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【体験談】猫の避妊・去勢手術の時期や費用、病院の選び方や術後のケア

望まない妊娠・出産を防ぐためだけでなく、猫の健康のためにも避妊・去勢手術を受けさせることは猫と暮らす飼い主の大切な心得のひとつです。

今回は、実際に男の子・女の子それぞれの猫の不妊手術を経験した筆者の体験をもとに
「費用はどれくらい?」
「手術を受けさせる時期は?」
「入院は必要?」
「術後は何に気を付けたらよい?」

といった疑問にお答えします。

猫の避妊・去勢手術が必要な理由

発情によるストレスの緩和

発情期には異性を求め外に出たがる傾向があり、それが叶わないことで猫には大きなストレスがかかります。

手術をして発情を抑えることで、ストレスを緩和し健康的に過ごせるようになります。


病気の予防

生殖器があることで起こりうる病気が、女の子の場合「子宮蓄膿症」「卵巣腫瘍」「乳腺腫瘍」、男の子の場合「精巣腫瘍」です。

避妊・去勢手術により生殖器を摘出することで、これらの病気を予防することができます。

特に女の子は、生後12ヶ月までに手術すれば高い確率で乳腺腫瘍の予防になることが報告されています。

子づくりしない場合は全猫に手術を

子猫を増やす予定がないのであれば、全猫に避妊・去勢手術を受けさせましょう。

猫にとってはストレスが抑制され、また飼い主にとっては猫の問題行動に悩まされることがなくなるため、不妊手術はお互いにとってメリットがあるのです。

出典:環境省 ふやさないのも愛

猫が避妊・去勢手術する目安の月齢


手術は最初の発情期を迎える前にすることが望ましいとされています。

早い子だと生後5ヶ月で発情することもあるようです。

特に男の子の猫は発情期になると「スプレー」というマーキング行動をするようになるのですが、一度経験した後では去勢後でも治らないことがあるため、早めに病院に相談しましょう。

実際にいつ手術を受けられるかという判断は、動物病院の方針により異なります。

病院選び

事前に手術の流れを確認

猫の手術前後のケアのためにも、病院選びは重要です。

事前に問い合わせをして、手術内容をしっかり確認し納得できる病院を選びましょう。

病院によっては(獣医師が高齢などの理由で)手術を行っていない、もしくは男の子の去勢手術しか受け付けていないところもあります。

我が家のかかりつけ医がまさにそれで、対応してもらえるのは去勢手術のみでした。
男の子・女の子それぞれ同時に手術することを検討していたため、一から病院探しをすることになったのです。

猫にとっては手術のみならず、外出そのものが大きなストレスになります。
できれば家から近い病院を選び、猫の負担を軽くしてあげましょう。

問い合わせる内容について

まずは電話で事前確認をします。
問い合わせる内容は次の通りです。

1、手術が受けられる月齢

2、検査内容について

3、手術前に一度診察してもらう日取り

4、入院or日帰り(通院)

5、費用

6、術後服orエリザベスカラー

7、マイクロチップの埋め込みについて



1、手術が受けられる月齢
先述した通り、動物病院により手術をする月齢は微妙に異なります。
健康状態や体格にもよるため、あらかじめ確認しておきましょう。

2、検査内容について
手術前には必ず検査を受けます。
主に血液検査や身体検査が基本的な検査内容になりますが、加えて猫白血病ウイルス感染症(FeL)、猫免疫不全ウイルス感染症(FIV)、レントゲンなどのオプション検査があります。

何が標準検査になり、何がオプション検査になるか確認しましょう。
3、手術前に一度診察してもらう日取り
麻酔や手術が可能かどうか健康状態をあらかじめ事前に診察してもらうため、手術前に一度猫を連れて受診します。

その日取りについて確認しましょう。

我が家の猫たちがお世話になった病院では
手術希望日の1週間~10日前に一度受診し、身体検査(問診・視診・触診・聴診)をして
手術当日に血液検査(その他オプション検査)をするという流れでした。
4、入院or日帰り(通院)
日帰り手術か、入院が必要かどうかも確認しておきましょう。

男の子であれば、たいがいは日帰り手術であることが多いのですが、女の子の場合は開腹手術になるので入院を勧められることもあります。

ちなみに我が家の猫たちは男の子・女の子ともに日帰りでした。
日帰り手術の場合は、その後の通院についても説明を聞いておきましょう。
5、費用
費用は同じ検査内容・手術方法でも病院により異なります。

