愛猫がシニア期に突入したら、寝床の環境を変えてあげましょう。
高齢になるにつれ、猫は睡眠時間が長くなり、身体のあちこちに負担がかかりやすくなります。
快適な寝床は、愛猫が心地よく過ごせるのはもちろん、健康寿命を延ばすためにも重要です。
特にこれから寒くなる季節は、暖かな寝床を用意してあげたいですね。
今回は、シニア猫にとって寝床が重要である理由や、ベッドの選び方、部屋のレイアウトのポイントなどをご紹介します。
シニア猫にとって寝床の快適性が重要な3つの理由
高齢の猫ほど、寝床の環境が重要になる理由を3つご紹介します。理由①:体調不良を防ぐため
シニア猫は関節や筋肉の衰えにより、だんだんと動き回ることが困難になります。関節痛がある場合、硬い寝床だと痛みが増して、リラックスして眠れません。
また、年をとると体温調整機能が低下するので、若い猫に比べて暑さや寒さに敏感になります。
特に寒がりになる猫が多く、身体の冷えで体調を崩しやすいでしょう。
暖かい素材のベッドや、ペット用のヒーターの活用がおすすめです。
理由②:睡眠の質を向上させるため
シニア猫は身体機能の低下により、睡眠中に回復を図る時間が多く必要になるため、より長い時間を睡眠に費やすようになります。寝床に不快感があるとぐっすり眠れず、体力や免疫力の低下を招きかねません。
十分な睡眠や休息がとれるよう、猫にとって快適と感じられる寝床を用意してあげることが大切です。
理由③:安心感を得るため
猫は加齢に伴い、日常生活の小さな変化に対しても、敏感に反応するようになります。落ち着いた環境にある寝床は、猫に安心感とリラックス効果を与え、ストレスの軽減にもつながります。
愛猫が安心してくつろげるよう、寝床は安全で静かなところに配置してあげましょう。
暗い場所や、身を隠せるような場所があれば、愛猫も喜んでくれるはずです。
シニア猫が落ち着ける寝床の環境づくり
シニア猫が落ち着いて休息するための、寝床のレイアウトのポイントを解説します。※マンションの間取りをイメージしています。
猫の寝床は、寝室など家の複数箇所への設置が推奨されますが、ここではリビングに置いた場合のレイアウトをご紹介します。
ただし、上記の間取りはあくまで‟参考”です。
愛猫の変化をよく観察しながら、寝床の環境を整えてあげましょう。
①給餌・給水器
シニア猫は、だんだんと水分の摂取量が減っていきます。エサや水飲み場は複数箇所に設置して、水を飲む機会を増やしましょう。
行動範囲も狭くなっていきますので、愛猫のお気に入りの場所の近くに設置するのがポイントです。
②カーペット
シニア猫は加齢によって徐々に体温調整が難しくなっていくため、寒さに敏感です。冬場は寝床周りの床にカーペットを敷いて、いつでも暖をとれる工夫をしてあげましょう。
ホットカーペットだと、より一層くつろげそうですね。
(低温やけどには注意してください)
③エアコン周り
夏場のクーラーの使用により、エアコンの冷風が直接身体に当たると、冷えすぎてしまい体調を崩しやすくなります。寝床は、エアコンの周辺を避けて設置しましょう。
④キャットタワー
キャットタワーやキャットウォークなども、エアコンから離れた場所に配置します。高齢になっても、まだまだ活発に遊べる子もいるでしょうが、やはり若い頃に比べると、飛び乗りの失敗や転落のリスクは高まります。
「高いところに登ったものの、自力で降りられなくなってしまった」という事態になりかねません。
エアコンの近くにキャットタワーがあると、エアコンの上に飛び乗ってしまい、転落の恐れがあり危険です。
キャットタワーだけでなく、高い家具の設置場所には注意しましょう。
また、キャットタワー本体の高さも、年齢に合わせて見直す必要があります。
シニア猫におすすめのキャットタワーについては、下記の記事でご紹介しています。
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シニア期の猫が過ごしやすい部屋作り家の中で気をつけるポイントやおすすめグッズを紹介
⑤カーテンレール
カーテンレールもエアコンと同様で、キャットタワーを伝って飛び乗ってしまう可能性があります。マンションや平屋など、窓の数が少ない住宅だと「猫が外の景色を楽しめるように」と、キャットタワーを窓辺に設置したくなりますよね。
