
愛犬が歯磨きを嫌がると、毎日のケアが大変ですよね。
犬の歯や口内のトラブルは全身の健康状態にも影響するため、すべての歯を毎日磨いてあげるのが理想的です。
しかし、無理に磨こうとすると、かえって歯磨きを嫌いになってしまうことも。
この記事では、犬が歯磨きを嫌がる原因や慣れてもらう方法について解説します。
嫌がる愛犬の歯を磨くコツや、どうしても磨けない場合の対処法も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
愛犬が歯磨きを嫌がる原因

愛犬が歯磨きを嫌がることには、どのような原因があるのでしょうか。
ここでは、歯磨きを嫌がる理由について詳しく解説します。
口元を触られるのが苦手
犬の口周りはとても敏感で、突然触られることに警戒心を抱くことがあります。特に、口を固定されると自由を奪われたと感じ、不安やストレスを感じることが多いです。
これは犬にとって本能的な反応で、普段から口元を触られることに慣れていない場合、歯磨きの際に強く嫌がる原因に。
また、過去にしつけで口周りを強く押さえつけられた経験がある場合など、歯磨き自体を恐れるようになってしまうこともあります。
歯磨きの方法が間違っている
普段の歯磨きの方法が間違っている場合、愛犬が歯磨きを嫌がる原因につながります。例えば、力を入れすぎて歯ブラシをこすると痛みを感じることがあります。
また、いきなりすべての歯を磨こうとすると、犬にとっては負担が大きすぎて不快感を覚えることも。
歯磨きに慣れていない段階で無理に続けると、「歯磨き=嫌なこと」という認識になり、ますます抵抗するようになってしまうのです。
さらに、歯ブラシの毛の感触に慣れていない犬は、異物が口の中に入ること自体を嫌がることも。
無理矢理口をあけてしまっている
口を無理にこじ開けたり、頭を固定するような方法を取ると、愛犬に強い嫌悪感を抱かせてしまう原因に。特に、開いた口を閉じないよう固定してしまうと不安を感じ、歯磨きに対して恐怖心を持つようになってしまうことがあります。
その結果、歯磨きをしようとすると噛むようになったり、逃げ回ったりすることも。
また、過去の歯磨きで強引に口を広げられた経験があると、それがトラウマとなり、歯磨きを嫌がる原因になります。
口内炎や歯のぐらつきがある
愛犬が急に歯磨きを嫌がるようになった場合、口内炎や歯のぐらつきが原因となっている可能性があります。口の中で炎症が起きていると、歯ブラシが触れるだけで痛みを感じるため、抵抗するようになってしまうのです。
また、歯周病が進行して歯がグラグラしている場合も、痛みの影響で歯磨きを嫌がることがあります。
歯ぐきが赤く腫れていたり、口臭が強くなっていたりする場合は、歯周病の可能性があるため、早めに動物病院で診てもらいましょう。
犬の歯磨きはなぜ必要?

愛犬の歯磨きを怠ると、口臭の原因となる細菌が増殖し、歯周病やさまざまな病気のリスクを高めることにつながります。
ここでは、犬の歯磨きが必要な理由について見ていきましょう。
口臭予防
歯磨きをしないと、食べかすや歯垢が歯と歯の間に蓄積し、細菌が繁殖して口臭の原因になります。口臭は初期段階ではそれほど気にならなくても、歯垢が蓄積することで次第に強くなり、後から歯磨きをしても完全に取り除くのが難しくなることがあります。
特に歯石ができると、細菌の温床となり、悪臭がさらに強くなってしまうことも。
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【専門家監修】犬の口臭がひどい5つの原因とは?対処法やおすすめのケア方法・グッズを紹介
歯周病を防ぐ
犬は人間よりも短い期間で歯垢が歯石へと変化しやすい特徴があるようです。犬の口内は弱アルカリ性で、虫歯にはなりにくいものの歯石ができやすく、歯周病のリスクが高い環境にあるのです。
歯周病になると、歯ぐきが炎症を起こし、痛みのために食事が困難になることがあります。
さらに、放置すると歯が抜けたり、顎の骨に影響を及ぼすことも。
歯石になってしまうと、動物病院での専門的な処置が必要になるため、毎日の歯磨きで歯垢を取り除き、歯石の形成を防ぐことが大切です。
<参考>
犬の歯磨きについて|歯周病予防が長生きの秘訣
全身の健康状態にもつながる
歯の健康は、口腔内だけでなく全身の健康にも影響を及ぼすとされています。歯周病が進行すると、歯ぐきの炎症部分から細菌が血管に入り、全身を巡ることで臓器に負担をかけるリスクがあるのです。
また、歯周病が原因で顎の骨がもろくなると、骨折のような深刻な症状を引き起こす可能性もあります。
歯磨きに慣れてもらう方法