電話をすれば口頭で説明してもらえますが、病院に出向いて見積書をもらうことも可能です。
6、術後服orエリザベスカラー
手術後には猫が傷口を舐めないように、術後服を着させるかエリザベスカラーを付けるか選択します。

我が家の場合、病院の方針で
「術後服だと猫が布の上から舐めてしまい、穴が開いて結局傷口を舐めてしまうことがある」とのことでエリザベスカラー一択でした。
7、マイクロチップ
避妊・去勢手術を受けるタイミングで、猫が迷子になった時に備えてマイクロチップを装着される飼い主さんも多いです。

マイクロチップの装着を検討されている方は、手術の際に一緒にやってもらえるかどうか確認しましょう。

出典:環境省 犬と猫のマイクロチップ情報登録について [動物の愛護と適切な管理]

手術前後の過ごし方

日帰り手術の場合の、手術前日・当日・術後の過ごし方について解説します。

前日

手術の前日の夜から絶食となります。(飲水は当日朝まで)
我が家の猫たちの場合は、前日21時以降は一切食べ物を与えてはいけないと言われました。

麻酔の影響で吐いてしまう恐れがあるため、必ず病院の指示に従ってください。
(手術を受ける時間帯により、絶食・絶飲時間は変わってきます)

「しばらく食べられないとかわいそうだから」といって絶食前の食事を多めにあげるなども控えましょう。食事はいつもと同じ分量だけ与えます。

当日

病院が指定する時間に猫を預けます。
その際あらためて手術内容や麻酔についての説明を受け、承諾書にサインします。

術後服やエリザベスカラーを自前で用意した場合は、この時一緒に病院に預けましょう。

※動物病院には他の犬・猫たちがいるため、お互いにノミ・ダニがうつらないように予防としてノミ・ダニ駆除薬が投与されます。

筆者の猫たちの場合は、朝9時に預けて18時頃にお迎えという段取りでした。

家に連れ帰った後の最初の食事・飲水については病院の指示に従ってください。

手術が終わったら

帰宅後は猫の体調の変化に気をつけながら、しばらくそっとしておいてあげましょう。
ケージなど、落ち着いてゆっくり過ごせる場所があると良いですね。

痛くて不安でいっぱいなはずなので、できれば飼い主の目の届く場所で安心させてあげてください。

猫は術後の傷口が気になって仕方ないでしょうし、一生懸命舐めようとするかもしれないので注意深く様子をみてあげましょう。

術後の通院

我が家の場合、抜糸の必要がない男の子の小次郎はその後通院することはなく、女の子の小町は手術の翌日と1週間後に傷口の消毒のため通院し、手術から2週間後に抜糸しました。

猫の体調によって内服薬を処方されることもあります。(小町は術後下痢気味だったので整腸剤を処方してもらいました)

手術前の検査と手術当日、その後の通院回数を数えると
男の子の場合:通院2回
女の子の場合:通院5回
という結果でした。
エリザベスカラーは抜糸まで2週間つけっぱなしです。

検査・手術・通院の費用


病院によって診察費は変わってきますが、参考として筆者の猫たちの実例を載せます。
(2019年12月時点のものです)
参考になれば幸いです。

男の子の猫の場合(去勢手術)

事前受診~手術当日

女の子の猫の場合(避妊手術)

事前受診~手術当日

術後の通院

事前の受診や通院費を合わせると

去勢手術は26,660円(税別)、避妊手術は42,500円(税別)という結果でした。

男の子・女の子一緒の手術だと約7万円ほどかかる計算ですね。

 

他の病院で見積もりを取った際、同じ内容でも避妊・去勢それぞれ15,000〜20,000円ほど多かったので、本当に病院により金額は異なります。

 

これは筆者の経験談ですが、病院での処置は「安かろう悪かろう」とは一概に言い切れません。

獣医師との相性もあるため、処置内容については納得がいくまで話を聞き、相見積もりをとって検討することをおすすめします。

術後あって良かった(あれば良かった)アイテム

避妊・去勢手術を経験し、あって良かったorあれば良かったアイテムについてご紹介します。

ケージ

<手術を終え、帰宅した直後の様子>

 

手術を終えた猫は、恐らく飼い主が思っている以上にダメージを受けています。

知らないところに連れていかれ、知らない人たちに囲まれ、怖く痛い思いをしたのだから当然です。

 

