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犬も「季節の変わり目」に体調を崩す理由とは?対策やケア、注意点も解説


季節の変わり目には犬にもさまざまな変化があります。とくに注意したいのは、夏から秋・冬にかけて気温や気圧が変化していく時期の体調不良です。

ごはんを食べなくなったり元気がなく見えたりすると「病気かな?」と心配になる飼い主さんも多いでしょう。

この記事では、認定動物看護師の資格を持つ筆者が、犬が季節の変わり目に体調を崩しやすい理由や原因、症状、対策などについて解説します。

犬も季節の変わり目に体調を崩しやすい理由


なぜ犬は季節の変わり目に体調を崩しやすいのか?主な理由を6つ紹介します。

・気温の変化
・気圧の変動
・・夏の暑さによる疲労
・夏バテによるカロリー不足
・クーラー病による影響
・車内にお留守番させたときの熱気

気温の変化

犬は人と同じで、気温が変わっても体温を一定に保つ機能をもつ動物(恒温動物)です。

しかし、気温の変化が激しいと寒暖差に身体が対応しきれないことがあります。その際に身体からのSOSとして体調不良になるのです。

これは寒暖差疲労と呼ばれ、どの季節の変わり目でもよく起こります。

気圧の変動

季節の変わり目は気圧の変動も大きいです。気圧の変動時に犬は耳の奥にある内耳というセンサーが反応し、脳に伝えて対応しようとします。その際、急激な気圧変動で自律神経の中の交感神経が興奮状態になると、心身の不調につながりやすいです。

犬は自律神経のおかげで環境変化のストレスにはある程度耐えられます。しかし、夏の間の体調不良・生活リズムの乱れ・運動不足があるところに激しい気圧変動が追い打ちをかけると、環境変化に対応しきれない身体になってしまうのです。

夏の暑さによる疲労

真夏の厳しい暑さで体力を消耗していると、そこで蓄積した疲労が秋や冬への季節の変わり目にまで引きずってしまいます。

犬は恒温動物のため、暑い室外では体温を下げようとし、クーラーの効いた室内では体温を正常・もしくは少し上げようとします。

そうして体温を調整しようとするたびに自律神経がフル稼働します。自律神経のフル稼働が繰り返されて興奮状態が続くと、内臓にも疲労が溜まっていってしまうのです。

夏バテによるカロリー不足

暑いときは犬も食欲が減ります。すると必然的に摂取するカロリーも不足していくでしょう。

摂取カロリー不足は内臓の疲労にも影響します。

犬の身体はカロリーが不足するとそのカロリーを補おうとし、脂肪以外にも筋肉を分解し始めます。筋肉を分解するとき、犬の体内で主にはたらくのは肝臓です。肝臓がフル稼働状態になり負担がかかり続けることで、肝臓の機能が低下状態になります。

肝臓の機能が低下すると、さらに食欲不振や倦怠感につながり体調を崩してしまうのです。

クーラー病による影響

クーラー病とは、クーラーによる”冷えすぎ”や室内外の寒暖差により体調を崩した状態です。

涼しい部屋と暑い室外を行き来する生活が続くと、犬の身体も自律神経が乱れて環境への適応ができなくなります。夏の間にクーラー病になり季節の変わり目まで引きずると、秋や冬に体調を崩すことも多いです。

車内にお留守番させたときの熱気

気温が低くなると、車でお出かけしたときにエンジンを切って愛犬を車内にお留守番させる飼い主さんもいるでしょう。

秋や冬は気温が下がりますが、日差しの強い日は車内に熱気がこもりやすいです。熱気がこもった車内に長く居ると熱中症のリスクが高まります。

愛犬を車内にお留守番させないのが一番の対策ですが、どうしてもお留守番が必要な時はエンジンを切らず快適な空調を保っておいてあげましょう。

犬によくある「季節の変わり目の不調や変化」


犬によくある「季節の変わり目の不調や変化」について、6つの症状と原因について解説します。

・食欲がなくなる
・下痢や軟便
・嘔吐
・元気がなくなる
​​​​​​​​​​​​​​・足腰が弱るなど衰えた様子が見られる
​​​​​​​・皮膚トラブル

食欲がなくなる

季節の変わり目で犬が食欲をなくす原因は「夏バテ」が大きく関係します。

・室内外や天候による気温差が激しい夏に自律神経が乱れ、胃腸の機能が低下
・夏に水をたくさん飲み、消化液が薄まって消化力が低下
・暑さによる運動不足や栄養不足で胃腸の活動性が低下

