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猫の引っ越しストレスを最小限に!事前準備・当日・新居での対策を解説

引っ越しは私たち人間にとっても一大イベントですが、縄張り意識の強い猫にとっては特に大きな負担がかかるものです。

環境の変化に敏感な猫は、見慣れない光景やニオイ、音に不安を覚え、さまざまなストレス症状を示すことも……。

この記事では、猫のストレスを最小限に抑えるためのポイントを、以下の3段階に分けて解説します。

1.引っ越し前
2.引っ越し当日
3.引っ越し後

万全の準備で、愛猫とのスムーズな引っ越しを実現し、素晴らしい新生活をスタートさせましょう。

引っ越しは猫にとって大きなストレスになる

引っ越しは猫にとって大きなストレスになる

環境が大きく変わる「引っ越し」は、猫にとって大きなストレスになります。

「犬は人につき、猫は家につく」という言葉があるように、猫は縄張り意識が強い生き物です。

自分が暮らしている家や環境に強い愛着を持っており、変化が苦手……。

引っ越しでは見慣れないダンボールや慣れない人の出入り、搬出入の大きな音、そして新しい家の知らないニオイなど、あらゆる要素が猫にとって不安の原因になります。

これらは猫にとって、テリトリーを脅かすものとして、強い警戒心と恐怖を引き起こします。

ストレスが過度になると体調を崩したり、以下のような問題行動につながったりするケースがあるため、注意が必要です。

  • トイレ以外での粗相
  • 隠れて出てこない
  • 飼い主を威嚇する

猫がストレスを感じやすい音については、以下の記事で詳しく解説しています。

【引っ越し前】事前に備えておきたい猫のストレス対策

【引っ越し前】事前に備えておきたい猫のストレス対策

引っ越しによる猫のストレスを軽減できるかどうかは「事前準備の内容」が大きく左右します。

当日になって慌てないよう、1ヶ月〜数週間前から少しずつ備えていきましょう。

ここでは、引っ越し前に必ずやっておきたい3つの対策をご紹介します。

キャリーケースに慣らしておく

引っ越し当日、猫を安全に移動させるためには、あらかじめキャリーケースを「安全で落ち着く場所」だと猫に認識させておくことが重要です。

移動時に必須となるキャリーケースが「怖い場所=動物病院に連れて行かれる箱」というイメージのままだと、猫のストレスが倍増してしまいます。

キャリーケースに慣れさせるには、普段から扉を開けた状態でリビングなどに置き、猫が自由に入れる「居場所の一つ」にしてしまいましょう。

キャリーケースの中にお気に入りのタオルやおもちゃを入れたり、おやつを置いたりするのも効果的です。

決して無理やり押し込むのではなく、猫が自ら入っていくように促すのがポイントです。

日頃からキャリーケースに慣れさせておけば、猫のストレス軽減につながり、引っ越し当日のスムーズな移動が実現します。

動物病院に相談する

引っ越し前に動物病院で健康診断を受け、猫の健康状態をチェックしておきましょう。

環境の変化による強いストレスは、持病の悪化や、これまで気づかなかった病気の発症につながるおそれもあります。

事前に獣医師のアドバイスを受ければ、適切な対策ができ、飼い主自身の不安も軽減できます。

特に持病がある場合や、体調や食欲に気になる変化がある場合は、必ずかかりつけの獣医師に相談しましょう。

必要に応じて移動用の精神安定剤や、ストレス緩和効果のあるフェロモン製剤の使用について確認しておくと安心です。

また、マイクロチップの挿入も検討しておきましょう。万が一脱走した場合でも、発見につながりやすくなります。

猫の愛用品は最後に梱包する

荷造りの際は、猫が普段から使っている愛用品を最後に梱包するよう、段取りを組みましょう。

慣れ親しんだ物に囲まれていれば、周囲がダンボールだらけになっていく中でも、猫は安心感を得られるからです。

猫にとって自分のニオイは、何よりの精神安定剤になります。

いつも使っているベッドや毛布、爪とぎ、おもちゃなどは、引っ越しの直前まで普段通り使えるようにしておきましょう。

梱包する際は、これらのアイテムを一つのダンボールにまとめ「猫グッズ・すぐに開ける」などと大きく書いておくと、新居に到着後すぐに取り出せて便利です。

少しでも長く安心できる環境を維持し、新居での環境づくりをスムーズにするためにも、愛用品の梱包は最後におこないましょう。

【引っ越し当日】荷物の搬出時や移動中の注意点