その場合、カーテンレールは「正面付け(壁付け)」タイプではなく「天井付け」タイプを選ぶと、猫が飛び乗る危険性が少なく安心です。
⑥ケージ
失禁や徘徊などの行動がみられる猫には、ケージが必要になることもあります。ケージ内でも快適に過ごせるよう、トイレはもちろん、お気に入りの毛布やクッションを置いてあげるとよいですね。
窓辺に設置すれば、外の景色を眺めながら、のんびりくつろげます。
⑦静かな場所
猫の体調や気分によっては、ひとり(一匹)で静かに過ごしたいときもあるでしょう。家族の気配を感じつつ、落ち着いて過ごせる場所にベッドやトイレを置いてあげれば、猫の気分に合わせて寝床を選べます。
⑧その他(キャリーケースなど)
ほかにも「キャリーケースを寝床として設置する」などの工夫も挙げられます。シニア猫は年をとるにつれ、病院へ通う頻度も多くなります。
室内にキャリーケースを置き、寝床代わりとして使用して慣れさせておけば、病院へ連れていく際の不安軽減につながるでしょう。
高齢猫に適した寝床の選び方のポイント
愛猫に快適な眠りを提供するために、寝床選びはとても重要です。ここからは、寝床を選ぶ際に押さえたい4つのポイントをご紹介します。
選び方①:サイズ
寝床のサイズは、愛猫の体長に合わせ、程よい大きさのものを選びましょう。猫が伸びをしたり丸まったりできるサイズ感が目安です。
寝床のスペースが広すぎると、不安や居心地の悪さを感じることもあります。
選び方②:素材
シニア猫の皮膚はデリケートなので、刺激の少ない柔らかい素材を選びましょう。身体にフィットするかどうかも、重要なポイントです。
クッション性がある素材は、猫の関節や筋肉の負担を軽減してくれます。
シニア猫はだんだんと体温を維持する機能が衰えていくため、冬場は寒さに耐えられるよう、保温性の高い素材がおすすめです。
たとえば、フリースやボア素材、ヒーター付きのベッドなどが最適です。
夏場は、メッシュやコットン(綿)など通気性の良い素材を選び、蒸れない工夫をしてあげましょう。
選び方③:お手入れのしやすさ
頻尿や尿漏れなどの心配がある猫の場合、防水性のあるベッドや、カバーを取り外して洗えるタイプだと、お手入れがしやすく便利です。定期的に洗濯をして、清潔な寝床を保ってあげましょう。
抗菌・防臭加工が施されていれば、細菌の繁殖やニオイを抑えられます。
選び方④:形状
寝床の形状には主に次の3タイプがあります。・ドーム型のベッド
ドーム型のベッドは、周囲を覆う形状なので、猫が"守られている”感覚を得られます。
特に不安を感じやすいシニア猫には最適です。
周りからの音や視線などの刺激が軽減されるため、落ち着いて過ごせるでしょう。
年代の違う若い猫と多頭飼いしているケースにも向いています。
・段差のない低めのベッド
足腰が弱くなったシニア猫には、段差を極力省いたベッドを用意してあげましょう。
オープン型で縁があるものだと、アゴをのせて枕として活用できます。
・ヒーター付きベッド
寒さに弱いシニア猫におすすめなのが、ヒーター付きのベッドです。
冬場はもちろん、朝晩の気温が下がる春や秋でも、ヒーター付きベッドがあれば体温を維持でき、体調不良の予防に効果的です。
冬におすすめ!高齢猫のための寝床アイテム3選
寒がりなシニア猫におすすめな、冬場に活躍するアイテムを3つご紹介します。価格は2024年10月現在のものです。
ペット用ヒーター
画像引用:Amazon.co.jp: ペティオ (Petio) ペットのための電気ヒーター ハード2 S
ペットのための電気ヒーター |
価格 | 2,980円(税込) |
メーカー | ペティオ |
サイズ | S:幅 20cm × 奥行 29cm × 高さ3cm M:幅 26cm × 奥行 37cm × 高さ3cm L:幅 31cm × 奥行 43cm × 高さ3cm |
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ヒーター本体は水洗い可能で、カバーは取り外して丸洗いできます。
愛猫のお気に入りの寝具の下に敷けば、より快適でリラックスできる場所になるでしょう。
ラウンド型ベッド
ふわふわマカロンベッド ファスナー付き S 各色
ふわふわマカロンベッド ファスナー付きS |
価格 | 4,192円(税込) |
