
「糖尿病の猫の世話はフルタイムの仕事のようなものです」
イギリス人女性のエマ・デーメンさんは、2023年に飼い猫のウッディが糖尿病と診断され、それ以来ずっと治療と世話を続けている。
44歳の彼女は、ウッディが水を飲み続け、体重が激減したとき、何かがおかしいと気づいたという。
「後ろ足の筋肉がなくなっていて、見るのも恐ろしいほどでした。血液検査をしたら、糖尿病だと言われました。猫の糖尿病なんて聞いたことがなかった」
慈善団体によると、糖尿病は猫の100匹に1匹がかかる可能性があるという。
猫の糖尿病は人間の2型糖尿病のようなもので、体がインスリンに対して抵抗性を持つようになったり、インスリンを分泌できなくなったりする。
症状としては、体重の減少、排尿量の増加、食欲と喉の渇きの増加などがある。糖尿病の猫には、インスリン注射か薬でコントロールする必要がある。
デーメンさんは、ウッディに保険をかけることができないため、ウッディの薬代、特別食代、血液検査代など、月80ポンドにのぼる費用はすべて自腹で支払っている。
「だれも糖尿病の猫が、飼い主の生活に与える影響を理解していないと思います。1日2回、決まった時間に注射を打たないと具合が悪くなるんです。私はスマートウォッチにアラームをセットしているので、それを見逃すことはありません。2023年5月に初めて診断されて以来、一度も夜通しぐっすり眠れたことはありません。子供が3人いるようなものです。でも、彼は家族だから、ほかに方法はないんです」。
猫が糖尿病になる大きな危険因子のひとつは肥満だ。バークシャー州サッチャムにある慈善団体キャッツ・プロテクションは、コロナパンデミック以降、肥満の猫が増加していると話す。
「人々がより多くの時間を猫と一緒に家で過ごすので、ねだられておやつをあげたり、余分な食事を与えたりするのでしょう。今のところ研究はありませんが、太り過ぎの猫が増えたために糖尿病になる猫が増えたと考えられます」と、この慈善団体の動物看護師であるエル・ハタムさんは言う。
糖尿病を放置しておくと、猫にとっては致命的である。
「多くの人は猫が糖尿病になるとは思っていません。糖尿病を治す方法はありませんが、早期の積極的な治療で、猫が寛解するのを見てきました」と話すハタムさん。
もし飼い猫が肥満気味で似たような症状がある場合はすぐに獣医に相談すべきだし、そうでなくても糖尿病にならないよう、普段から食事量や運動に気をつけることが大切だ。