【引っ越し当日】荷物の搬出時や移動中の注意点

引っ越し当日は、飼い主さんが忙しく立ち回る中で、猫にもさまざまな刺激やストレスがかかります。

ここでは、搬出中の隔離方法から実際の移動時のポイントまで、当日に気を付けるべきポイントを解説します。

搬出中は猫を一つの部屋に隔離or動物病院などに預ける

荷物の搬出中は、猫を安全な一部屋に隔離させましょう。難しい場合は、動物病院やペットホテルなどに一時的に預ける方法もあります。

引っ越し業者や家族の出入りが頻繁にあると、パニックや思わぬ脱走につながる可能性が高まるからです。

隔離場所としては、人の出入りがないお風呂場やトイレ、空き部屋が最適です。

その際、水・トイレ・隠れられるベッドやおもちゃなどを一緒に入れ「猫がいます!開けないでください」という貼り紙をドアの外側に掲示し、業者にも口頭で周知徹底しましょう。

短時間の引っ越しであれば、ケージでも代用できます。

極度に怖がる子の場合は、当日の朝からペットホテルや動物病院に預けるのが最も安全な選択肢です。

猫は最後に運ぶ

旧居から新居へ猫を移動させる際は、すべての荷物の搬出・搬入が終わった後に、飼い主さん自身の手で最後に運ぶのが理想的です。

引っ越し作業中の騒がしさや、見慣れない人の出入りがある中で猫を移動させると、落ち着く場所が見つからず、かえって混乱やストレスを与えてしまいます。

周囲が静かになり、猫が過ごす部屋の準備が整った状態で迎えてあげることで、新居でも安心して過ごし始めるでしょう。

猫を移動させるときの理想的な流れ

1.旧居の荷物搬出
2.新居の荷物搬入
3.新居で猫を迎える部屋の準備
4.飼い主さんが猫を迎えに行き、新居へ移動

引っ越し業者によっては、ペットの輸送サービスを提供している場合もありますが、できるだけ飼い主さん自身が猫に付き添ってあげてください。

猫にとって最も信頼している飼い主さんがそばにいれば、移動中のストレスも軽減されるでしょう。

キャリーバッグの選び方については、以下の記事をご覧ください。

移動中のケアも忘れずに

猫を移動させる際は、猫が少しでも安心して過ごせるよう心掛けましょう。

慣れないキャリーケースに入れられ、揺れる車内にいること自体が猫にとっては大きなストレスです。

飼い主さんの配慮ひとつで、その負担を大きく軽減できます。

キャリーケースはバスタオルなどで覆い、外の景色が見えすぎないようにしてあげると猫は落ち着きやすくなります。

移動中は「大丈夫だよ」「もうすぐ着くからね」とこまめに優しく声をかけて安心させてあげましょう。

特に注意したいのが、車で移動する場合の車内の温度管理です。

夏場は熱中症、冬場は低体温症のリスクがあるため、エアコンで常に快適な室温を保ちましょう。

移動中の細やかな配慮が、猫の体調と気持ちの安定につながります。

【引っ越し後】愛猫へのケアと安心できる環境づくり

【引っ越し後】愛猫へのケアと安心できる環境づくり

引っ越しが無事に終わっても、猫のストレスケアはまだ終わりではありません。

ここからは、猫にとって未知の空間である新居を「安心できる自分の縄張り」だと認識してもらうための大切なステップです。

焦らずじっくりと、愛猫の心に寄り添った環境づくりを進めていきましょう。

新居に慣れるまで猫専用の部屋を1つ用意する

新居に到着したら、いきなり家全体を解放するのではなく、まず一部屋だけを猫専用の「安全避難場所」として確保しましょう。

広くて知らない空間に突然放り出された場合、猫はどこに身を隠せば良いかわからず、パニックに陥ってしまうおそれがあります。

まずは限定された空間から慣れさせて「ここは安全だ」という安心感を与えてあげましょう。

新居に到着したら、愛猫のベッドやおもちゃ、トイレなど、普段から使っている愛用品を一部屋にまとめて設置します。

猫が自ら部屋の外に出たがるまでは、無理に他の部屋に連れて行かず、ゆっくりと猫のペースに合わせて行動を見守りましょう。

こうした配慮が、猫にとって心の拠り所となり、新居にもスムーズに慣れやすくなります。

新居での脱走防止対策をしておく

新居での脱走防止対策をしておく

猫が落ち着きを取り戻し、家の中を歩き回る前に、まず窓や玄関の脱走防止対策を完了させておきましょう。

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猫が新しい環境に慣れていない時期は、ちょっとした刺激にもパニックになりやすく、普段はしないような行動で外に飛び出そうとするリスクが高まるからです。