メーカー | ペティファーム |
サイズ | 直径 50cm × 高さ20cm |
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2ヵ所にチャックが付いており、すべての中綿を取り外して、カバーとクッションそれぞれを丸洗いできます。
底面には滑り止めがついているため、フローリングに置いてもズレにくいのも嬉しいポイント。
モコモコ素材なので、身体にフィットしやすく、猫も安心してくつろげそうですね。
猫用こたつ
画像引用:Amazon.co.jp: マルカン ネコ用 遠赤外線にゃんこの和みこたつ Mサイズ
猫用 遠赤外線にゃんこの和みこたつ Mサイズ |
価格 | 6,798円(税込) |
メーカー | マルカン |
サイズ | 本体:幅 44.5cm × 奥行 34cm × 高さ 30 cm ふとん:幅 122cm × 奥行 112cm 電源コード:1.8m |
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暗くて温かいこたつは、猫の大好きな空間です。
自宅に人間用のこたつを置くスペースがなくても、猫用であればコンパクトなので設置しやすいです。
ふとんやマットは手洗いOK。
コード全体を金属チューブでカバーしているため、イタズラ防止対策も万全です。
身を隠せるスペースにもなり、シニア猫のストレス軽減に役立ちます。
夏におすすめ!高齢猫のための寝床アイテム3選
昨今の酷暑を乗り切るための、夏場に活躍するアイテムを3つご紹介します。価格は2024年10月現在のものです。
オープン型の冷感ベッド
画像引用:【楽天市場】ペットベッド 夏用
接触冷感ペットベッド 夏用(犬猫兼用) |
価格 | 2,380円~4,380円(税込) |
メーカー | アーニャン |
サイズ | S:幅 45cm × 奥行 32cm M:幅 60cm × 奥行 40cm L:幅 70cm × 奥行 50cm XL:幅 80cm × 奥行 60cm |
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接触冷感のベッドにはさまざまなタイプがありますが、こちらの商品はサイズが豊富なので、愛猫にピッタリの大きさが見つかるでしょう。
手洗いができるのはもちろん、縁があるので、頭をのせて枕として使うのに最適です。
ドーム型の冷感ベッド
画像引用:アイリスオーヤマ ペット用クールドームベッド 犬 猫用 Mサイズ PCDB-22M
ペット用クールドームベッド |
価格 | 3,080円(税込) |
メーカー | アイリスオーヤマ |
サイズ | 幅 48cm × 奥行 39cm × 高さ 31cm |
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座面に接触冷感生地を使用した、ドーム型のベッドです。
座面のクッションは、接触冷感とニット生地のリバーシブルになっており、取り外し可能。
上部が覆われているため、エアコンの冷風よけになり、身体の冷えを防げます。
クッションのみ洗濯できます。
テント型の猫ハウス
画像引用:MEOW 猫ベッド 猫ハウス 猫テント (グレー-01)
ペット用クールドームベッド |
価格 | 2,780円(税込) |
メーカー | MEOW |
サイズ | 幅 42cm × 奥行 42cm × 高さ 38cm |
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テント型の猫ハウスです。
出入口の反対側はメッシュ素材で、通気性抜群。
底部には滑り止めが施されており、防水・防汚・耐摩耗性に優れています。
本体やクッションは取り外して手洗いできます。
まとめ:シニア猫に寄り添ったサポートで、快適な寝床をつくろう!
人間同様に、猫はいずれ年をとります。身体が衰え、今までできていたこともだんだんと難しくなり、じっとしている時間も増えるでしょう。
大切な愛猫が、長く健やかに暮らせるよう、そして飼い主である私たちと少しでも多くの時間をともに過ごせるように、猫の健康状態に寄り添ったサポートをしたいものです。
ぜひこの記事を参考に、快適な寝床の環境づくりをしてあげてくださいね。