
テネシー州に住むディラン・フィールドさんは最近、3匹の愛猫を連れてナッシュビルの町を横断する引っ越しをした。しかし3匹のうちの1匹であるオレンジ色の猫、パフパフはこの引っ越しという現実をうまく受け入れられなかった。
フィールドさんは以前は森に面した小さなマンションに住んでいた。家猫だったパフパフは窓からながめられる森の景色が彼女の知る唯一の「下界」だった。
引っ越しによってパフパフはもっと広い家で、さまざまな景色を見られるようになったものの、彼女は広い世界にあまり感動していなかった。
彼女はドアの窓の前に座り、目を見開いて外を見つめ、新しい世界に戸惑っていた。眉は下がり、その表情は「困惑」以外のなにものでもない。
フィールドさんによると、猫たちは新しい家に慣れるまで数週間かかったそうだ。パフパフは新居に向かう車の中でキャットキャリーから脱走し、座席のヘッド部分にしがみついて外の世界に怯えていた。新居に移動しても、しばらくはほかの猫たちと一緒に、ソファと壁の10センチほどのすきまに入って出てこなかった。
場所になつくといわれる猫は、変化にうまく適応できない。慣れ親しんだ匂いや音のする家を離れることに、ストレスを感じたり、不安になったり、恐れを抱いたりするのは当然だ。一般的に、猫が新しい家に完全に慣れるには1週間ほどかかるという。
フィールドさんが猫の写真をSNSに投稿したところ、1日で3万2000以上の反応が寄せられ、コメント欄にはパフパフの 「存亡の危機 」に共感するユーザーが殺到した。
「それは現実世界に対する私の反応と同じよ。彼女を責めることはできない 」
「あたしの裏庭じゃない!あたしの芝生じゃない!あたしの木はどこ?一体何が起こっているのよ!?」
「うちの猫もハリケーンでフェンスが吹き飛んだ後、同じような危機に陥った。彼女が見える景色が無限に広がって理解できなかったみたいだ」
さまざまなコメントがパフパフを擁護しているが、笑いを誘うものばかりだ。
そろそろ本人はソファから出て、新しい景色を楽しみ始めている頃だろうか。