
「愛猫が玄関から飛び出してしまいそうでヒヤヒヤする」
「窓を開けて部屋の換気をしたいけれど、猫の脱走が心配」
このようなお悩みを抱えている飼い主さんも多いのではないでしょうか?
特に玄関や掃き出し窓は、猫が脱走しやすい場所なので、ペットゲートを取り付けるなどの対策が重要です。
ただし、市販のペットゲートでは、サイズや色など、細かなニーズに応えきれないことも……。
今回は、二級建築士の資格を持つ筆者が、簡単に作れる手作りペットゲートのアイデアを、図面を用いながら解説します。
DIY初心者でも安心して取り組める内容ですので、ぜひ参考にしてみてください!
猫のためのペットゲート|おすすめの設置場所
愛猫が家庭内で安全・安心して過ごせるよう、まずは猫が脱走しやすい場所や危険な場所を把握しておくことが大切です。猫のためのペットゲートを設置するおすすめの場所を、4つご紹介します。
玄関扉
家族の外出時や帰宅時など、扉を開け閉めする頻度が高い玄関は、猫にとって脱走のチャンスが多い場所です。三和土(たたき)の冷たさを求め、玄関で猫がゴロゴロと涼をとる機会が増える夏場は、特に脱走のリスクが高まります。
愛猫が玄関エリアに立ち入らないよう、ペットゲートを設けて脱走防止対策をしましょう。
掃き出し窓
掃き出し窓とは、窓の下部が床面に面しており、庭やベランダ・バルコニーなどへ出入りできる窓のことです。玄関扉と同様、飼い主さんが窓を開け閉めした瞬間に、猫が脱走してしまうおそれがあります。
脱走防止対策として、ベランダに脱走防止のネットを取り付けたり、掃き出し窓部分にペットゲートを設けたりといった工夫が挙げられます。
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階段や廊下の入口
廊下や階段前など、部屋と部屋との行き来を制限したい場合にも、ペットゲートがあると便利です。たとえば、多頭飼いをしているご家庭で、猫同士の相性が悪く、家庭内で住み分けをしたいときなどが挙げられます。
シニア猫や子猫向けに、階段での転倒防止を目的としてゲートを設置すれば、階段エリアに入り込んでしまうリスクを抑えられます。
キッチンや浴室の入口
- 刃物やコンロ、洗剤など猫が触れると危険なものが多いキッチン
- 浴槽に溜まった水で溺れるリスクがある浴室
手作りゲートの魅力
既製品のペットゲートもよいですが、手作りならさらに愛猫にぴったりのペットゲートを設置できます。愛猫に合わせてサイズを調整できる
手作りゲートの魅力のひとつが、愛猫の身体の大きさや運動能力に合わせ、ゲートの格子幅や高さを調整できる点です。猫は身体が柔軟で、小さな隙間からでもすり抜けてしまうことがありますが、DIYであれば、愛猫のサイズに合わせて高さや幅を細かく設定できます。
また、住環境に応じてゲートの取り付け位置や形状をアレンジしたり、愛猫の成長に合わせて手を加えていったりと、自由なカスタマイズが可能です。
コストを削減できる
市販のペットゲートは、デザイン性や機能性の高いものほど、価格もアップしがちです。DIYであれば、材料費のみで作成できるため、市販のペットゲートよりコストを抑えられます。
自分で設計し手作りすることで、必要な機能を盛り込みながら、コストパフォーマンスの高い高性能なゲートを実現できます。
オリジナリティあふれるデザインを楽しめる
手作りゲートなら、自分の好みやインテリアに合わせて、色やデザインを自由に楽しめます。愛猫が好む素材や形状、飼い主さんが好きな色を選び「世界でひとつだけのゲート」を作る楽しみも、手作りならではの魅力です。
たとえば、お気に入りのペンキで色を塗ったり、文字や絵柄などがくり抜かれた「ステンシル」を使って模様を入れたり。
猫のモチーフを装飾するのもよいですね。
アイデア次第で、個性あふれる空間を演出できます。
手作りゲートを作る前に、猫の行動特性を知っておこう
安全なペットゲートを作るためには、猫ならではの行動特性を理解しておくことが大切です。以下では、猫特有のジャンプ力と身体の柔軟性について解説し、それに基づいたゲート設計のポイントをご紹介します。
ジャンプ力
猫は驚くべきジャンプ力があり、自身の体長の5倍ほどの高さまで飛び越えられます。一般的な猫は、助走なしで1.5~2mの高さまで飛び乗れます。
ゲートの高さは、最低でも1.8m以上を確保し、周辺に踏み台となるような家具を置かないようにしましょう。
身体の柔軟性
猫は身体が柔らかく、狭い隙間でも簡単に通り抜けてしまいます。ペットゲートの設計では、壁とゲートの隙間や格子の間隔を、猫が通れないサイズにすることが重要です。
成猫の場合、隙間サイズは30~40mm程度が目安です。
最低でも50mmを超えないようにしましょう。
<参照>
建築知識2023年5月号
ねこ検定 中級・上級編
【玄関扉】猫の脱走防止ゲートの作り方を図面で解説

