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介護用ハーネスとは? 愛犬に合った介護用ハーネスの選び方を解説

画像引用:PEPPY

 

犬の胸周りに装着するベスト型やストラップ型のハーネス。首輪に比べて支える部分が広く、呼吸器系への圧迫も少ないため、お散歩の際に利用する飼い主さんも多いのではないでしょうか。

 

そんなハーネスですが、お散歩用以外にも足腰の筋力が衰えてきた犬のために使う介護用ハーネスも多く展開されています。

 

介護用のハーネスは、首と胴の部分を固定するお散歩用のハーネスとは異なり、後ろ足を支えるものや前足を支えるもの、上半身・下半身・胴体の全身をバランスよくサポートするものなどさまざまな商品が販売されています。

この記事では、介護用ハーネスを検討すべき時期や、実際に選ぶときのポイントをわかりやすく解説します。

愛犬の歩行に困難がある場合に生じるトラブル

犬も年齢を重ねると、どうしても若い頃のように走り回ったりきびきび歩いたりするのが難しくなるもの。主に筋力の低下が原因ですが、犬が歩行に困難を感じるようになると、
 

 ●歩くときのふらつき
 
 ●排泄が上手にできない

 ●食事をとる体勢をとりづらい
 

などの不自由が起こり始めます。

 

実は、犬の「踏ん張る力」が弱くなる場合の多くが、後ろ足の筋力低下が原因です。後ろ足の力が弱くなると、歩行のほか、排泄時の姿勢が取りづらかったり、前傾姿勢をとる食事の体勢もバランスが保ちづらくなり、日常生活でのふらつきが増えてきてしまいます。

 

まずは予防が大切!

愛犬の筋力低下、寝たきりにならない予防法を動画で解説しています!

▶︎【犬の飼い主さん必見】愛玩動物看護師が教える『犬のシニア期』に向けて必要なことは?

 

介護用ハーネスはいつから使用すべき?

では、わんちゃんに介護用ハーネスを用意してあげるには、どのタイミングが良いのでしょうか?

 

答えは完全に歩行が困難になる前。ケガなどで一時的に歩行困難になっている場合はもちろんですが、シニア期に入り日々のお散歩や自宅での歩行を観察し「腰がふらついているな」「何もない場所でのよろけやつまづきが増えたな」「寝ている体勢からの起き上がりが大変そうだな」と感じたら介護用のハーネスの用意を検討しましょう。

 

「まだ歩けるから」といって放っておくと、筋力が落ちている足をかばおうとして、もう片方の足に負担がかかり、結局歩行不全になるのを早めてしまうということにもなりかねません。

 

介護用ハーネスは車いすなどに比べると手頃な価格で手に入るものが多いので、一つ用意しておけると安心です。

 

介護用ハーネスの種類

冒頭で触れたように、介護用ハーネスにはいくつかの種類があり、愛犬の体型や今の状態に合わせたタイプを選ぶことが大切です。

ここからは介護用ハーネスにどのような種類があるのか、それぞれ紹介していきます。

後ろ足用

後述の通り、多くの犬は後ろ足から徐々に筋力が落ちていく傾向があるので、最初に購入を検討されることが多いのが後ろ足用のハーネスです。腰回りに装着し、飼い主さんが上から引き上げることで犬の歩行をサポートします。

 

画像引用:Petio Online Shop

 

購入時の注意点としては、大きく分けて以下の3点です。

●商品が男の子用・女の子用で分かれているものがあるので、愛犬の性別に合わせて購入すること

後ろ足用ハーネスは後ろ足に装着するものになります。排泄時も快適に使えるよう男の子用・女の子用・兼用と種類が分かれているので、購入時は注意しましょう。

●持ち手の長さを調節できること

商品によってはアジャスター等で調節できるものもあります。座っている状態から立ち上がらせる際は持ち手が短い方が便利ですが、お散歩中は長い方が扱いやすいです。

●ハーネスの幅後ろ足用は、腰回りを包み込む幅広タイプと足にひっかけて使う幅狭タイプがあります。比較的体重がある犬の場合は、引き上げる時にストラップがくい込んでしまいやすいので、幅広タイプを選んであげると良いでしょう。

前足用

前足用ハーネスは、肩や胸周りに装着するタイプのもの。シニア期に入り前足の筋力が弱くなると、前足がハの字に広がってバランスが取りづらくなったり、首の筋力が落ちることで頭の重さで思うように顔を上げられなくなったりしてきます。

このような状態が見られたら、首輪で引き上げると気管を圧迫してしまうので、ベストのように胸までしっかりホールドできるタイプのハーネスを選ぶようにしましょう。

 

また、前足用ハーネスは服タイプやベストタイプのものが多く販売されています。通気性や肌ざわりの優しい素材のものを選んであげると愛犬にもより優しいですね。

 

画像引用:Petio Online Shop

全身を支える四肢用

上半身・下半身・胴体をバランスよく支える四肢用は、全身の筋力が低下するなどの理由から前足・後ろ足共に思うように動かなくなった犬に使用します。前足用と後ろ足用の2つを同時に使うこともできますが、四肢用であれば着脱が一度でできるので便利です。

 

