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猫は紫外線に当たっても大丈夫?健康や病気への影響・対策のポイントを解説


猫は日向ぼっこが好きなイメージがありますが、紫外線の影響は大丈夫なのか心配している飼い主さんもいるのではないでしょうか?

紫外線は猫の健康にいい影響を与える半面、皮膚トラブルや病気の発症原因になることもあります。どれくらい気を付けて、どんな対策をすべきなのか?いまいち分からず悩んでいる飼い主さんも多いでしょう。

この記事では認定動物看護師の資格を持つ筆者が、「紫外線が猫に及ぼす影響」「猫の紫外線対策」について解説します。

猫が紫外線を受けるメリット


適度に紫外線に当たることは、猫の健康にとってメリットにもなります。ここでは、猫が紫外線を受けるメリットを紹介します。

日光浴により体温調整ができ自律神経も整う

猫は体温調整のために日光を浴びることがあります。冬などの寒い時期や夏場のエアコンで肌寒さを感じた時など、体温を保つために窓際へ日の光を浴びに行くことが多いです。

また、”日光を浴びると自律神経が整う”というのは、人間も猫も同じです。自律神経には、体内時計を整えたり体温を一定に保ったりする機能があります。

さらに、日光浴をすることで幸せホルモンの「セロトニン」が分泌され、ストレス軽減・精神安定にもなります。

日光を浴びるのは、猫も人間も共通して健康のために必要なことです。

紫外線が皮膚の健康維持に役立つ

紫外線には強力な殺菌効果があると言われています。細菌・カビ・ウイルスなどを殺菌・消毒できるため、自然のエネルギーで皮膚の健康維持ができるのです。

猫の皮膚トラブルには人間にうつってしまうものもあります。飼い主さんと愛猫、お互いの皮膚トラブル対策のためにも、適度な紫外線は猫に必要です。

猫が紫外線を受けるデメリット


適度な紫外線は猫の健康にメリットをもたらしますが、気を付けないと悪影響になることもあります。ここでは、猫が紫外線を受けるデメリットをまとめました。

長時間当たると熱中症になるリスクがある

”紫外線を浴びる”ということは、同時に日光の熱に当たることにもなります。長時間の日光浴は、猫の体温を上げて熱中症を引き起こす原因にもなるため危険です。

熱中症は手遅れになると命にも関わります。日光浴や適度な紫外線に当たることは猫の健康に良いですが、浴びる時間に注意してあげましょう。

皮膚トラブルや皮膚がん発症の原因にもなる

猫が紫外線を受けすぎると「日光皮膚炎」という皮膚トラブルを発症することがあります。

「日光皮膚炎」とは、強い紫外線や長時間の日光浴をした結果、皮膚に炎症を起こしてしまう皮膚トラブルです。最悪の場合、皮膚がんを発症してしまうこともあります。

猫で注意が必要な「日光皮膚炎」については、次のところで詳しく解説していきます。

猫の「日光皮膚炎」について


猫によくある「日光皮膚炎」とは、日光に含まれる強い紫外線が皮膚に炎症を起こす病気です。「日光過敏症」とも言います。

【症状】
赤み・脱毛・フケ・かゆみなどの皮膚症状がメインで、頭部・鼻・口周り・耳など被毛の薄い場所が好発部位です。
日光に当たり続けたり、皮膚トラブルを起こした箇所を掻いて傷つけたりすることでさらに悪化します。さらに進行すると、皮膚がただれて潰瘍化したり、皮膚が分厚くなったりします。
また、対処が遅れると皮膚がんを発症することもあるため注意が必要です。

【治療】
抗炎症剤や抗生剤を投与
して治療します。
皮膚がんに移行している場合には、転移しないよう早めに手術して発症部位を切除します。
また、悪化・進行・再発を防ぐための紫外線対策も必要です。

【予防と対策】
日光皮膚炎の発症を防ぐには、強い紫外線に長時間当たらないような対策が必要です。
室内飼いの猫なら窓周りの対策を意識的に取り入れると良いでしょう。適度な紫外線は猫の健康上必要なため、窓周りの対策もしつつ、愛猫が日光に当たる時間を飼い主さんが注意してあげてください。

なお、愛猫がすでに日光皮膚炎を患っている場合は十分な対策が必要です。獣医や、犬の飼育管理に関する悩み・疑問についてアドバイスしてくれるペットケアアドバイザーなどにも相談し、愛猫の状態に適切な紫外線対策をしていきましょう。

紫外線で「日光皮膚炎」になりやすい猫の特徴とは?

