
ふわふわの白い毛並みといつも笑っているかのような表情で人気がある「サモエド」。
見た目の愛らしさから飼いやすいと思われがちですが、実際は寂しがりで頑固な一面もあり、性格に合わせた飼育環境を用意する必要があります。
この記事では、サモエドの性格や飼いやすさ、注意点を詳しく解説します。
サモエドを迎えたいと考えている方やサモエドのしつけに困っているという方は、ぜひ参考にしてください。
サモエドの基本情報
まずはサモエドの特徴や歴史について見ていきましょう。
大きさ・見た目の特徴
サモエドは体高約50~60cm、体重約16~30kgの大型犬です。
骨太で筋肉質な体型をしており、被毛にボリュームがあるため、実際の体型より大きく見えることもあります。
真っ黒でつぶらな瞳と、ピンと立ち上がった耳が特徴的です。
口角が上がって見える表情は「サモエドスマイル」とも呼ばれ、多くの人から愛されている犬種です。
毛色や被毛の特徴
サモエドの被毛は、ダブルコートです。外側のオーバーコートはやや硬めで、内側のアンダーコートは柔らかく保温性に優れています。
毛量は豊富で、抜け毛が多いのも特徴です。
また、サモエドの毛色は純白の「ピュア・ホワイト」とやや黄色味がかった「クリーム色」、ピュア・ホワイトの毛色の茶色の線が入った「ビスケット」の3種類に分かれています。
平均寿命と気をつけたい病気・ケガ
サモエドの平均寿命は12〜14年程度といわれています。
大型犬としては比較的長寿な部類ですが、遺伝的に関節系の病気を発症しやすい傾向があります。
ほかにもサモエドが気を付けるべき病気・ケガは以下のとおりです。
- 関節炎
- 股関節形成不全
- 胃捻転
- 白内障
- 緑内障
特に関節炎や股関節形成不全に注意が必要です。
ただし、関節の病気は、フローリングなどの滑りやすい床材が足腰に負担をかけることが発症の原因ともされています。
そのため、室内での滑り止め対策を行うと、発症リスクを軽減できる可能性があります。
ご家庭でできる対策として、おすすめの建材を2つ紹介します。
ワンラブコート
「ワンラブコート」は、既存の床材にUVコーティングを施して、適度なグリップの効いた床材に変えられます。
耐用年数は約30年。耐水性にも優れており、愛犬が粗相をしても掃除しやすいのが魅力です。
ボロン
「ボロン」は、洗練されたデザインが特徴の北欧生まれの床材です。心地よいクッション性とほどよいグリップ感があり、滑り止め対策にぴったり。
防汚性も高く、汚れてもタオルなどで拭きとるとシミが残りにくいのもうれしいポイントです。
サモエドの歴史
サモエドはシベリアの先住民族「サモエード族」と共に生活してきた犬種です。
トナカイの放牧やそり引き、狩猟の補助などさまざまな仕事で活躍しており、厳しい寒さから人々を守るために寝床で共に眠ることもありました。
その温厚で忠実な性格から「人と寄り添う犬」として大切にされてきました。
その後、1870年から実施された北極・南極大陸遠征に同行したのをきっかけに世界で知られるようになります。
現在では、ふわふわとした可愛らしい見た目から家庭犬としても人気があります。
サモエドの性格とは?
サモエドは「温厚でフレンドリー」といわれる一方で、頑固さや寂しがり屋な面をあわせ持っています。
ここでは、サモエドの性格について詳しく解説します。
人懐っこく穏やか
サモエドは明るくフレンドリーな性格で、家族だけでなく、初対面の人や子どもにも友好的に接します。
温厚で攻撃性が低いため、多頭飼いの家庭や小さな子どもがいる家庭でも飼いやすいでしょう。
また、人と過ごすことが大好きで、常に飼い主のそばに寄り添おうとする姿から「番犬」よりも「コンパニオンドッグ」として人気があります。
寂しがり屋で頑固な一面も
一方で、飼い主との絆が強い分、留守番が苦手で分離不安を起こしやすい一面もあります。
長時間の留守番は、ストレスや問題行動につながるため注意が必要です。
また、牧羊犬としての気質から、指示に従わない頑固な面も見られる場合があります。
無理に服従させるよりも、ほめて伸ばすしつけを根気よく続けることが大切です。
「サモエドは頭悪い」は本当?