夏バテにより胃腸が弱り食欲もなくなるからこそ、栄養不足になり体調不良が続くという悪循環にも陥りやすいです。

下痢や軟便

季節の変わり目に犬が下痢・軟便になりやすいのは、気温差が大きく関係します。1日で7度以上の気温差があると下痢や軟便になりやすいです。

ここにも実は”自律神経の乱れ”が関係します。

自律神経は胃腸運動の働きに密接に関係しています。激しい気温差のストレスで自律神経がバランスを崩すと胃腸が水分をうまく身体に吸収できず、水分を多く含んだ便が排泄されるため、下痢や軟便を引き起こすのです。

嘔吐

自律神経が乱れて胃腸環境が悪くなると、胃が収縮し胃酸の逆流が起きやすいです。胃酸の逆流は吐き気を誘発するため、嘔吐をしてしまうことがあります。

もし愛犬が嘔吐してしまったら内容物を確認しましょう。また、愛犬の様子をよく観察し絶食と水分補給を行なってください。

元気がなくなる

寒暖差に対応しようとすると、自律神経の中でも身体の各場所の働きを促進する「交感神経」が優位になりやすいです。交感神経の働きが続くとエネルギー消費が続き、身体に疲労が溜まったりだるさが出たりします。

散歩を嫌がる場合は、寒暖差による自律神経の乱れの影響もあるでしょう。

足腰が弱るなど衰えた様子が見られる

季節の変わり目には身体機能的な衰えもよく見られます。

最も多い原因は運動不足です。日差しの強い夏は、散歩に行く回数や時間が減りがちで運動不足になります。

また栄養不足もよくある原因でしょう。夏バテだったり、良質なフードを食べられていなかったりすると、足腰の衰えに影響します。

皮膚トラブル

季節の変わり目は皮膚トラブルも起きやすいです。

寒暖差で自律神経が乱れると肌の新陳代謝も乱れやすくなります。新陳代謝の乱れは皮膚のバリア機能低下を招き、肌荒れしやすくなるのです。

犬では季節の変わり目の皮膚トラブルに以下のような症状がよく見られます。

・皮膚の発赤
・かゆみ
・フケ
・アレルギー発症

季節の変わり目に不調になりやすい犬の特徴


季節の変わり目に不調になりやすい犬には以下のような特徴があります。

・持病もち心疾患神経疾患持ちの犬は気温・気圧の変化の影響で悪化しやすい
・パピー犬やシニア犬免疫力が低下しやすいため
・短頭種:夏に過換気・脱水・熱中症に一段となりやすいため

上記に限らず、どんな犬でも季節の変わり目には心身共にストレスがかかりやすいです。愛犬の様子を普段からよく観察し、異常を感じたら早めに対処してあげましょう。

犬が季節の変わり目で体調を崩したときの対処法


愛犬の様子がおかしいなと思ったら、早めに動物病院へ連れていくのがベストな対処法です。病院に連れて行くべきか迷ったら、以下のサインが出ているかどうかぜひ参考にしてみてください。

【季節の変わり目による不調が疑われるサイン】
✔ごはんを残す・食欲がなくなる
✔飲水量が極端に減る
✔歩くのが遅い・動きが鈍い
✔寝ている時間が長い
✔散歩を嫌がる
✔下痢・軟便・嘔吐など消化器症状が見られる
✔おしっこの色が濃い・回数が減るなどの脱水症状
✔落ち着きがない
✔よだれがダラダラと出続けている
✔フラフラしていたり、ボーっとしていたりする様子がある
✔口の中・舌の色がいつもより赤い

今からできる!犬が季節の変わり目を元気に乗り切る予防・対策5選


ここでは、今からできるおすすめの予防・対策を5つ紹介します。

​​​​​​​・生活リズムを見直す
​​​​​​​・フードやサプリなど食事の工夫をする
​​​​​​​・毎日の散歩で運動不足を防ぐ
​​​​​​​・予防対策グッズを使う
​​​​​​​・住まいを工夫する

生活リズムを見直す

犬も人間と同じように、生活リズムを整えることが不調を予防・対策する基本です。生活リズムを整えるために、以下のことを意識していきましょう。

・朝は日光を浴びさせる
​​​​​​​・夜更かしを避け、なるべく毎日同じ時間に消灯
​​​​​​​・ごはんのタイミングは毎日だいたい同じにする
​​​​​​​・お散歩にいく時間帯を決める