健康な歯を保つためには、歯磨きを習慣化することが大切です。
ここでは、歯磨きをスムーズに行うための方法について紹介します。
口元を触られることに慣れさせよう
犬は本能的に口元を触られることを嫌がる傾向があるため、まずは口周りを触ることに慣れさせることが大切です。最初は愛犬と遊びながら、頬や顎を軽くなでるところから始めましょう。
ご褒美を使いながら徐々に触れる時間を長くしていくことで、口元への違和感を減らすことができます。
次のステップとして、唇を少しめくり、歯を軽く触る練習をしていきます。
急に口を開けようとせず、愛犬のペースに合わせながら少しずつ進めることがポイントです。
我が家の愛犬が子犬のときも、初めは口元を触られるのを嫌がっていましたが、少しずつ触っていくうちに慣れてくれました。
口周りを触ることに慣れてくれると、病院で処方された薬を飲ませるときにも、抵抗せずに飲んでくれるようになるのでおすすめです!
まずはマッサージから
口元に触ることに慣れてきたからといって、いきなり歯磨きを始めてしまうのはおすすめできません。まずは口周りを優しくマッサージすることから始め、愛犬の緊張をほぐしてあげましょう。
最初は指で歯ぐきを優しくなでるくらいで十分です。
この際、犬用の歯みがきジェルや好きな味のペーストを指につけると、口周りに触れられることに対する抵抗が少なくなることがあります。
指に巻いたガーゼや歯みがきシートを使って、歯の表面を軽く拭うことも有効です。
マッサージで歯や歯ぐきに触れることを習慣化すれば、歯ブラシを使うステップへとスムーズに移行できます。
無理に押し付けず、愛犬が快適に感じられるように優しく触れることが大切です。
外側→内側と徐々に磨いていく
最初は歯の外側から歯磨きを始め、愛犬が慣れてきたら内側へと進めていくのが理想的です。前歯や犬歯は比較的触れやすいので、まずはこの部分から磨く練習をしましょう。
愛犬が口を開けるのを嫌がる場合は、指で犬歯の後ろに軽く触れることで口が自然に開き、奥歯のケアがしやすくなります。
慣れてきたら少しずつ奥の歯へと進め、最終的に内側の歯まで磨けるようにします。
歯の内側は舌の動きによって自然に汚れが落ちることもあるため、まずは外側を重点的にケアするのがポイントです。
短時間で終わるようにし、毎日少しずつ進めることで、歯磨きへの抵抗感を減らしていきましょう。
嫌がる愛犬の歯を磨くコツ

ここでは、嫌がる愛犬の歯磨きをスムーズにするためのコツをご紹介します。
無理せず気長に取り組む
歯磨きは一度で完璧にできるものではなく、少しずつ習慣化していくことが大切です。最初は短時間で終わらせ、徐々に慣らしていくことで抵抗を減らすことにつながります。
また、嫌がっているときに無理強いすると、歯磨きを「嫌なもの」と認識してしまい、次回からさらに拒否するようになってしまいます。
「今日は前歯だけ」「明日は奥歯だけ」など、少しずつ進めるのも良い方法です。
気長に取り組みながら、歯磨きの習慣を定着させていきましょう。
リラックスした状態が◎
愛犬が落ち着いた状態で、歯磨きを始めることがポイントです。例えば、興奮しているときや遊びたがっているときに歯磨きをしようとしても、うまくいかないことが多いです。
食事の後や寝る前など、気持ちが落ち着いているタイミングを見計らうと、よりスムーズに歯磨きができるでしょう。
また、飼い主さん自身もリラックスしていることが大切です。
緊張した雰囲気が伝わると、愛犬も警戒してしまうことがあるため、優しく声をかけながら楽しい雰囲気を作ることを心がけましょう。
褒める&ご褒美も効果的
愛犬が歯磨きを嫌がらずにできたときは、たっぷり褒めてあげることが大切です。「いい子だね」「上手にできたね」と声をかけるだけでも、愛犬は嬉しく感じます。
また、ご褒美としてお気に入りのおやつをあげたり、楽しい遊びの時間を作ることで、「歯磨きをするといいことがある」と認識してもらえます。
ただし、歯磨き中に暴れてしまうたびにおやつを与えると、「暴れるとご褒美がもらえる」と学習してしまうため、落ち着いているときに褒めることが大切です。
お散歩後の歯磨きもおすすめ
お散歩の後は、運動をしたことで適度に疲れ、興奮も落ち着いているため、歯磨きをするタイミングとして適しています。特に、興奮しやすい場合や歯磨きの際に暴れがちな犬は、散歩後や遊びのあとに歯磨きをすると、スムーズに進められることが多いです。
また、お散歩後は犬自身も満足感があるため、飼い主さんとのコミュニケーションの時間を楽しみやすくなります。
どうしても歯磨きできない場合の対処法

