旅行などで家を空けると、「あの子は今、寂しがっていないかな?」と心配になる飼い主さんは多いでしょう。しかし、そもそも猫は単独生活をする動物なので、飼い主さんが常にそばにいなくても案外平気です。
では、猫は何日間くらい留守番ができるのでしょうか?この記事では、猫の留守番可能な日数や長期間の留守番の注意点について解説します。
猫は何日まで留守番できる?
「猫は家につく」と言われ、縄張りから外に出るのが苦手です。
家を空ける時には、大好きなおうちで留守番をしてもらいましょう。成猫の場合、フード・水・トイレをしっかり備えればストレスなく留守番ができます。
とはいえ、精神的に自立した健康な成猫の場合でも、3日が限界と言われています。できれば1泊2日までを目安にしましょう。留守中には自動給餌器などを活用し、トイレは多めに用意することが必要です。
子猫やシニア猫の場合は、突然の体調不良のリスクがあります。そのため、留守番は数時間にして、入院や出張などでどうしても数日以上の外泊をしなくてはならない場合はペットシッターや知人などにお世話を依頼しましょう。
猫だけで1週間の留守番ができない理由
猫の留守番は、できれば1泊2日までにしましょう。最長でも3日が限界と言われています。
猫だけで1週間の留守番をさせることはできません。なぜなら、健康面や安全面に不安があるからです。
飼い主さん不在という環境では、いつも通りにフードや水を摂れないこともあります。
また、汚れたトイレを嫌がって排尿を我慢し続けると、泌尿器系疾患の原因となります。
留守番中は、愛猫の異変にすぐには気づけませんね。1週間も猫だけで留守番させると、最悪の場合、帰宅した際に愛猫が倒れている可能性もあります。
長期間の留守番には、信頼できるプロや知人の力を借りましょう。
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フードや水の供給が不安だから
猫に留守番をさせる時は、フードや水を多めに用意する必要があります。しかし、数日分をまとめて置くと、一気に食べてしまったり、腐ったりします。
新鮮なフードや水を定期的に与えるためには、自動給餌器や自動給水器が便利です。
自動給餌器は、時間になると設定した量のドライフードが出てきます。一度にたくさん食べすぎないので安心です。また、自動給水器はろ過した水がいつでも飲めるので衛生的です。
しかし、自動給餌器や自動給水器にも問題点があります。停電・故障・イタズラなどで使用できなくなる可能性がゼロではありません。もしフードや水が摂れなくても、1日であれば大丈夫ですが、1週間は危険です。
トイレが不潔になるから
猫は、とてもきれい好きです。そのため、汚れたトイレを使いたがらない傾向があります。わが家の愛猫も排泄物が残ったトイレでは用を足さないので、使用後はすぐに掃除をしています。
トイレの数は、猫の頭数+1個が理想です。留守番中は掃除ができないため、多めに用意する必要があります。
自動で掃除されるスマートトイレもありますが、きれいに掃除されるのは健康なウンチの時だけです。下痢をした場合には不衛生になってしまいます。トイレ以外の場所で粗相する可能性もあるため、猫だけで1週間の留守番はできません。
体調不良が心配だから
留守番中に猫の体調が悪くなっても、すぐに気づくことはできません。ペットカメラで観察する飼い主さんも多いですが、もし異変に気づいても、外出先から対応するのは難しいです。
猫だけで留守番させるのではなく、ペットシッターや知人にお世話を依頼しておけば安心です。様子がおかしい時には動物病院に連れて行ってもらえます。
猫はストレスで下痢や便秘になることがあります。また、泌尿器系の異常は命に関わる可能性もあるため、早期の発見・対応が重要です。長期間の留守番では、誤飲やケガがあった場合にも対処できません。
分離不安症が心配だから
猫によっては、留守番で精神状態が不安定になる可能性があります。寂しがり屋の猫の場合、慣れていない長期間の留守番は大きなストレスになるでしょう。
「分離不安症」は、飼い主さんと離れることが苦痛に感じるほどストレスになる状態です。生活環境の変化によって引き起こされると言われており、粗相やイタズラなどの問題行動につながります。
分離不安症は0〜1歳までに経験した環境や出来事が関係しており、多くは5歳くらいまで発症が続きます。愛猫の性格を見ながら、徐々に留守番に慣れさせることが大切です。
イタズラ・ケンカが心配だから
猫に留守番をさせると、イタズラが心配です。ストレス発散のためだけでなく、単に遊びとして物を壊す可能性もあります。割れ物や大切な家具は、保護したり手の届かないところに移動しておきましょう。
また、多頭飼いの場合、普段は仲良しでもケンカをすることがあります。じゃれ合いがエスカレートして噛みつきや引っかきでケガをした場合、手当が必要かもしれません。猫だけで長期間の留守番をさせると、キズが悪化する恐れがあります。
犬と猫が同居している場合は、犬はペットホテルに預けて猫は家で留守番させると、予期せぬケンカが防げます。
相性の悪い猫同士は、ケージで生活空間を分け、お世話を依頼した人に交代で部屋に出してもらいましょう。
もしも家を3日間以上空けるときは?