窓や玄関には脱走防止柵を設置し、すべての開口部をしっかりと閉めておきましょう。

また、引っ越し直後は脱走リスクが最も高いタイミングです。ドアの開閉などは、普段以上に注意を払いましょう。

安全を確保することで、猫も落ち着いて新しい生活をスタートできます。

具体的な脱走防止の対策については、下記の記事で詳しく解説しています。

猫とたくさん遊んで安心感を与えてあげる

引っ越し後は、猫と積極的にコミュニケーションをとり、安心感を与えてあげましょう。

飼い主さんがリラックスして穏やかに接することで、猫も「ここは安全な場所だ」と認識できるようになるからです。

猫壁

また、猫が遊べる空間づくりを行うことで遊びを通じたポジティブな体験が、新居への警戒心や不安の解消につながります。

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ポイントは、無理に抱っこしたり構ったりせず、猫のペースに合わせて接することです。

どうしても不安そうな様子が続く場合は、フェロモン剤などストレス緩和グッズも積極的に活用してみましょう。

このような日々の細やかなケアが、新しい環境での信頼関係を深め、猫の安心につながります。

引っ越し後によく見られる猫のストレス症状と対処法

引っ越し後によく見られる猫のストレス症状と対処法

引っ越し直後は、猫の心身にさまざまなストレス症状が現れる可能性があります。
 

主なストレス症状食欲不振
  • 水を飲まない
  • トイレ以外での粗相
  • 過剰なグルーミング
  • 隠れて出てこない
  • 鳴き続ける
  • 下痢や嘔吐
など

基本的には猫のペースを尊重し、静かに見守ることが大切です。

食事やトイレの場所を見直して落ち着ける配置に変えるのも一つの方法です。

ただし、以下の症状が見られた場合は、すぐに動物病院で診てもらいましょう。

  • 24時間以上絶食・絶水が続いている
  • 血尿や頻尿がある
  • ぐったりして元気がない

早めのケアが、猫の健康と安心を守るポイントです。

猫との引っ越しについてのよくある質問

猫との引っ越しでは、さまざまな疑問や不安がありますよね。そこで、よくある質問や心配なポイントをまとめてご紹介します。

事前に確認しておき、スムーズで安全な引っ越しを実現しましょう。

長距離移動を伴う引っ越しでの注意点は?

長距離移動を伴う場合は、移動前にかかりつけの獣医師に相談し、アドバイスを仰ぎましょう。

移動中は数時間おきに休憩を取り、車内ではこまめに水分補給をさせることが大切です。

シリンジなども有効活用しましょう。

また、猫を絶対に車内へ置き去りにせず、暑さ・寒さ対策も徹底してください。

公共交通機関を利用する場合は、各社のペット規定の内容を事前に確認しておきましょう。

猫が新居に慣れるまでどれくらいかかる?

猫が新居に慣れるまでの期間は、個体差が非常に大きいものです。

数日で新しい家に慣れる猫もいれば、数週間から数ヶ月かかる猫もいます。特に臆病な性格の子ほど時間がかかりがちです。

大切なのは、焦らず猫のペースを尊重し、無理に環境に慣れさせようとしないことです。

長い目で見守り、新しい環境に安心してもらいましょう。

まとめ:準備をしっかりして愛猫の引っ越しストレスを最小限にしよう

猫の引っ越しは、事前準備・当日の対応・引っ越し後のケアのすべてがストレス軽減のカギになります。

事前にしっかり対策をおこない、猫の気持ちに寄り添ったサポートを続けることが重要です。

この記事を参考に、猫との快適な新生活を元気にスタートさせてくださいね!

この記事を書いたペットとの暮らしの専門家
安美 サヨリ
    猫2匹と暮らす二級建築士。
    (キジトラ/男の子)(キジシロ/女の子)




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