猫は高いところが大好きです。上下移動ができるキャットタワーは猫の本能を満たし、ストレス発散に役立ちます。キャットタワーは必須のアイテムではありませんが、室内だけで暮らす猫にとって大切な居場所となります。
子猫は生後2〜3ヵ月頃から行動範囲が広がりますが、キャットタワーはいつから必要なのでしょうか?この記事では、猫の年齢に合わせたキャットタワーの選び方や注意点を解説します。安全な使い方を知って、愛猫と快適に暮らしましょう。
キャットタワーはいつから与える?
完全室内飼いの猫にとって、キャットタワーは遊び場や寝床として大切な居場所です。しかし、体格や運動能力を考慮して設置しないと落下の危険性があります。
特に、小さな子猫がキャットタワーを使う時には、目を離さないようにしましょう。ここでは、愛猫にキャットタワーを与える適切な時期について解説します。
キャットタワーが必要なのは生後7ヵ月から
猫は生後半年を超えると、すばやく走ったり高くジャンプしたりと活発に動き回るようになります。愛猫の発達具合を見ながら、キャットタワーを取り入れましょう。
猫の成長スピードは早く、生後1年〜1年半ほどで成猫になります。子猫用の低いキャットタワーではすぐに物足りなくなるので、7ヵ月頃から本格的なキャットタワーを用意するのが経済的です。
また、猫も年を取るとだんだん運動能力が低下し、活動量が減っていきます。キャットタワーを導入・新調するなら6歳までが目安です。7歳以降は適応力が低くなりストレスを感じやすくなるので、部屋の環境の大きな変化を避けましょう。
子猫用は生後4ヵ月から使える
子猫が活発に上下運動を始めるのは生後4ヵ月頃からです。小さな体でソファや階段などにピョンピョン飛びつき始めます。
しかし、まだ運動能力が低いので、高い段差を登ったり飛び降りたりすることが上手にできません。落下の心配があるため、低めのキャットタワーがおすすめです。
子猫用のキャットタワーは生後4ヵ月頃から使うことができます。低いとはいえ、着地を失敗することもあるので目を離さないようにしましょう。
成猫でも、脚が短いマンチカンや運動量が少ないペルシャ猫などにも子猫用のキャットタワーがおすすめです。また、先天的に骨が弱いスコティッシュフォールドはケガの可能性が高いので、キャットタワーを使う時には特に注意しましょう。
子猫にはキャットタワーよりケージがおすすめ
子猫から飼育する場合は、キャットタワーよりも先にケージ(2〜3段)を用意するのがおすすめです。1階部分にトイレを置き、上部に寝床を用意しましょう。ケージを安心できる自分の居場所にしておけば、愛猫にお留守番をさせたい時に役立ちます。
また、猫は自分の縄張りを大切にするので、先住猫がいる家庭に新入り猫を迎える場合にもケージが活躍します。最初は隔離して暮らし、少しずつお互いの存在を知る方がスムーズに仲良くなれるでしょう。
2段以上であればケージ内で上下移動できるので、キャットタワーの代わりになります。ただし、長時間ケージに閉じ込めっぱなしにするとストレスがたまりやすいです。生活にメリハリをつけて、決めた時間にだけケージを使用しましょう。
キャットタワーの3つの役割
2階建て以上の戸建てや広々とした住まいに猫1匹の場合、キャットタワーは必須ではありません。しかし、ワンルームや多頭飼いの場合には、キャットタワーがあると愛猫の生活の質が上がります。
あまり広くない空間でも上下移動ができるキャットタワーは、運動不足の解消に役立ちます。爪とぎ器を兼ねると、家具や壁などを傷つけられる心配が少なくなるでしょう。
運動不足の解消
そもそも猫は、狩りや休息などのために高いところで過ごす習性があります。しかし、室内で暮らす猫にとって上下移動ができる場所は少なく、縄張りも狭いので運動不足になりがちです。
運動不足によって肥満になると、さまざまな病気にかかりやすくなります。そのため、飼い主さんは愛猫に運動させる必要がありますが、オモチャで遊ぶのにも限界がありますね。
キャットタワーを設置すると1日に何回も上り下りをするため、、自然に運動不足が解消されます。特に避妊・去勢をした猫は肥満になりやすいので、キャットタワーを活用するのがおすすめです。