【イメージ図】玄関・廊下用ペットゲート
既製品のペットフェンスを使用した、初心者向けの脱走防止ゲートの作り方です。
材料と道具
玄関・用ペットゲートの材料 | |
柱 |
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扉 |
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欄間 |
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その他 |
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画像引用: 【楽天市場】LABRICOツーバイフォー木材セット
ラブリコ(LABLICO)を使用し、天井と床に角材(ツーバイフォー材)を突っ張ることで、壁や天井に穴を開けずに柱を取り付けられます。

画像引用:アイリスオーヤマ|ペットフェンス・ゲート
縦格子には既製品を活用し、初心者でも簡単に取り付けられる設計にしました。

画像引用:Amazon.co.jp: ニッサチェイン 真鍮 カップリング ボールチェーン径3.5/4.0mm用

カップリングは、縦格子のパイプをネジで固定する際に使用します。

画像引用:平安伸銅工業 LABRICO DIY収納パーツ 棚受 シェルフサポート アイアン 屋内専用 ホワイト IXO-2
欄間部分の横桟(よこざん)は、ラブリコの専用棚受けパーツで固定しましょう。

画像引用:Hymyily 引き戸 かぎ 扉 止め金具 フック ゲートラッチ
「ラッチ」とは、日本語で「かんぬき」を意味します。
猫の手が届かない位置に設置して、脱走を防止しましょう。
扉の内側と外側の2ヶ所に取り付けておけば、飼い主さんが部屋にいるときと、外出するときそれぞれで、しっかりと鍵をかけられます。
作り方のポイント
ゲートを設置する廊下や玄関ホールの幅に合わせ、適宜サイズを調整しましょう。今回は初心者さん向けに、既成のペットフェンスを使用した設計にしており、扉にはフェンスを固定するために中桟(なかざん:横方向に設置する補強材)を設けています。
この中残に猫が手足を掛けてよじ登る可能性がある点に注意が必要です。
運動神経の良い猫の場合、欄間の上の開口部も、フェンスや板で塞ぐ必要があるでしょう。
飼われている猫ちゃんの性格や能力に合わせて、対応してくださいね。
【掃き出し窓】猫の脱走防止ゲートの作り方を図面で解説

【イメージ図】掃き出し窓用ペットゲート
玄関用ペットゲートの応用で、掃き出し窓前に設置するゲートの作り方です。
材料と道具
掃き出し窓用ペットゲートの材料 | |
柱 |
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柵 |
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その他 |
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画像引用:SMZ ラブリコ(2x4)アジャスターオフホワイト2個+ホワイトワイドアングル2パックセット
横桟は、L型アングルを用いると簡単に取り付けられます。

画像引用:MAGPIE 窓 ロック ストッパー 2個入
換気のために窓を開けたいときには、ロックストッパー(補助ロック)が便利です。
ロックストッパーの位置によって、窓の開口幅を調整できます。
作り方のポイント
掃き出し窓の場合、ペットゲートは窓の右側に設置しましょう。引き違い窓は向かって右側の窓が手前にくるように設計されており、手前にある窓の方が猫の手が掛けやすく、脱走するリスクが高いためです。
脱走しやすい右の窓側にゲートを設置すれば、猫が自力で窓を開けるのを防げます。
飼い主さんは、左側の窓から出入りしましょう。
横桟(よこざん)部分を利用し、猫が乗れる奥行きの棚を設置してあげれば、窓から景色が楽しめるキャットステップとしても活用できます。
アイデア次第で、いろいろなバリエーションが楽しめるのも、DIYならではの魅力ですね。
手作りゲート設置のポイントと注意点
せっかく作ったペットゲートも、設置方法を間違えると、効果が半減してしまうだけでなく、愛猫がケガをしてしまうおそれがあります。安全かつ効果的にゲートを活用するために、設置のポイントと注意点を解説します。
安全対策を施す
ペットゲートを設置する際にもっとも大切なのは、愛猫がケガをしないように安全対策を徹底することです。ゲートの角やネジの先端、接合部分など、ヤスリ(サンドペーパー)で研磨して滑らかに仕上げ、鋭利な部分がないようにしましょう。
金網を使用する場合は、猫が引っ掻いても破れない丈夫な素材を選びます。
ペットゲートの強度を上げるために、補強材を追加するなどの工夫も必要です。
設置後は、ネジの緩みや破損がないか定期的にチェックし、継続的なメンテナンスも欠かせません。
設置場所を工夫する
ペットゲートを設置する場所選びも、愛猫の安全を守るために重要なポイントです。ゲートが倒れたりしないよう、安定した場所に設置する必要があります。
また、ゲート近くに踏み台になるような家具や段差があると、猫が飛び乗ってしまう可能性があるため、ゲートの周辺には何も置かないようにしましょう。
突っ張り棒を使う場合は、しっかりと固定されているか、定期的に確認することも忘れずに!
まとめ:手作りペットゲートで、安全で快適な暮らしを手に入れよう!
玄関用と掃き出し窓用のペットゲートの作り方をご紹介しました。今回は初心者の方が簡単に作れるように設計してみましたが、アレンジ次第でさまざまなデザインが楽しめます。
猫ちゃんが安全で快適に暮らせるよう、世界でたったひとつのオリジナルゲートを作ってみてはいかがでしょうか?