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砂漠で進化した猫はなぜ魚を好むの?


猫が好きな食べ物は?と聞かれると、だれもがまず魚を思い浮かべるだろう。
しかし、もともと猫は約1万年前に中東の砂漠で進化した動物であり、そこにマグロが生息していたとは考えにくい。猫がマグロを好む理由はいまだに完全には解明されていない。

猫が長い年月をかけて培った嗜好である可能性もあるが、紀元前1500年頃の古代エジプトで描かれた壁画には、すでに猫が魚を食べる様子が描かれていた。また、中世には中東のいくつかの港で、猫がマグロを含む魚を大量に食べていたことも明らかになっている。

猫には独特の味覚があり、砂糖を感じるための重要なタンパク質が欠けているため、砂糖の味を感じることができない。しかし、その分発達したのが「うまみ」を感じるセンサーだ。
5月に学術誌『Chemical Senses』に掲載された研究で、科学者たちは、猫の味蕾にはうま味を認識するのに必要な受容体があると報告している。

魚、とくにマグロはうまみ成分の宝庫で、さらにリン、ヨウ素、マグネシウム、オメガ3、オメガ6の必須ビタミンやミネラルも多く含まれている。これらの栄養素が不足していると感じると、猫は本能的に魚を食べようとするのかもしれない。

ワシントン大学の動物考古学者フィオナ・マーシャル氏は、マグロの味を好むように進化した猫は、他の猫よりも生存戦略において優位に立っていた可能性があると指摘する。

私たちが目にしている猫たちは、古代から魚を食べることで栄養を補い、生存競争に勝ち抜いて今日まで生存しているのだろう。

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