術後はとにかく、猫が落ち着ける環境でゆっくり休ませてあげることを最優先しましょう。

 

その際に、ケージはとても役に立ちました。

 

我が家は2頭同時に手術を受けたので、お互いがお互いを刺激せずマイペースに休息が取れるよう(手術後の一晩だけでしたが)写真のように3段タイプのケージを分解して1頭ずつ使用しました。

 

1頭ずつのキャリーバッグ

 

当時、2頭とも生後7ヶ月弱でまだ体重も3kgに満たないほどであったため、1個のキャリーバッグに2頭一緒に入れて運んでいたのですが、術後はエリザベスカラーを装着しているためさすがに2頭一緒は無理でした。

 

これは多頭飼いでなおかつ複数猫同時に手術を受ける場合のことなので、あまり例はないかもしれませんが、1頭ごとにキャリーバッグを用意しておけば良かったと反省した実例です。

 

災害時などにも備え、キャリーバッグは最初から頭数分準備しておきましょう。

 

猫の負担にならないエリザベスカラー

傷口を傷めないために術後にはエリザベスカラーが必須ですが、行動を制限してしまうので猫にとってはかなりの負担になります。

 

特に女の子の小町は骨格が小さく、首が細かったため一番小さなサイズのエリザベスカラーでもフィットせず、とても動きづらそうでした。

 

そこでご紹介したいのが「あの時知っていたら、うちの子にも使ってあげたかった……!」と、筆者が個人的に気になっているこの商品。

 

軽くて柔らかい猫用エリザベスカラーです。

 

180度に曲げられるくらいに柔らかく、市販のプラスチック製に比べ約半分の軽さなので「少しでも猫の負担を軽くしてあげたい」という飼い主さんにおすすめです。

 

サイズも7種類と豊富なので、ぜひ検討してみてくださいね!

 

【実録】手術後の猫の変化

<手術の翌日の様子>

 

「去勢・避妊手術をすると猫の性格が変わる」なんて聞いたことはないでしょうか?

 

実際に筆者宅の猫たちが手術後にどのような様子で、どんな変化があったのかご紹介します。「こんな例もあるんだな」程度にお読みいただければと思います。

男の子の小次郎の場合

以前から甘えん坊でしたが術後もそれは変わらず。

 

隙あらばきょうだい猫の小町にちょっかいをかけ、飼い主にすり寄り、いつまでも少年の心を持ち続けているやんちゃな甘えん坊として成長中です。

女の子の小町の場合

それまで小次郎と共に飼い主に甘えていた小町でしたが、抜糸後から約半年間はほとんど膝の上に乗ってこなくなってしまいました……。

 

手術はもちろん、一連の病院通いがよっぽど苦痛だったのでしょう。

抱きかかえらると、トラウマがよみがえり「またどこかに連れていかれる」と思うのか、抱っこして膝の上に乗せてみてもすぐに逃げてしまうありさま。

 

なでたり遊んだり、隣に座って触れ合ったりするのは大丈夫だったのですが、この頃は特に警戒心が強かったように思います。

 

その態度に変化があったのは筆者が切迫早産で入院し1ヶ月ほど不在にしたときです。

いつも家にいた飼い主がおらず寂しかったのか、退院後は子猫の頃以上の甘えん坊になりました。

 

半年経ってようやく信頼が回復でき、胸をなでおろしたものです。

体格や運動量の変化

不妊手術後は太りやすくなる傾向があると言われますが、我が家の猫たちはその点大きな変化はありませんでした。

 

3年経ち、小次郎は体重5.4kg、小町は体重3.4kg前後をキープしています。

(病院で肥満を指摘されたことは今のところありません)

 

子猫のときほど活発ではありませんが、さほど運動量が減った感じも受けず、今も2頭で運動会を繰り広げています。

まとめ:がんばった猫への労わりを忘れずに

避妊・去勢手術は猫の健康のためとはいえ、猫自身にとっては多大なるストレスです。

 

エリザベスカラーをしているときは特に首回りなどがかゆくなるため、猫が要求してきたらしっかり対応してあげましょう。

 

グルーミングも思うようにできないため、こまめにブラッシングしてあげることも忘れずに。

 

術前・術後のケアを万全に、記事でご紹介した商品をうまく活用しながら、飼い主さんは術後の猫の体調が早く回復できるように労わってあげましょうね。





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