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愛犬を海外旅行に連れて行ける?入出国に必要な手続きや機内での過ごし方について

愛犬と海外旅行に行きたいと考える飼い主さんの中には、「飛行機に乗せて大丈夫?」「手続きが難しそう…」と不安に感じる方も多いことでしょう。

実際、国ごとの入出国条件や航空会社のルールなど、確認すべきことはたくさんあります。

この記事では、愛犬と一緒に安心して海外へ旅立つために知っておきたい基本的な手続きや、機内での過ごし方をご紹介します。

愛犬と海外旅行に行っても大丈夫?

愛犬と海外旅行に行っても大丈夫?
愛犬を海外旅行に連れて行くことは可能ですが、事前にいくつか確認しておきたいことがあります。

まずは日本を出国する条件や渡航先の入国ルールについて見ていきましょう。

日本の出国条件を守る必要がある

愛犬とともに出国する行為は、法律上「輸出」と見なされ、農林水産省が定める輸出検疫の条件を満たす必要があります。

基本となるのは、マイクロチップの装着・狂犬病の予防接種・抗体検査の3つ。

これらは、愛犬の健康管理だけでなく、感染症の拡大を防ぐためにも大切なことです。

愛犬同伴の出国には、検査結果や必要書類を整えたうえで、動物検疫所へ申請し、正式な証明をもらうことが条件となります。

特に抗体検査には時間がかかるため、出発の6ヶ月以上前から準備を始めるのがおすすめです。

旅行先の入国条件も調べておく

出国の手続きが完了しても、行き先の国によってはさらに別の条件がある場合があります。

国によっては「狂犬病発生地域」として扱われており、日本とは異なる厳しい条件が設けられていることも少なくありません。

例えば、ハワイやイギリスなど一部の国では、狂犬病対策が非常に厳格で、検疫期間の設定や追加書類の提出が求められることがあります。

健康証明書や予防接種証明の形式が国ごとに異なる場合もあるため、各国の入国条件は公式な情報源から最新情報を確認しましょう。

また、航空会社によっては犬種やサイズによる搭乗制限が設けられている場合もあります。

短頭種(フレンチ・ブルドッグなど)は飛行機に乗せられないケースもあるため、輸送手段や便選びにも注意が必要です。

また、書類の提出期限や形式も航空会社ごとに設けられているため、往復の移動手段まで含めて下調べしておくことをおすすめします。

渡航先別|愛犬の入国要件の違い

渡航先別|愛犬の入国要件の違い
安心して楽しむには、出発前にその国のルールをよく理解しておくことが大切です。

ここでは渡航先ごとに異なる入国条件について、ご紹介します。

アメリカ合衆国

アメリカ本土への渡航は、日本が「狂犬病清浄国」と見なされていることから、比較的スムーズに入国できます。

マイクロチップの装着や、狂犬病ワクチン接種証明書、健康証明書などが主な必要書類です。

ただし注意したいのが、州ごとに独自のルールを設けている点。

例えばカリフォルニア州では問題なく入国できたケースでも、別の州では追加書類の提出を求められる場合もあります。

アメリカへの旅行を検討している方は、州ごとのルールもチェックしておきましょう。

EU諸国(ヨーロッパ)

ヨーロッパへの渡航も、基本的な条件を押さえておけばそこまで難しくはありません。

EU圏では、マイクロチップの装着後に狂犬病ワクチンを接種し、その情報を「EU統一形式」の健康証明書に記載する必要があります。

多くの国では抗体価検査が免除される傾向にありますが、イギリスなど一部の国では追加で「寄生虫(エキノコックス)対策」などが義務づけられていることも。

たとえ同じEU圏であっても、国によって少しずつ要件が異なるため、希望する国の最新情報を確認するのが確実です。

都市間移動が多い旅の場合は、経由地でのルールにも目を向けておきましょう。

オーストラリア

オーストラリアは、ペットの入国に関して世界でも特に厳格なルールを持っている国の一つです。

日本はリスクの低い国として扱われていますが、それでも入国には多くの事前準備が求められます。

まず、「輸入許可証」の取得が必須です。

オーストラリア大使館では許可証の発行ができないため、現地当局に直接申請しなければなりません。

そして、マイクロチップや狂犬病の抗体価検査に加えて、寄生虫・感染症に関する複数の検査証明書を揃える必要があります。

また、オーストラリア入国後は最低10日間の係留が義務づけられている点にも注意が必要です。

指定地域(6地域)