どうしても愛犬が歯磨きを嫌がり、うまくできない場合は、無理に続けるのではなく別の方法を試してみましょう。
デンタルケア効果のあるガムやおもちゃを与えるなど、歯ブラシを使わずにケアする方法を取り入れるのもおすすめです。
しかし、それでも口臭や歯の汚れが気になる場合は、獣医師に相談し、専門的な処置を受けましょう。
動物病院では歯石の除去や歯のケアのアドバイスをしてくれるほか、歯磨きに慣れさせるためのコツを教えてもらえることもあります。
定期的な歯科検診を受けることは、歯周病の予防にもつながるため、愛犬の歯の状態をこまめにチェックする習慣をつけることをおすすめします。
愛犬の歯磨きに関するよくある質問

愛犬の歯磨きについて、飼い主さんが気になる疑問も出てくることでしょう。
ここでは、愛犬の歯の健康を守るために知っておきたいポイントをまとめました。
歯磨きガムだけ与えていれば歯磨きしなくても大丈夫?
歯磨きガムは、歯垢の付着を減らす効果が期待できますが、それだけで歯周病を予防するのは難しいです。ガムを噛むことで奥歯の汚れは多少除去できますが、犬歯や前歯はあまりケアできません。
歯磨きガムを補助的に使いながら、歯ブラシや歯みがきシートを活用して細かい汚れを落としていくことが大切です。
愛犬の歯をしっかり磨けているかチェックする方法は?
愛犬の歯がきちんと磨けているかを確認するには、指で歯の表面を軽く触れてみる方法があります。ツルツルしていれば歯垢がしっかり落ちている証拠ですが、ザラザラした感触がある場合は歯垢が残っている可能性があります。
また、ネバネバとした感じがある場合は汚れが蓄積しているサインです。
歯磨きをしても落ちない汚れは、すでに歯石に変わっていることが考えられるため、その場合は獣医師に相談することをおすすめします。
愛犬の歯を磨くタイミングはいつがベスト?
歯磨きのタイミングは、食後や寝る前が理想的です。食後は口の中に食べかすや歯垢が残りやすいため、早めにケアすることで細菌の繁殖を防げます。
また、寝る前に磨くことで、睡眠中の歯垢の蓄積を抑え、口腔環境をより清潔に保つことが可能です。
ただし、まだ習慣化できていないうちは、愛犬が落ち着いている時間帯を選び、ストレスなく歯磨きを続けていくことを優先しましょう。
愛犬の歯磨き嫌いを克服して健康をサポートしよう
歯磨きを嫌がる場合は、無理に続けるのではなく、口元を触る練習から始めたり、デンタルガムや歯磨きシートを活用するのも一つの方法です。また、どうしても歯磨きが難しい場合は、定期歯科検診や動物病院でのケアを取り入れることで、口腔環境を整えることができます。
愛犬の健康を守るためには、少しずつ歯磨きを習慣化し、負担の少ない方法を見つけてあげることが大切です。
焦らず、愛犬のペースに合わせながら、楽しくケアを続けていきましょう。
日々の積み重ねが、愛犬の健康寿命を延ばすことにつながります。
この記事を書いたペットとの暮らしの専門家

丸山瑞季
SEO対策を行なった記事作成が得意。犬と猫、どちらの記事も対応可能。
(マルチーズ×キャバリア/男の子)(キンカロー/男の子)
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