しかし「ごはんの時間を毎日絶対同じにする」など生活リズムを過剰に意識しすぎると飼い主さんの負担にもなるでしょう。また、毎日決まり切った時間にごはんを出していると「早くごはんが欲しい!」という気持ちから愛犬の問題行動にもつながります。
ある程度、一定の生活リズムを保つように無理のない範囲で意識していきましょう。

フードやサプリなど食事の工夫をする

胃腸が疲れがちな季節の変わり目は、消化の良いごはんをあげると良いです。脂肪分の多いごはんは避け、おやつのあげ過ぎにも注意しましょう。

とくにシニア犬は若い犬よりも消化機能が衰えているため、ふやかしたドライフードやウェットフードに切り替えるのも工夫の一つです。

また、必要に応じてサプリを使うのも良いでしょう。消化酵素・乳酸菌・ビタミンなど胃腸からアプローチできるサプリがおすすめです。

自己判断でフードやサプリの工夫をするのではなく、動物病院でよく相談してみましょう。

毎日の散歩で運動不足を防ぐ

運動不足による筋力や自律神経の機能低下は不調の原因にもなります。体力や筋力を落とさないよう、普段から適度に運動をさせましょう。

特別なことをする必要はなく、毎日の散歩が運動不足解消になります。

夏は気温が高く散歩が億劫にもなりますが、時間や回数を工夫することで解消できます。

・散歩の時間は、早朝の涼しい時間や日が落ちて涼しくなった時間に行く
・朝は6時台、夕方は19時以降がちょうどいい
・10~15時の間は気温が高く紫外線も強いため外に出さない

上記のように工夫をし、散歩で運動する時間を作ってあげましょう。

予防対策グッズを使う

季節の変わり目の体調不良対策には熱中症の対策も必須です。熱中症が季節の変わり目に影響しないよう、服・寝具などの予防対策グッズを使ってみましょう。


中でもおすすめなのが「やわらか冷感マット」です。
中身が特殊ジェル素材で出来ており、程よいひんやり感と心地よい触感で体を涼ませながら快適に寝そべられます。


また「超COOL お散歩ベスト」もおすすめです。

接触冷感生地でできているほか、水に濡らしてから着せることで「気化熱冷却」の機能も発揮します。

予防対策グッズを使うときは、愛犬が嫌がらない程度で使ってあげましょう。

住まいを工夫する

犬は室内で過ごす時間が長いため、室内の温度設定や水分補給、快適に過ごせる部屋づくりなど、愛犬のために住まいを工夫してあげましょう。

【季節の変わり目の不調を防ぐ、住まいの工夫アイデア】
・エアコンの温度は25度前後に設定
サーキュレーターを使って効率よく冷気を室内に巡らせる
いつでもきれいな水分を摂れるようにしておく
日光を適度に浴びせられるように窓周りの紫外線対策をする
・アレルギーなど皮膚トラブルを防ぐため、室内を常に清潔に保つ


室内の環境を整えていくなら身体に優しくエコな冷暖房システム「ユカリラがおすすめです。エアコンの空気を床に送りふく射熱に変換するため、部屋全体に効率よく空調が行き渡ります

エアコンを強めることなく部屋全体で空気が循環するため、省エネにもなるのが魅力です。気になる方はチェックしてみてください。

関連記事:犬は紫外線に弱い?病気・健康への影響や対策のポイントを解説

季節の変わり目の対策をするときに注意したいこと


季節の変わり目に向けた体調不良の対策には注意すべきこともあります。

・激しい運動で負担を大きくし過ぎない
​​​​​​​・愛犬の嫌がることはしない
​​​​​​​・飼い主さんの負担になりすぎると続かないため、対策に力を入れ過ぎない


対策に力を入れるのは良いことですが、やりすぎないことが長く続けるコツです。

不安なことや分からないことは、獣医犬の飼育管理に関する悩み・疑問についてアドバイスしてくれるペットケアアドバイザーなど専門家に相談しましょう。

正しい知識で対策をして、愛犬と一緒に季節の変わり目を元気に乗り切ろう

季節の変わり目は犬も体調を崩しやすいです。そのため、今からできる対策は取り入れていくといいでしょう。
しかし、対策に力を入れ過ぎてストレスになると本末転倒です。できることから一つずつ取り入れて行ってみてください。
飼い主さんが大切な愛犬と一緒に季節の変わり目を元気に乗り切れるよう、この記事が参考になれば幸いです。

 



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