気を排出してくれます。
常に稼働させることで、空気が循環して自動で部屋が清浄されるので便利です。
愛猫が掃除機を怖がらない場合にも、リビングや寝室に置いておくと、快適な空間を保ちやすくなります。
掃除の時間帯を決める
猫は適応力が強い動物です。そのため、掃除のタイミングを決めると、その時間帯だけ耐えればよいと学習します。
例えば、朝9時に掃除機をかけると決めておけば、愛猫はその時間になると別の部屋に移動したり、トイレや食事を他の時間にしたりします。
猫は習慣化が得意で、いつもと同じ行動をすることはストレスの解消にもつながります。
掃除機を怖がる場合は、掃除のタイミングを決めて短時間で済ませる工夫をしましょう。
猫のブラッシングをする
猫には年2回の換毛期(春・秋)があります。換毛期は特に抜け毛が増えるので、念入りに部屋の掃除をしましょう。
ブラッシングで抜け毛を取り除くと、掃除機タイムを短縮できます。
短毛種は週に3〜4回、長毛種なら毎日1〜2回が目安です。1回のブラッシングは、3分程度で終わらせましょう。
また、本来は猫用ではありませんが、粘着力の弱いコロコロクリーナーでブラッシングの仕上げをすると、毛が飛び散りにくくなります。
【まとめ】猫が怖がる時は掃除機タイムを短く!
猫の性格はそれぞれで、掃除機が平気な子もいれば、逃げ回る子もいます。
できるだけ愛猫にストレスをかけたくはないですが、掃除機を怖がるからといって、全くかけないわけにはいきませんね。
毛が抜けたりトイレ砂が飛び散ったりするので、猫と暮らすうえで掃除機は欠かせません。
愛猫が掃除機を怖がる場合は、こまめにブラッシングをしたり、音の出ない掃除道具を併用したりして、掃除機タイムを短くしましょう。
愛猫と飼い主さんがお互いにストレスなく快適に過ごせるように、工夫して部屋をきれいに保ちたいですね。