子猫を家族に迎え入れると、片時も離れたくないという気持ちになるかもしれません。しかし、お仕事や買い物などで外出しなくてはならない場面もありますね。
子猫の時期はとても短いですが、1歳までの経験は性格形成に大きく影響します。留守番でストレスを与えすぎると、不安を感じやすい神経質なタイプになることがあります。
留守番をさせるには、適切なタイミングと準備が大切です。ひとりで上手に留守番できたら、たくさん褒めてあげましょう。
ストレスなく子猫に留守番させるコツ
家を空ける場合には、最初は15分程度から徐々に留守番の時間を延ばして慣れさせましょう。
わが家の愛猫は生後2ヵ月から留守番を始めましたが、お気に入りのハンモックでお昼寝をして暇をつぶしていました。子猫はよく寝るので、リラックスできる環境を用意してあげましょう。
帰宅後にたくさん遊んだりオヤツをあげたりすると、留守番での不安な気持ちが解消されやすくなります。留守番の都度、ストレス発散しておくことが大切です。
子猫はいつから留守番できる?
小さな子猫は、とても弱い存在です。飼い主さんは母猫の代わりに子猫を守ってあげる必要があります。しかし、毎日いつでも在宅できる訳ではありませんよね。
子猫の成長に合わせて、少しずつ留守番の時間を延ばしていきましょう。
生後2ヵ月は3時間程度
生まれたての子猫は自力での体温調節や排泄ができないので、母猫や飼い主さんのお世話が欠かせません。
生後3週頃になるとミルク以外のゴハンを食べ始めます。生後2ヵ月ほどで離乳し、だんだんと行動範囲が広がっていきます。離乳したら、3時間程度の留守番が可能です。
生後3~4ヵ月は半日程度
だいたい生後3〜4ヵ月頃から半日程度の留守番が可能になります。ただし、初回でいきなり半日を留守にするのは避けましょう。徐々に慣れさせることが大切です。
この時期にはひとり遊びができるようになってくるので、オモチャを与えると暇つぶしができます。ただし、ヒモやリボンは誤飲する可能性があるため、留守番中は片付けておく方がよいです。
生後6~8ヵ月以降は1泊まで
生後半年を過ぎれば、1泊2日の留守番も可能になります。
しかし、猫の性格や飼い方によっては「分離不安症」になる可能性があるため注意が必要です。
分離不安症とは、猫が愛着を感じている人と長時間離れることによって生じるストレス症状です。粗相などの問題行動や体調不良の原因となります。
そもそも猫は単独行動をする動物なので、在宅中には構いすぎないようにして、飼い主さんの在宅中と留守中の差を小さくすることがストレス対策として有効です。
子猫に留守番させる時の注意点
飼い主さんが安心して出かけられるように、子猫に留守番させる時の注意点を把握しておきましょう。
ドライフードを用意する
ウェットフードは腐りやすいので、留守番中にはドライフードを用意してください。
半日程度の留守番なら、普段食べ慣れているものをお皿に適量入れておけば大丈夫です。子猫は少量をちょこちょこ食べるので、自分のペースでいつでも食べられるように準備しておきましょう。
半日から1泊2日の留守番には、自動給餌器を利用すると便利です。ケージ内で留守番させる場合は本体がケージの外に設置できるタイプがおすすめです。
子猫をケージに入れずに留守番させる場合、大容量タイプの自動給餌器を日ごろから使っておくとストレスなくゴハンを食べられるでしょう。
わが家では、生後6ヵ月から自動給餌器を使っています。設定した時間を覚えていて、ゴハンが出てくるのを座って待っているのがかわいいです。
いつでも飲める水を用意する
留守番中にはいつでも水を飲めるようにしておきましょう。水分不足になると、季節に関わらず脱水症状になる可能性があります。
子猫は水の容器をひっくり返すことがあるので、複数の水場を用意すると安心です。普段から同じ場所に用意しておくと、場所を覚えてくれます。
