「猫を飼いたいけれど、新しい家がキズつくのではないかと心配……」
「新築を建てる際、猫にボロボロにされないためには、どうしたらよいだろう?」
愛猫はかわいいけれど、せっかくの新築をキズ付けられてしまうのでは……と心配されている方も多いのではないでしょうか?
今回の記事では「すでに新築に住まわれている方」や「これから家を建てようとお考えの方」に向けて、猫に家をボロボロにされないための工夫を解説します。
おすすめの建材もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね!
家をボロボロにしてしまう猫の習性4選
まずは猫の習性を理解することが大切です。猫が家をボロボロにしてしまう行動を4つご紹介します。
爪とぎをする
猫が家をボロボロにする行動のひとつとして「爪とぎ」が思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか?猫が爪とぎをするのは「爪のメンテナンス」や「縄張りを示す」「ストレス発散や気分転換」といった理由が挙げられます。
本能的な行動なので、やめさせることはできません。
爪とぎによって壁や床、柱だけでなく、ソファなどの家具がキズついてしまうため「爪とぎ器」を設置するといった事前の対策が必要です。
マーキングをする
マーキングとは、縄張りや自分の存在を示すために行われるもので、壁などに顔や体をこすりつけたり、爪を研いで視覚的に縄張りを主張したりする行動を指します。なかでも厄介なのが、主に去勢前のオス猫にみられる「尿スプレー」です。
壁や柱などの垂直なものに尿を噴射するため、ニオイや汚れが目立ちやすく、掃除も大変。
このマーキング行動は、去勢手術によって対策できます。
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高い場所や狭い場所が好き
高いところが好きな猫は、家具など高い場所にジャンプする習性があります。カーテンレールの上に乗りたいがために、カーテンをよじ登ってボロボロにする恐れも……。
また、狭い場所も好きなので、押し入れなどの扉を自力で開けようとして、戸枠などが爪跡でキズついてしまうことも考えられます。
日向ぼっこが好き
窓辺に寝ころんで、暖かな日差しを浴びるひとときは、猫にとって至福の時間です。窓から外の景色を見るのは、にゃるそっく(縄張りを守る)のための行動でもあります。
その際、腰窓(人の腰の位置にある窓)に上るときに爪が引っ掛かり、腰壁がキズつくことがあるため注意が必要です。
【すぐにできる!】新築の家を猫から守るための対策
ここからは、すでに新築にお住まいの方向けの対策を6つご紹介します。①こまめに爪を手入れする
猫の本能である「爪とぎ」から新築を守るために、日頃からこまめに爪の手入れをしましょう。定期的に爪を切ることで、床や壁などの内装や家具へのダメージを最小限に抑えられます。
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②爪とぎを複数箇所に設置する
猫が壁や家具に爪とぎをしてしまう原因に「爪とぎができる場所が少ない」ことが考えられます。家のさまざまな場所に爪とぎ器を配置すれば、壁や家具への爪とぎを防ぎやすくなります。
たとえば、愛猫がよく過ごしている場所や、頻繁に通る場所などがよいでしょう。
もし特定の場所で爪とぎをすることが多い場合、その近くに爪とぎ器を設置すれば効果的です。
③保護シートを貼る
画像引用:Amazon.co.jp: BOOMIE【ニャンとも不思議な壁保護シート】(90cm×2.3m)
壁や家具に保護シートを貼るのも、キズ対策として有効です。
保護シートには次のようなメリットがあります。
- 保護シートにより、壁や家具の表面のキズや破損を防げる
- 猫が爪を研ぎにくい「ツルツルした素材」のシートを使えば、その場所での爪とぎを無理なくやめさせられる
- 透明な保護シートは、インテリアを損なわないため、新築のキレイな状態を維持できる
加えて、上記でも解説したように、爪とぎ器を適切な場所に置けば、ほかの場所に意識を向けやすくなるでしょう。
④ペット専用カーペットを敷く
フローリングなどの床材のキズの予防には、カーペットを敷くのもひとつの方法です。
- 耐久性に優れている
- 毛が絡まりにくい
- 水拭きや掃除機でお手入れしやすい
⑤キズや汚れ防止のコーティングをする
床や壁、家具のキズや汚れを防止するためのコーティング剤「AJパーフェクトコートセット プレミアム」で対策する方法もあります。