紫外線の影響を受けやすく「日光皮膚炎」になりやすい猫の特徴は以下の通りです。

✔色素の薄い猫・白毛の猫
✔高齢猫
✔外に出る猫


色素や毛色の薄い猫は紫外線の影響を受けやすいですが、はっきりとした仕組みや原因はいまだ分かっていません。白猫では”目が青い猫”が最も日光皮膚炎になりやすいと言われています。

高齢猫、とくに自分で自由に動き回れない子は要注意です。窓際で紫外線に当たりっぱなしのまま長時間居たり、寝てしまったりすることもあるでしょう。飼い主さんは、愛猫が紫外線に当たる時間に気を配ったり、紫外線を避けられる場所にそっと動かしたりするようにしていきましょう。

しかし、上記に記載したような猫に限らず、どんな猫でも日光皮膚炎になる可能性はあります。愛猫が日光皮膚炎で苦しむことのないよう、十分に注意してあげてください。

うちの子も日光皮膚炎かも?と感じたら

愛猫に日光皮膚炎が疑われる症状が出たら、動物病院で適切な診断・治療を受けましょう。

猫に日光皮膚炎が疑われるサインは以下の通りです。

・皮膚の発赤
・身体をかゆがる
​​​​​​​・ただれや潰瘍
​​​​​​​・脱毛
​​​​​​​・フケ 
上記の症状は、耳の先端に出ることが一番多いです。また、被毛の薄い場所(鼻・口周り・頭部・目周りなど)が好発部位として挙げられます。


(引用:猫の日光皮膚炎~症状・原因から予防・治療法まで

日光皮膚炎疑いのサインが見られたら、早めに病院に連れていき治療を始めましょう。もしも皮膚がんを発症していたら、外科治療(手術で発症部位を切除)をすることも検討しなければいけません。

日光皮膚炎にならないように、なってしまったら悪化させないために、しっかりと紫外線対策をしてあげてください。次のところでは、猫におすすめの紫外線対策を紹介します。

猫の紫外線対策とポイント5選


ここでは、猫におすすめの紫外線対策とポイントを5つまとめました。

・日焼け止めを塗る
​​​​​​​・日向ぼっこをする時間に注意してあげる
​​​​​​​・UVカットカーテンを使う
​​​​​​​・シェードを設置する
​​​​​​​・UVカット効果のある窓にする

順番に紹介します。

日焼け止めを塗る

適度に日光浴をしながら紫外線対策をするためには、猫用の日焼け止めを使ってあげると良いでしょう。日焼け止めは、被毛の薄い耳・鼻・口元などに塗ってあげるのがおすすめです。

最近では、スティックタイプ・スプレータイプ・シートタイプなどさまざまな種類の日焼け止めがあります。あくまで愛猫が嫌がらない範囲で、紫外線対策に日焼け止めを使ってみるのはいかがでしょうか?

日向ぼっこをする時間に注意してあげる

日向ぼっこは、猫の心と身体の健康にある程度は必要です。完全に紫外線を避けるのではなく「時間に注意しながら対策」をするのがいいでしょう。

・日向ぼっこは15~30分程度を目安にする
10時~15時の紫外線が強い時間帯は日向ぼっこを避ける
・日向ぼっこの時間に注意し、ある程度時間が経ったら紫外線を避けられる場所に移動させてあげる

上記のように、日向ぼっこの時間に配慮してあげてください。不安な場合は獣医師やアドバイザーなど専門家に相談してみるのもいいでしょう。

なお、日向ぼっこをすることで愛猫の身体に異変が出た場合は、日光皮膚炎などトラブルが起きている可能性があります。日頃から愛猫の様子をよく観察しておき、異変を感じたら直ちに病院へ連れて行ってあげましょう。

UVカットカーテンを使う

日向ぼっこが好きな猫たちの紫外線対策には「窓周りの対策」がおすすめです。その中でも「UVカットカーテン」は比較的取り入れやすいでしょう。窓そのものを取り替える必要もなくカーテンを付け替えるだけのため、取り入れやすくしっかりと紫外線対策ができる方法です。