ケージ内で留守番させる場合には、柵に設置できる容器がおすすめです。メモリ付きのタイプなら、留守番中にどれくらいの水を飲んだのかを把握できます。水は腐りやすいので、出かける直前に新鮮な水を用意しましょう。
清潔なトイレを用意する
猫はきれい好きなので、汚れているトイレは使いません。トイレの数は、頭数+1個が理想です。
もしトイレ以外の場所で粗相するのが心配な場合には、ケージ内で留守番させるのがおすすめです。
子猫を留守番させる時には、普段と同じトイレを用意しましょう。
帰宅後には排泄の状態を見て、留守番のストレスや体調不良による下痢をしていないか確認してください。トイレは健康のバロメーターです。
快適な温度に保つ
子猫を留守番させる時には、部屋の温度管理を行いましょう。人が適温と感じる春と秋には、特に何もしなくても大丈夫です。
しかし、夏場の暑さには注意が必要です。エアコンは27度に設定して、つけっぱなしで出かけましょう。窓を開けて風を通したり、扇風機をつけたりするだけでは、近年の猛暑には太刀打ちできません。
冬は毛布などを用意して、寒さ対策をしましょう。コタツやストーブは危険なので、留守中に使用してはいけません。エアコンによる乾燥対策としては、加湿器を使うのがおすすめです。
なるべくケージに入れる
子猫は好奇心旺盛なので、留守中には危険防止のためにケージに入れるのがおすすめです。普段から使い慣れておくとストレスがありません。
ケージの最下段にトイレを設置し、上の段には水やゴハンを用意しておきます。ひっくり返りにくい容器が便利です。
子猫は1日のほとんどを寝て過ごすので、快適な寝床を用意してあげましょう。
毛布はトイレにずり落ちてしまう可能性があるので、ハンモックがおすすめです。
わが家では生後2ヵ月の時にアイリスオーヤマのミニキャットケージ3段を購入しました。
5年以上経過していますが、体重6キロの今でも安全に使用できています。コンパクトなので、ワンルームにも設置しやすいでしょう。
危険な物を片づける
留守中に子猫をケージに入れない場合には、危険な物や壊されたくない物は片づけましょう。
飼い主さんがいない時の愛猫の様子をペットカメラで撮影しておくと、どのように過ごしているのかがわかるので、次回からの留守番の参考にもできます。
コードや観葉植物を齧ったり、キッチンの包丁に触れたりすると大変危険です。
子猫は好奇心旺盛で、予測不能の動きをすることがあります。完璧に片づけることは難しいですが、しっかりと対策をしましょう。
脱走防止対策をする
子猫をケージに入れずに外出する場合は、脱走対策を徹底しましょう。
窓は締め切って、エアコンで温度管理すると安全でしょう。また、飼い主さんが帰宅した際に子猫がドアから外に出ないようにすることも大切です。
子猫は体が小さいので、思わぬ隙間から脱走してしまう可能性があります。
外の世界は危険でいっぱいですし、留守中に脱走するとすぐに対応できません。くれぐれも脱走させないように注意しましょう。
帰宅したら子猫にしてあげたいこと
単独行動が得意とはいえ、飼い主さんのことが大好きな猫は留守番で寂しさを感じているでしょう。帰宅後には、上手に留守番できた子猫をたっぷり褒めてあげたいですね。
環境の変化に弱いタイプの猫の場合、長時間の留守番の後には健康チェックも必要です。
声掛け・スキンシップ
「ただいま~」の声を聞いて走り寄ってくれなくても、愛猫は飼い主さんの帰宅をよろこんでいます。帰宅後には、話しかけたり撫でたりして安心させてあげましょう。
飼い主さんを嗅いでスリスリと体をぶつけてくるのは、猫が自分のニオイを飼い主さんにつけて安心するためと言われています。外の知らないニオイを早く消してしまいたいのでしょう。とてもかわいい習性ですね。
トイレのチェック
帰宅したら、適切に排泄できているかを確認し、トイレの掃除をしましょう。特に1泊2日の留守番の場合、汚れたトイレを使いたくなくて排泄をガマンしていることがあります。