前足用・後ろ足用と比べて四肢用は、全身をまんべんなくホールドできるため、立ち上がりから歩行までサポートしやすいのが特長です。

また、上半身・下半身を支えるものになるので、持ち手は前後2カ所についているものがオススメ。1カ所だと全身を支える点がそこに集中してしまい、犬の身体に負担がかかることがあります。起き上がるときは前の持ち手を、立ち上がるときは後ろ足も、というように、シーンに応じて持ち手を使い分けられると良いでしょう。

 

また、寝たきりになった犬のために四肢用のハーネスを選ぶ場合は、寝たままでも着脱がしやすく、着用したままでも眠れるよう通気性やクッション性に富んだものがGood。

介護用ハーネスは寝返りのサポートにも使えるので、床擦れ防止にも役立ちます。寝ている姿勢のままでも排泄できるように、排泄部がしっかり開いているものを選んであげてください。
 

画像引用:楽天

介護用ハーネスの選び方

ハーネスの購入を検討する際は、愛犬の体型と使用シーンに合わせたものを選ぶことが大切です。

愛犬の体型に合わせて選ぶ

一般的に介護用ハーネスは、体重別にS・M・Lでのサイズ展開があるので愛犬の体型にあったものを選ぶようにしましょう。

 

また、商品によっては、胸周り・胴回り・お腹の長さの記載があるものもあるので、事前に採寸できると愛犬にぴったりのハーネスを用意してあげられます。


後述の通り、後ろ足や全身を支えるハーネスを購入する際は、男の子と女の子で排泄位置が違うので、お腹の長さに注意して選びましょう。

画像引用:楽天

 

さらに、被毛の長さや皮膚の特長に合わせた素材・留め具を検討するのも大切です。

 

長毛の場合は、夏は蒸れやすく、体温も溜め込みやすいので、通気性が良いメッシュ素材を、冬は静電気の防止のため綿素材がおすすめです。

留め具はマジックテープだと毛を巻き込んでしまいやすいので、バックルタイプを選んであげると良いでしょう。

 

短毛やヘアレスドッグ(毛のない犬種)、またシニア犬などデリケートな皮膚のわんちゃんの場合は、ハーネス自体が皮膚に触れやすいので注意が必要です。綿やガーゼなどクッション性のある素材を選んであげると、皮膚のこすれなどが防げます。特に脇の下や股関節周りなどが擦れやすいので、定期的に皮膚の状態を見てあげましょう。

 

また、ダックスフントなど胴が長い犬種は胴回りへの負担がかかりやすいため、前足・後ろ足と分けずに、胴回りを包み込めるデザインのものがおすすめです。商品によっては犬種別のハーネスが販売されている場合もあるので、インターネットなどで探してみてください。

 

使用シーンで選ぶ

介護用ハーネスは、お散歩用と室内用を分けるのも大切です。

 

お散歩用は、おしっこ・うんちがしやすいよう、排泄しやすい形状になっているものを選び、防水タイプや洗濯できる素材がGood。排泄時は特に体勢の維持に負担がかかるので、できるだけ飼い主さんが排泄サポートしてあげると良いでしょう。

 

また、飼い主さんが歩きやすいのも重要。飼い主さんの身長にあった長さの持ち手のものか、長さ調節できるものを選びます。短い持ち手は愛犬を支えやすいメリットがありますが、短すぎると愛犬の散歩中の飼い主さんが常に屈んだ姿勢になってしまうので大変です。

 

室内用のハーネスは持ち手が短いものを選びます。短い持ち手は、力のコントロールがききやすく、段差の昇降やトイレの補助をする際などに安定感を持ってサポートできます。

 

基本的に介護用ハーネスは、長時間着用させたままにしないよう注意書きがあるものも多いのですが、寝たきりになったわんちゃんや大型犬の場合は、何度も着脱させることが難しく、長時間着用したままになることも多くなりがちです。そのため、なるべく通気性がよく、肌ざわりの良い素材のものを選んであげましょう。

特に夏場は体温がこもりやすく、熱中症や皮膚炎の原因にもなるので、メッシュタイプにするなど季節や気温に合わせた素材のものを選びましょう。

 

後ろ足用・前足用・四肢用で迷ったら

愛犬にどのタイプのハーネスが適切なのか判断に迷う場合は、まずはバスタオルやスポーツタオルなどを使って試してみましょう。

 

タオルを前足の付け根・胸周り・後ろ足の内股(股関節周り)に来るようにまわして吊り上げ、どの位置を支えると動きやすいのかを観察します。

その際、お腹周りにタオルが来るようにすると、男の子の場合は陰茎を、女の子の場合は膀胱を圧迫してしまうので、タオルは内股にひっかけ、引き上げる際は真上ではなく気持ちお尻側に持ち上げるよう意識しましょう。

 

愛犬の今の状態にあった介護用ハーネス選びを

介護用ハーネスは、わんちゃんの体型や今の状態などによって、合う・合わないが違ってきます。わんちゃんの負担を軽減するためのものですので、購入を検討する際は「どこをどのように支えてあげると楽そうなのか」を事前によく確認してあげましょう。

少しでも長く愛犬が自分の足で歩けるよう、今の状態にあった介護用ハーネスを見つけてあげてくださいね。





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