中でもおすすめなのは「ペット専用カーテンNeo」です。
猫の鋭い爪が引っかかりにくいよう、厚手生地で作られています。3つのカラーから選べてどんな部屋にも馴染むため、インテリアとしての質も担保しながら、丈夫かつ紫外線のカットもできるカーテンです。消臭・防臭効果もあり、汚れてもお家の洗濯機で洗えるため、長くきれいに使えるのも人気の理由でしょう。

シェードを設置する

シェードもカーテン同様、今ある窓に設置するだけの簡単な紫外線対策法です。使わない時はコンパクトに収納もできます。


シェードでとくにおすすめなのが「スタイルシェード」です。
自宅の窓に簡単に取り付けられて、日差しと紫外線の対策を両方できます。見た目もスタイリッシュなデザインのため、どんなお家にも馴染むところが高く評価されています。

UVカット効果のある窓にする

「対策をするならしっかりとやりたい」
「日向ぼっこ中もできる限り紫外線を受けさせないようにしたい」

そんな方には、窓ごと「UVカット」仕様のものに変えてしまうのがおすすめです。

外を見ることが好きだったり、縄張り意識で外を見たい猫も多くいます。窓ごとUVカット仕様にしてしまえば、猫のストレスにもなりにくく紫外線対策ができる方法になります。


中でも人気が高いのが「真空ガラス スペーシア」です。
薄い真空層がある2枚のガラスでできており、紫外線を約60%カットできると言われています。また、高い断熱効果も発揮するため、日向ぼっこ中の熱中症対策や節電対策としても有能です。

また、1つの窓で6つのメリットをもたらす内窓「インプラス」もおすすめです。
熱を伝えにくい樹脂素材でできているほか、外窓と内窓の間に空間ができるため優れた断熱効果を発揮すると言われています。
なお、6つのメリットには「断熱効果」「結露軽減」「遮音効果」「UVカット」「侵入抑止効果」「経済性」が挙げられています。

人にとっても愛猫にとっても安全安心で快適な住環境を整えたい方は、ぜひUVカット効果のある窓への付け替えを検討してみてはいかがでしょうか?

猫の紫外線対策の注意点


猫の紫外線対策には、いくつか注意すべきこともあります。ここでは2つの注意点を紹介します。

シニア猫や身体の不自由な猫

シニア猫や身体の不自由な猫など自由に動けない猫は、長時間日向ぼっこをしてしまう可能性があります。長時間日光に当たりっぱなしだと、熱中症になったり紫外線を浴びすぎたりするため注意が必要です。

とくに、猫は高齢になると「暑い」「寒い」といった感覚のセンサーも鈍ります。愛猫自身が気付かない間に体温が上がってしまったり紫外線を浴びすぎてしまったりしないために、飼い主さんが注意してコントロールしてあげましょう。

適度な紫外線は猫の健康にも必要

対策のし過ぎや紫外線対策への過剰な意識は、かえって猫の健康に良くないこともあります。

日光皮膚炎や皮膚がんなどの疾患を患っている場合は紫外線への適切な対処が必要ですが、そうでなければ紫外線対策はほどほどにしましょう。愛猫が嫌がらず、飼い主さんの負担にもなりすぎない程度での紫外線対策をやってみてください。

愛猫のために、正しい知識と理解で紫外線対策をしよう

猫にとって紫外線は健康上必要なものでもありながら、悪影響を及ぼすものでもあります。だからこそ「どこまで対策するべきなのか?」を悩む飼い主さんも多いでしょう。

日光皮膚炎など紫外線を極力避けなければいけない猫の場合は、獣医と相談のうえきちんと紫外線対策をすべきです。しかし、健常体の猫であれば紫外線対策もほどほどにするのがよいでしょう。

猫の紫外線対策にはさまざまな方法がありますが、「すべての猫にこうするべき!」という決まった対策はありません。まずは全部やろうとせず、愛猫にとっても飼い主さんにとってもストレスにならない範囲で取り掛かりやすい対策から試してみてください。

​​​​​​​飼い主さんが愛猫とともに長く健康に生活していけるよう、この記事が参考になれば幸いです。
 



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