猫は1日にオシッコを2〜4回、ウンチを0~2回するのが一般的です。留守番中はいつもと環境が違うので便秘や下痢になることもありますが、元気そうにしていれば大丈夫です。
オシッコがまったく出ていない場合には、泌尿器系の異常も考えられます。 2〜3日排尿がないだけで命にかかわることがあるため、オシッコの心配がある時には早めに受診しましょう。
フード・水のチェック
帰宅後にはお皿の中をチェックしましょう。
もしフードをあまり食べていない場合には、風味の強いオヤツなどをトッピングするのがおすすめです。空腹が続くと、嘔吐することがあります。
また、水分補給にはウェットフードが役立ちます。留守番中はドライフードしか用意できないので、帰宅後にスープタイプやパテタイプを与えるとよいでしょう。
部屋の様子のチェック
ケージに入れずに子猫を留守番させた場合は、帰宅後に室内をチェックし、いたずらをした形跡がないかを調べましょう。
コードや観葉植物を齧っている場合には、体調の変化に注意が必要です。
また、毛布やオモチャを齧っていないかも調べましょう。
ストレスや欲求不満の多い環境下で、布製のものを吸ったり噛みちぎって飲み込んだりする「ウールサッキング」という問題行動があります。生後8ヵ月以内の子猫に多いので、帰宅後には布製品に穴が開いていないかチェックしてください。
子猫に長期間の留守番をさせる方法
子猫の月齢や留守番の長さによっては、誰かの手を借りる必要があります。
急な帰省や出張などでも対応できるように、日ごろから預け先を考えておきましょう。
親戚や友人に頼む
普段から自宅に招き入れている親戚や友人なら、子猫を頼みやすいでしょう。猫の飼育経験のある方にお願いできれば、安心して留守を任せられますね。
家のカギを預けて子猫のお世話をしてもらうか、親しい人の家に子猫を預けるという形になります。事前に子猫の性格やお世話の注意点などを伝えておきましょう。
かかりつけの動物病院の診察券を渡しておくと、体調不良時にすぐ対応してもらいやすいです。ペット保険に加入している場合には、保険証も用意しておきましょう。
ペットシッターに頼む
猫は環境の変化にとても弱く、ペットホテルが苦手な場合が多いです。自宅にペットシッターを派遣する方がおすすめです。警戒心が強い猫の場合は触れ合いはせずに、必要なお世話だけしてもらえます。
ペットシッターは、地域が限定されていたり猫の年齢制限があったりします。ホームページをよく読んで申込をしましょう。多くの場合、事前にヒアリングや登録が必要です。
動物病院のペットホテルに預ける
動物病院に併設されたペットホテルであれば、体調不良になった場合にも安心です。
ただし、犬と猫が同じフロアで寝泊りする場合も多いため、ストレスが大きいかもしれません。猫専用の動物病院のペットホテルを探してみましょう。
年末年始やお盆などの繁忙期には、予約が取れない可能性もあります。予定が分かっている場合は、早めの予約がおすすめです。
一緒に連れて行く
長期間の帰省には、子猫を連れて帰るという選択肢もあります。自家用車であれば、脱走防止のハーネスやキャリーバッグを活用することで安全に移動できます。
途中でオヤツや水を与えて、空腹や脱水症状にならないように気をつけましょう。携帯用のトイレを用意しておけば、車の中でも排泄ができます。
飛行機や電車での長時間の移動は、子猫には負担が大きいので避けましょう。
【まとめ】子猫の留守番は短時間から!
生後2ヵ月を過ぎて完全に離乳したら、子猫も留守番ができるようになります。月齢に合わせて、少しずつ留守番の時間を長くしていきましょう。
食べ慣れたゴハン・新鮮な水・清潔なトイレ・快適な寝床。これらを用意すれば、安心して出かけられます。エアコンでの室温管理も忘れずにお願いします。
子猫にとっては飼い主さんがいないことを除けば、いつも通りの日常です。帰宅後には「どこか行ってたの??」と、とぼけた顔でお迎えしてくれるでしょう。