ストレスの発散
猫は高いところが大好きです。上から縄張りを見渡したり、飼い主さんを眺めたりして安心感を得ています。
多頭飼いの場合は、他の猫との距離を保つのにも役立ちます。のんびりしたい時の休憩場所やケンカした時の避難場所として必要です。
また、キャットタワーを窓辺に置くと、外を見たり日向ぼっこしたりもできます。猫にとって、窓からの景色は「テレビのようなもの」と言われています。退屈しのぎや刺激になり、ストレスがたまりにくくなるでしょう。
爪とぎ・イタズラの防止
キャットタワーの柱(ポール)に麻ヒモを巻くと爪とぎ器になります。限られたスペースにさまざまな猫グッズを置くのは大変なので、キャットタワーが爪とぎ器を兼ねるのは助かりますね。
キャットタワーの柱ごと交換できるタイプもありますし、自分でヒモを巻くことで爪とぎ器にすることもできます。愛猫の好みに合わせて、麻や綿などの素材を選びましょう。
猫は本能を満たされないとストレスをためてしまい、イタズラをすることがあります。キャットタワーでストレス発散することで、イタズラを防止する効果が期待できます。
キャットタワーの種類
キャットタワーには2種類あります。お部屋の広さや猫の数を考慮しながら、使いやすいタイプを選びましょう。
色や素材もさまざまですので、掃除しやすく、インテリアに合ったキャットタワーを選ぶのがおすすめです。
据え置きタイプ
据え置きタイプのキャットタワーは、床と天井で固定しないので簡単に移動できます。猫の通り道に置くこともできますし、壁や窓の近くに置けば空間を広く使うことができます。
大きな猫や活発な猫が上り下りする時にはグラグラする可能性があるので注意が必要です。必ず平らな床に設置し、耐荷重を確かめておきましょう。
また、設置するのはリビングや書斎など飼い主さんが長く過ごす場所がおすすめです。逆に、キッチンや寝室、階段のすぐ近くは避けましょう。愛猫や飼い主さんがケガをする恐れがあるからです。
突っ張りタイプ
突っ張りタイプのキャットタワーは、床と天井で固定するため安定感が抜群です。壁際に設置すれば、飼い主さんの生活の邪魔になりません。据え置きタイプと比べると簡単に移動できないため、しっかりと考えてから設置場所を決めましょう。
天井近くまでステップを作れるので、より高い場所を好む猫におすすめです。また、ステップ以外にもさまざまな付属品を使用できます。愛猫がハンモックでくつろぐ様子や透明板から見える肉球など、飼い主さんの楽しみも増えるでしょう。
多頭飼いの場合は、耐荷重の大きいキャットタワーを選ぶ必要があります。1か所に猫が集まって乗っても大丈夫なキャットタワーを選びましょう。
キャットタワーを選ぶ時の5つのポイント
キャットタワーを選ぶ時は、「安全性・高さ・大きさ・コスパ・デザイン」に注目しましょう。ここでは、それぞれのポイントについて詳しく解説します。愛猫の年齢や性格などを考慮して、安全に長く使えるキャットタワーを選びましょう。
安全性
キャットタワーを選ぶ時に最優先すべきポイントは「安全性」です。安定感や滑りにくさをしっかりと確認してから購入しましょう。
もちろんデザインや値段も大事ですが、愛猫や飼い主さんがケガをしないことが最も重要です。耐荷重や付属品について、製品説明や口コミをしっかりと読みましょう。土台がグラグラしないか、上り下りしやすい形状かどうかなどの情報をチェックしてください。
オモチャ付きのキャットタワーもありますが、体に巻きついたり誤飲したりしないように見守る必要があります。仕事や旅行で外出する機会が多い方は、オモチャなしのタイプがおすすめです。
高さ
愛猫の年齢や運動能力に合わせて、キャットタワーの高さを選びましょう。子猫やシニア猫はジャンプに失敗することがあるため、据え置きタイプの低い製品がおすすめです。
運動能力が高い成猫は、助走なしでその場から1.5mの高さまで垂直ジャンプできます。愛猫の運動能力に見合ったキャットタワーを設置すると満足度が上がるでしょう。