床を滑りにくくする効果もあるため、足腰が弱くなったシニア猫を飼っているお宅や、猫と一緒に犬を飼っているお宅に最適です。
【建てる前に!】新築の計画時に検討したい対策
これから新築を建てようとされている方に向けて、おすすめの建材をご紹介します。腰壁にキズが付きにくい素材を張る
特にキズや汚れがつきやすい壁には、耐久性の高い「クロス(壁紙)」や、キズがつきにくい素材の「腰壁」を張るのが効果的です。
【キズや汚れに強いクロス】
画像引用:FE76419 | サンゲツ
住宅の壁や天井には、クロス(壁紙)を張るのが一般的です。
クロスはほかの素材に比べて安価で、デザインも豊富なのが特長。
種類ごとにさまざまな機能をもっており、使う場所や好みに合わせて選択できます。
なかでもペット専用のクロスは「表面強化」によって耐久性を高めているたけでなく「抗菌」「防カビ」といった衛生面での機能も兼ね備えています。
【爪とぎ予防やマーキング対策のための腰壁】
画像引用:セラール消臭タイプ 石目・木目 | アイカ工業株式会社
腰壁には、爪がとぎにくいツルツルの素材のものや、万が一爪とぎをしてもキズがつきにくいタイプの素材を張ると万全です。
医療施設でも採用されている防汚・防臭タイプの素材であれば、マーキングされた場合でもお手入れしやすいため、飼い主さんのストレスも軽減できるでしょう。
床材を工夫する
水やキズに強いフローリング材は、猫が走り回っても床へのダメージを抑えられます。
嘔吐したり粗相したりといった汚れにも強く、お手入れしやすいのが嬉しいポイントです。
「カンタンクイックフローリング」は、リビングだけでなく洗面所やトイレ、キッチンなどさまざまな場所に対応しています。
床暖房との併用も可能なので、寒がりな猫にピッタリですね。
カーテンや網戸をペット専用タイプにする
活発な猫は、カーテンや網戸によじ登ることも多いですよね。
猫の爪でもキズがつきにくい「ペット専用カーテンNeo」や、猫が引っかいても破れにくい丈夫な網戸「ペットネット」「リリーブ」などを検討してみましょう。
破れにくい網戸は、美観を保つ以外にも、猫の脱走防止対策として有効です。
ドアにはペット用の出入口を設置する
ドアを自力で開けたくてガリガリしているうちに、扉やドア枠、壁にキズをつけてしまう恐れがあります。
ペット専用の出入口「ペットドア」を設置すれば、不必要にドアをガリガリしなくなるため、キズ予防につながります。
キズがつくのを防ぐだけでなく、猫のためにドアを開けっぱなしにしたり、猫の出入りに合わせて開閉を手伝ったりする手間が省けるのも、飼い主さんによっては利点といえるでしょう。
備え付けのキャットウォークやキャットステップをつくる
カーテンレールなどに上るのを防ぐため、キャットウォークやキャットステップをつくることで、猫の「遊びたい欲」を満たしてあげるのも、対策のひとつです。後付けできるタイプも多く市販されていますが、せっかく新築を建てるのであれば、備え付けのキャットウォークやキャットステップを採用してみるのはいかがでしょうか?
備え付け(造作)であれば、色や形などのデザインをインテリアの雰囲気に合わせられるので、統一感のある空間を実現できます。
ぜひ設計士さんやインテリアコーディネーターさんに相談してみてくださいね!
家具の選び方やレイアウトを工夫する
新築を建てられる際には、家具一式を新調される方も多いですが、愛猫と一緒に暮らす家ならば、猫に合わせた家具選びをしてあげたいものですよね。家具選びで大切なのは「耐久性の高さ」や「猫にとって安全な素材」という点です。
たとえば、ソファであれば、次のポイントを押さえましょう。
- 脚の素材は猫の爪が引っ掛かりにくい金属製のものを選ぶ
- 生地は、なめした皮の裏側を起毛させた「スエード(スウェード)生地」などにする
また、新築を計画する際は、家具のレイアウトまで想定した間取りづくりを意識しましょう。
分かりやすい例でいうと「エアコンやカーテンレールの上に飛び乗らないように、近辺には高い家具は設置しない」などの工夫が挙げられます。
まとめ:事前の対策で、愛猫と快適なマイホームを楽しもう!
「すでに新築にお住まいの方」「これから新築を建てられる方」それぞれに向けた対策をご紹介しました。人生で最も大きな買い物である「マイホーム」は、できるだけキレイな状態を維持したいものですよね。
猫が壁や柱への爪とぎを一度覚えてしまうと、その習慣をやめさせるには時間がかかりますが、事前にしっかり対策しておけば、ある程度のキズや汚れは防げるものです。
ぜひこの記事を参考に、新築で愛猫との快適な生活を叶えてくださいね!