日本からの出国・帰国手続きが比較的スムーズな「指定地域」は、全部で6か所です。
  • ハワイ
  • グアム
  • オーストラリア
  • ニュージーランド
  • アイスランド
  • フィジー
これらの地域は狂犬病の発症例がない、または少ない地域のため、犬同伴の入国に厳しい条件を課しています。

ただし、日本も狂犬病リスクが低いと認められているため、準備期間や必要書類は比較的簡潔です。

なお、ISO規格のマイクロチップ装着が義務付けられ、帰国時には「過去180日間以上、指定地域のみに滞在していたか」などの在住要件が問われることがあります。

仮にこの要件を満たさない場合、帰国時に係留(動物検疫所が指定する施設で愛犬を一定期間隔離して観察する検査)が必要になるケースもあるため、しっかり確認しておきましょう。

愛犬を海外旅行に連れて行くために必要な手続き

愛犬を海外旅行に連れて行くために必要な手続き
愛犬を日本から海外に連れて行くには、さまざまな手続きが必要です。

ここでは、出発前と出発当日にやるべきことを順番にご紹介します。

出発前の準備

出発前の流れは以下の通りです。
  • 〜4ヶ月前:マイクロチップの装着を確認する
  • 〜2ヶ月前:狂犬病ワクチンを接種する
  • 〜2週間前:指定機関で健康証明書を取得する
  • 〜10日前:輸出検査を受ける動物検疫所に連絡する
まずはISO規格に準拠したマイクロチップを装着し、番号や装着日の記録がある証明書を必ず保管しておきましょう。