「サモエドは頭が悪い」といわれることがありますが、これは誤解である可能性が高いでしょう。
実際には、サモエドは賢く学習能力も高い犬種です。
ただし、自立心が強いため、すぐに指示に従わない=「賢くない」と誤解されがちです。
サモエドは自分で判断する力を持ち、納得できる状況であればスムーズに指示に従えます。
そのため、サモエドの知的好奇心を刺激するような、遊びや報酬(おやつなど)を取り入れたトレーニングがおすすめです。
飼い主さんとの信頼関係を築きながら、根気よく向き合うと、サモエド本来の賢さを引き出せるでしょう。
オスとメスの性格の違い
サモエドの性格は個体差が大きいものの、性別による違いも見られます。
一般的にオスは甘えん坊で活発、遊び好きなタイプが多いとされています。体が大きくパワフルなため、子犬の頃からのしっかりとしたしつけが必要です。
一方、メスはオスに比べて落ち着きがあり、冷静でマイペースな一面を持っています。比較的しつけはしやすいですが、気分屋なところもあるでしょう。
愛犬とアクティブに過ごしたい方にはオス、穏やかな時間を大切にしたい方はメスを選ぶと、相性が良いかもしれません。
サモエドは飼いやすい?向いている飼い主と注意点
サモエドは温厚でフレンドリーな性格を持ち、家庭犬としても人気の高い犬種です。
しかし、活発さや被毛のケアの大変さなどから、誰にでも飼いやすいとは限りません。
ここでは「サモエドの飼育が向いている人の特徴」と「飼うのが大変・後悔するケース」に分けて解説します。
サモエドの飼育に向いている人の特徴
サモエドの飼育に向いている人の特徴は、以下のとおりです。
- 愛犬と一緒にたくさん遊びたい
- 充分な運動時間を確保できる
- 被毛のお手入れを続けられる
- 根気強くしつけを行い、犬との信頼関係を築く努力ができる
サモエドは明るく活発な大型犬で、人と一緒に遊ぶことが大好きです。
そのため、毎日の散歩や自由運動など、1日1〜2時間以上しっかり運動に時間を割ける人に向いています。
また、抜け毛が非常に多いため、日常的なブラッシングやお手入れを習慣にできることも大切です。
頑固な一面もあるので、根気強くしつけを続け、信頼関係を築こうと努力できる飼い主さんであれば、サモエドと良好な関係を築きやすいでしょう。
飼うのが大変・後悔するケース
次に、サモエドを飼育するのが大変になるケースを見ていきましょう。
- 抜け毛や独特の体臭に抵抗がある
- 夏の暑さ対策(エアコン管理・環境調整)が難しい
- 散歩や運動に十分な時間を割けない
- すぐに「言うことを聞かない」としつけを諦めてしまう
サモエドは寒さに強く暑さに弱いため、日本の夏を快適に過ごすためにはエアコン管理や環境調整が欠かせません。
また、毎日の散歩や十分な運動が難しい生活スタイルの人、頑固な性格に対して「言うことを聞かない」とすぐ諦めてしまう人には向いていないでしょう。
サモエドの性格に合わせた飼育のポイント
サモエドはフレンドリーで温厚な性格を持つ一方、頑固さや分離不安などの一面もあります。
性格を理解したうえで、適切な環境づくりやしつけを行うと、サモエドと暮らしやすくなるでしょう。
ここではサモエドの性格に合わせた飼育のポイントを4つ紹介します。
ほめるしつけを意識する
サモエドは自分で物事を判断する力を持っており、信頼していない相手の指示は聞き入れません。
そのため、「ほめるしつけ」を実践して、日頃から信頼関係を築いていくことが大切です。
たとえば、愛犬が吠えているときに叱るのではなく、吠えるのをやめた瞬間に褒めましょう。
こうすると「吠えなければほめてもらえる」と愛犬が学習し、吠える頻度が減ることにつながります。
毎日しっかり運動させる
サモエドは牧羊犬やそり犬として働いていた犬種で、とても運動量が豊富です。
そのため、毎日の散歩は1日2回、1回30分~1時間を目安に行いましょう。
さらに、散歩だけでは十分な運動にならない場合もあるため、ボール遊びやドッグランで思い切り走らせる時間の確保も必要です。
運動不足はストレスや問題行動の原因になるため、日々の運動は欠かせません。
「自宅の庭でも愛犬を思いっきり運動させてあげたい」と考えている飼い主さんには、人工芝の使用をおすすめします。
パネル式の人工芝「スーパークッションターフ」は、厚さ25mmのクッションパッドを採用しており、転倒時の愛犬のケガを防止してくれるのが魅力。
端部はカッターナイフでカットできるので、さまざまな場所に設置しやすいのもポイントです。
暑さ対策をする
サモエドは、寒い地域で生まれた犬種であることから寒さには強い一方で、暑さには弱い犬種です。
特に、子犬やシニア犬は熱中症になるリスクが高く、暑さ対策が不可欠です。夏場はエアコンを活用して、室内の温度を24度以下になるように調整しましょう。
散歩は、日が昇っていない早朝や深夜に行くと熱中症を予防できます。
また、熱中症対策には温度だけでなく湿度の管理も不可欠です。湿度が高いと体感温度が上がり、犬の体温調節の負担が大きくなります。
愛犬と過ごす部屋の湿度を快適に保つ方法として、調湿機能のある壁材「エコカラット」の活用がおすすめです。
「エコカラット」は、加湿・除湿どちらの機能もある壁材です。湿度が高い日には湿気を吸収し、湿度が低い日は湿気を放出します。
表面には空気を吸収・放出する孔が複数空いており、ペットのニオイや有害物質を低減する効果が期待できます。
定期的に被毛のお手入れをする
サモエドの被毛はダブルコートで、特に年2回ある換毛期には大量の毛が抜け落ちます。
そのため、毎日のブラッシングが欠かせません。特にお尻やしっぽ周りは毛玉になりやすいため、丁寧なケアが必要です。
また、美しい白い被毛を保つためには、月に1~2回程度のシャンプーも不可欠です。
定期的なお手入れを行い、サモエドの魅力でもある白くボリュームのある毛並みを維持しましょう。
サモエドの性格や飼育方法を理解しよう
サモエドは明るく温厚で家族に寄り添う性格をしている一方、寂しがりや頑固な一面もあります。
また、運動量や被毛のケア、暑さ対策など飼育に工夫が必要な犬種でもあります。
性格や特徴をしっかり理解し、生活スタイルに合った飼い方を心がければ、サモエドとの暮らしはより豊かで楽しいものになるはずです。
サモエドの魅力を正しく理解し、愛犬と快適な毎日を過ごしましょう。