ただし、キャットタワーは高すぎないことが重要です。「体調の悪い猫が動けなくなっても救出できるか・掃除しやすいか・落ちても危険がないか」の3点を意識して設置しましょう。
大きさ
猫の性格や頭数に合わせて、キャットタワーの大きさを選びましょう。活発な猫にはステップが多く上下運動を促進する大きめのタイプがおすすめですが、穏やかな猫はハンモックなどの寝床がある小さめのタイプでも満足するでしょう。
ステップの幅も重要です。1匹の場合は200mmが目安になります。多頭飼いの場合は、2匹がすれ違えるように300mm以上あれば安心です。また、400mmあれば安全に寝ることができます。
キャットタワーは大きいほど良いかというと、そうでもありません。小さくても、窓辺で日向ぼっこができたりボックスに隠れられたりすると、十分に満足して過ごすことができます。
コスパ
キャットタワーを選ぶ時はコスパにも注目しましょう。猫と暮らすには、たくさんのお金がかかります。そのため、できるだけ無駄な出費は避けたいですね。
オリジナルでステップを設置できるキャットウォークなら、愛猫の成長や頭数に合わせて自由に使うことができます。買い替える必要がないので、長期的に使えてコスパが良いでしょう。
猫壁(にゃんぺき)は、マグネットで壁にくっつけるタイプのキャットウォークです。パーツは単品で追加購入もできます。自由に位置を変えられるので、何歳になっても飽きずに使うことが可能です。パーツを天井近くに設置すれば、キャットタワーのように高い位置で過ごせます。
デザイン
キャットタワーは、インテリアに合うデザインを選びましょう。ホワイトやブラウンなどの他の家具になじみやすい色もおすすめですが、あえてインテリアのアクセントとなる色やデザインのキャットタワーを選ぶのも素敵ですね。
また、掃除しやすいデザインも重要です。キャットタワーにはホコリや猫の抜け毛がたまりやすいので、こまめに掃除しやすいものを選びましょう。猫はよく嘔吐をするので、水に強い素材がおすすめです。
ボックスやハンモックの掃除も必要です。踏み台に乗って手の届く高さまでにしましょう。高さの上限の目安は、約2mです。
キャットタワーを使う時の注意点
キャットタワーは、室内で暮らす愛猫の生活の質を上げてくれます。しかし、骨折などの思わぬケガにつながる可能性もあるので注意が必要です。ここでは、安全に使うためのポイントを解説します。
まずは、猫を落下させないための工夫が大切です。キャットタワーのステップには滑り止めをつけましょう。床にはカーペットやマットなどを敷いて落下の衝撃を和らげ、ジャンプや着地の邪魔になる物を置かないように整理整頓を心がけてください。
また、猫の抜け毛はアレルギーの原因となります。そのため、キャットタワーにたまった抜け毛は、こまめに掃除しましょう。高所用のモップ(クイックルワイパーなど)を活用し、上から下へとゴミを落としていくのが掃除のコツです。
お金をかけずにキャットタワーを作る方法
子猫のうちから早めにキャットタワーを購入しなくても、工夫次第で愛猫の満足度を上げることができます。猫用グッズを増やしたくない方やお金をかけたくない方におすすめの方法をご紹介します。
子猫の時期は短いので、成長が落ち着いてからキャットタワーを選ぶのも良い選択です。子猫には、高低差をつけた段ボール箱で遊び場を用意してあげましょう。そこで遊ぶようにすれば、ソファに爪を立ててジャンプするのを防ぐことができます。
また、成猫には、椅子・棚・タンスを階段状に置くことでキャットタワーの代わりにできます。家に今あるもので、高い場所に居場所を作ってみましょう。タンスは幅が広いため、2匹の猫が一緒に寝転んでも安全です。
【まとめ】キャットタワーは年齢に合わせて安全に使おう!
上下移動ができるキャットタワーがあると、愛猫の運動不足やストレスの解消に役立ちます。愛猫の年齢や頭数を考慮して、遊び場や落ち着ける居場所を用意しましょう。
子猫用のキャットタワーは、生後4ヵ月頃から使うことができます。しかし、猫は成長が早いので、7ヵ月頃まで待ってから本格的なタイプを購入するのもおすすめです。
キャットタワーを選ぶ時は、値段やデザインだけでなく、安全性や掃除のしやすさも意識しましょう。