これがないと、その後の手続きが進められません。

狂犬病ワクチンの接種は2回必要な国もあり、抗体検査が求められる場合もあるので、検査が必要かどうかは早めに確認しておきましょう。

その後、かかりつけの動物病院で健康診断を受け、「この子は感染症にかかっておらず、渡航に問題がない」という証明書を発行してもらいます。

提出先によっては英語など指定言語での発行が必要な場合もあるので、獣医師に相談してみてください。

渡航日が近づいてきたら、動物検疫所への連絡と検査予約もしておきましょう。

出発予定の空港にある検疫所へ、10日前までに連絡を入れ、検査の予約と必要な書類を確認しましょう。

すべての準備が整っていないと、当日飛行機に乗れないこともあるので、早めに準備を始めることをおすすめします。

出発当日の流れと手続き

出発当日は、空港にある動物検疫所で「輸出検疫証明書」を発行してもらいます。

「愛犬が健康で渡航に問題がない」と証明する大事な書類で、これがないと国際便には乗せられません。

証明書を発行してもらうには、これまで準備してきたマイクロチップ証明や狂犬病ワクチン接種証明、抗体検査の結果通知、健康診断書などが必要です。

書類の内容に不備があると、その場で証明書が発行されないこともあるので、出発前にしっかり確認しておきましょう。

検疫が無事終われば、輸出検疫証明書の原本と、そのコピーを受け取ります。

原本は渡航先での入国時にも必要になることが多いため、手荷物でしっかり管理し、念のためコピーも用意しておくと安心です。

愛犬との海外旅行から帰国する際に必要な手続き

愛犬との海外旅行から帰国する際に必要な手続き
愛犬との海外旅行では、出国時だけでなく、帰国時にも手続きが必要です。

事前準備を怠ると、空港で長期間の係留が必要になることもあるため、帰国前からしっかり備えておきましょう。

帰国前に必要な準備

まず押さえておきたいのが、「輸入届出書」の提出です。

これは、愛犬と一緒に日本に戻る意思を、あらかじめ動物検疫所に伝えるための書類で、到着予定日の40日前までに手続きを済ませる必要があります。

届出には、ワクチン接種証明や健康証明などを添える必要があり、受理されると「届出受理書」が発行されます。

届出受理書は入国審査の際にも提示が必要になるため、大切に保管しておきましょう。

また、出発前には現地で健康診断を受け、愛犬が病気にかかっていないことを証明する書類も準備しておく必要があります。

加えて、滞在中に狂犬病ワクチンの免疫期間が切れていないか、抗体検査の有効期限を過ぎていないかも事前に必ず確認しましょう。

帰国後に必要な手続きと注意点

日本に到着したら、まず最初に向かうのが空港内の動物検疫所です。

ここで必要書類を提示し、愛犬の健康状態やマイクロチップの識別番号などを確認してもらいます。

手続きは到着から12時間以内に終える必要があるため、検疫所の場所や流れをあらかじめ調べておくと安心です。

ここで問題なく検査が通れば、通常は数時間で検疫が解除され、自宅へ一緒に帰れるようになります。

一方で、書類の記載ミスや有効期限切れなどの不備が見つかった場合は、最長180日間の係留が求められることも。

実際、指定外の検査機関で抗体検査を受けたためにやり直しとなり、帰国が何ヶ月も遅れてしまったケースもあります。

不安をなくすためにも、帰国前の段階で検疫所に書類を事前確認してもらうのがおすすめです。

飛行機で移動する際の注意点とルール

飛行機で移動する際の注意点とルール
海外旅行で愛犬を飛行機に乗せるとなると、想像以上に気を配るポイントがあるもの。

ここでは、愛犬と一緒に飛行機に乗る際の注意点とルールをご紹介します。

ペットは原則として貨物室に預ける

国際線の場合、多くの航空会社ではペットは「受託手荷物」として預け入れる扱いとなります。

つまり、多くの場合で愛犬は飛行中、機内ではなく貨物室で過ごすことになるのです。

貨物室といっても、きちんと空調が管理され、温度や気圧も調整されていますが、やはり飼い主さんとしては心配なものですよね。

小型犬など限られた条件下では、機内持ち込みが認められることもありますが、体重やクレートのサイズなどに細かい制限があります。

どちらになるかは利用する航空会社によって異なるため、事前に確認しておくことをおすすめします。

また、搭乗前には追加料金がかかることや、事前予約が必要なことも多いので、出発が決まったら早めに航空会社の案内をチェックしておきましょう。

時期によって預けられない犬種もいる

気温の高い時期や低い時期は、犬にとっても体に負担がかかりやすくなります。

特に暑さやストレスに弱く、呼吸がしにくくなるリスクが高まることから、多くの航空会社では夏場に短頭種(パグ、ブルドッグ、シー・ズーなど)の預け入れを制限しています。

フライト中の安全を考えたうえでの措置ですが、この点を知らずに渡航計画を立ててしまうと、予定が変更になるケースも。

該当する犬種の飼い主さんは、各航空会社が公開している「輸送できない犬種・期間」の情報を事前にしっかり確認しておくのが大切です。

また、時期によっては早朝や夜間の便を選ぶことで、温度や湿度の負担を軽減できることもあります。

規定を満たしたクレートが必須

飛行機での移動では、どの航空会社でも必ず「基準を満たしたクレート(ハードタイプのケージ)」が必要となります。

強度・通気性・施錠機能など、国際航空運送協会(IATA)が定めた最低条件をクリアする必要があり、愛犬が立ち上がって方向転換ができるサイズが理想的です。

底面にペットシートを敷いたり、飼い主さんのニオイのついたタオルを入れてあげると、少しでも安心して過ごせる空間になります。

クレートに入ることを嫌がる子も多いため、事前に慣らしておくことも忘れずに。

愛犬との海外旅行は意外と大変!早めの準備を

海外で愛犬と過ごす時間は、日常にはない特別な思い出になることでしょう。

ただし、愛犬との海外旅行には想像以上の準備が必要です。

出国時の手続きや国ごとに異なる入国条件、航空会社の規定、さらには日本帰国時の検疫ルールなど、確認すべきポイントは多岐にわたります。

手続きが不十分な場合、渡航ができなかったり帰国時に長期の係留が必要になるケースも。

安心して旅を楽しむためにも、早い段階からスケジュールを立てて一つずつ準備を進めていきましょう。
 
この記事を書いたペットとの暮らしの専門家
丸山瑞季
    SEO対策を行なった記事作成が得意。犬と猫、どちらの記事も対応可能。
    (マルチーズ×キャバリア/男の子)(キンカロー/男の子)




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