猫だけでの留守番は、3日が限界と言われています。それ以上の場合は、プロや知人などの信頼できる人に猫のお世話を依頼しましょう。
予約が取れなかったり都合が悪かったりする場合もあるので、予定がわかった段階で早めにお願いすることが大切です。
親戚・友人にお願いする
留守中のお世話は、信頼している親戚や友人にお願いしてみましょう。何度か自宅に招いたことがあり、愛猫とも顔見知りの方であれば安心です。猫を飼育している同士で協力関係を築いておくと、いざという時にお互い助かりますね。
親戚や友人の家で愛猫のお世話をしてもらったり、カギを預けて通ってもらったりする方法があります。猫が慣れない環境や人に驚いてしまうかもしれないので、脱走防止には注意が必要です。また、体調不良の際に動物病院を受診してもらえるように、診察券を渡しておきましょう。
ペットシッター・キャットシッターに依頼する
費用はかかりますが、プロに依頼してお世話してもらうと安心です。シッター料金の相場は、1日3,000円程度です。猫専門のキャットシッターさんは知識や経験が豊富なので、愛猫にストレスを与えずに必要な作業をしてもらえるでしょう。
ペットシッターを利用する際は、HPでワクチン接種や年齢制限などの規約を確認することが大切です。動物取扱業の資格を取得しており、キャンセルなどに関する料金体系が明確に記載されているサービスを選びましょう。
ペットホテルに預ける
外出が苦手な猫にはあまりおすすめできませんが、ペットホテルに預けるという方法もあります。
1泊あたりの料金相場は2,000〜6,000円程度で、立地やサービスによって幅があります。病気の猫の留守番には、動物病院に併設されたペットホテルが安心です。
わたしはペットホテルでの勤務経験がありますが、陽気にはしゃぐ犬たちとは対照的に、猫たちは常に緊張した面持ちで、食事もとらずトイレもせず、飼い主さんのお迎えをじっと待っているのが印象的でした。特に事情がない限り、猫には家での留守番がおすすめです。
一緒に連れて行く
自家用車での帰省であれば、連れて行くという選択肢もあります。水分補給やトイレなどの休憩を挟みながら移動しましょう。
慣れない場所は猫にとってストレスですが、飼い主さん自身でお世話できるのは大きなメリットです。
飛行機での移動は負担が大きいので、ペットシッターなどにお世話を依頼して留守番させる方が良いでしょう。
また、犬と違って、猫は飼い主さんとのレジャーを楽しめません。旅行への同伴は避けましょう。
帰宅後にやるべきこと
帰宅後は、すぐに愛猫の様子をチェックしましょう。
甘えて駆け寄ってくれば、元気な証拠です。しかし、うずくまって動かなかったり激しく威嚇したりする場合は、心身の不調が考えられます。
部屋全体やトイレの中も確認しましょう。粗相やイタズラがある場合は、ストレスが原因かもしれません。
猫と触れ合う
家を長い期間空けた場合、愛猫にそっけない態度をとられても仕方ありません。猫は警戒心の強い動物だからです。
飼い主さんの匂いをかがせたり、声をかけたりして思い出してもらいましょう。きっとすぐに甘えてくれるはずです。
愛猫が落ち着いたら、体を触って異常がないかをチェックしましょう。ケガの有無や体型の変化などを確認します。
ゆっくり触れ合うことで愛猫のストレスが解消され、飼い主さんも満たされた気分になるでしょう。
トイレのチェックをする
旅行や出張から帰った飼い主さんはお疲れだと思いますが、すぐにトイレ掃除をしましょう。愛猫がトイレを我慢しているかもしれないからです。
掃除をする際には、ウンチやオシッコの状態を観察してください。ペットシッターにお世話してもらった場合は、排泄や食事に関する報告がメールなどで届くので、きちんと確認しましょう。
ウンチは数日間なくても様子をみて大丈夫です。しかし、オシッコが確認できない場合は、泌尿器系疾患の恐れがあります。早めに受診しましょう。
部屋の様子をチェックする
愛猫とトイレのチェックが終わったら、部屋全体の様子をチェックしてください。壊れた物や汚れている場所はないでしょうか?いつも通りであれば、猫にとっても安心して留守番できた証拠です。
しかし、爪とぎ場所が増えていたり粗相していたりする場合は、ストレスを感じている可能性が大きいです。
もしも大切なソファが傷つけられていても、叱らずに諦めましょう。留守番させる時は、破損や汚れを避けたい家具などは手の届かない場所に移動するのがおすすめです。
フード・水をチェックする
留守番中にフードや水をきちんと摂れていたかをチェックしましょう。自動給餌器や自動給水器に慣れていない猫の場合、作動音を警戒して近づかないことがあります。
フードや水をあまり口にしていないようであれば、オヤツでも良いので好きなものを与えて栄養と水分を補給しましょう。
猫は人や犬と違い、わずか数日間の絶食によって肝臓が大きなダメージを受けることがあります。ストレスによる食欲不振を見逃さないようにしましょう。
【まとめ】3日以上の留守番は信頼できる人にお願いしよう!
ほとんどの猫は留守番が得意ですが、健康な成猫でも3日が限界と言われています。猫だけで留守番させるなら、できれば1泊2日までを目安にしましょう。
フード・水・トイレの備えが万全だと思っていても、飼い主さんの不在中には予期せぬトラブルが発生するかもしれません。3日以上の場合、プロのサービスを利用したり知人にお願いしたりする必要があります。
長期間の留守番の後は、「誰?」という目で愛猫から見られるかもしれません。信頼を取り戻すつもりで愛情をたっぷり伝えましょう。