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【専門家監修】ベランダドッグランの作り方と注意点|転落防止・犬種別のポイント

「ベランダをドッグランにできないか?」と考える飼い主さんは多いでしょう。

しかし、転落・脱走や近隣トラブルなどリスクを考えると難しいのか?そもそも自宅のベランダにドッグランができる広さはあるのか?

家が賃貸の場合はさらに懸念点も多くなります。

本記事では、ベランダドッグランの作り方注意点犬種別のポイントをなどを解説します。

ベランダにドッグランは作れる?

ベランダにドッグランは作れる?

住んでいる場所によりますが、ベランダにドッグランを作るのは可能です。

ただし、作る前に確認・考慮するべきことがあります。

マンション・アパートなど賃貸の場合は、管理規約契約内容を確認する必要があるでしょう。作って良い場合でも、賃貸は退去時の「原状回復」が大前提になります。

また、振動・音・水はけなども近隣トラブルの原因になりやすいです。

ベランダにドッグランを作る際には「規約上作ってもいいのか」「作った後に起こりがちなトラブルにどう対処するか」ということを考えておきましょう。

ベランダドッグランを作る場合に必要な広さ

ドッグランで愛犬を走らせたりおもちゃで遊んだりするなら、愛犬が走り回れる広さが必要になります。

実際どのくらいのスペースがあるといいのか?以下にまとめました。

  • 小型犬:3〜5平米
  • 中型犬:10平米以上
  • 大型犬:20平米以上

ただし、上記のスペースより狭くても「日光浴の場」として利用することも可能です。

狭いスペースを有効活用できるアイデアは以下の記事を参考にしてみてください。

ベランダにドッグランを作る場合の費用目安

ベランダにドッグランを作るときの費用は、業者への依頼自分でDIYかでかなり差があります。

業者だと安くても20〜30万円。しっかりとしたものを作るなら100万円近くなることもあるでしょう。

飼い主さんがDIYするなら数万〜数十万でもできます。

【飼い主さん自身でDIYする場合の費用目安】

簡易型(人工芝+柵やフェンス):2〜5万円程度
本格型(ウッドデッキ+大型フェンス):10〜30万円以上

用いるアイテムによって費用が変動するため、予算と照らし合わせながら材料を決めていきましょう。

ベランダドッグランの作り方基本ステップ

ベランダドッグランの作り方基本ステップ

ここでは、実際にベランダドッグランを作るときの基本ステップを紹介します。

不要なものを撤去してスペース確保

まずは安全にのびのびと愛犬が動けるスペースの確保が必要です。

倒れそうなもの・割れそうなもの・ぶつかりそうなものは撤去するか、愛犬の届かない場所に移動しましょう。

撤去したものを置いておく物置やスペースがない場合は、柵などで仕切りを作り物置スペースにするのもアイデアの一つです。

ベランダの壁には転落・飛び出し防止のフェンスや柵を設置

ベランダの壁は、ある程度高さがあっても愛犬が飛び越えてしまうリスクはゼロではありません。

壁の高さの目安は小型犬で最低90cm、ジャンプ力があるトイ・プードルやジャック・ラッセル・テリアなどは120cm以上あるといいでしょう。

体高の高い中型・大型犬なら150〜180cmの壁になるようにするのがおすすめです。

また、小型犬は柵の隙間が広いと体が抜ける危険性があります。パワーが強い中型・大型犬だと柵が壊れて飛び出してしまうリスクも考えられます。

あらゆるリスクを想定し、安全面をしっかり考慮したものを設置しましょう。

床材選び

床材選びは愛犬のケガ防止や身体への負担軽減のために重要です。

ドッグランによく使われる床材とその特徴を以下にまとめました。

床材の種類 特徴
天然芝

見た目・柔らかな触り心地・香りなどに自然の心地よさを感じる。クッション性もあり足腰にやさしい。

定期的なメンテナンス(芝刈り・水やり・雑草除去など)が必要。尿などで芝が枯れてしまうこともあるため、少々手間がかかる。

人工芝

合成樹脂で作られており、耐久性が高くお手入れはほとんどいらない。ノミ・ダニなども発生しにくい。

夏場は芝表面が高温になりやすく、火傷のリスクがある。使わないときは断熱シートなどで保護するのがおすすめ。安価なものだとクッション性が低く、年数とともに劣化しやすい。

ウッドチップ

木材を細かく粉砕しチップ状にしたもので、クッション性が高く熱がこもりにくい。排泄をした場合は、猫砂のように一部を取り除いて処理できる。

種類により、トゲが肉球に刺さるリスクやが寄ってきやすい場合がある。ドッグラン全体に使うより、“穴掘りスペース”として一部のみに使うのがおすすめ

真砂土(まさつち)

花崗岩(かこうがん)の風化物でできた砂状のもので、比較的低コストの素材。雑草やぬかるみを防ぐほか、熱がこもりにくく夏場に最適。

土のため、見た目は地味。また、土が足裏や被毛にからまり汚れやすい。ウッドチップのように、ドッグランの中の一部スペースに用いるのがおすすめ。

どの床材も耐久性・クッション性・お手入れのしやすさ・熱のこもりやすさなどそれぞれメリット・デメリットがあります。

愛犬の足腰への負担やお手入れのしやすさなどを考慮しながら選びましょう。

スーパークッションターフ

筆者のおすすめは「スーパークッションターフ」です。

厚さ25mmのクッション性に優れたパネル式の人工芝で、本物の天然芝のような見た目と触り心地が愛犬家に好評。

水はけの良さにも考慮した造りになっています。

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遊具やおもちゃで楽しく過ごせる工夫

トンネル・簡易ハードル・知育玩具など、限られたスペースでも「遊び」を取り入れることで、愛犬が飽きにくく楽しませてあげられます。

アジリティトレーニング用の遊具

例えば、上記のようなアジリティトレーニング用の遊具がおすすめです。

ある程度広さに余裕があるベランダドッグランなら、遊具で思いっきり遊ばせてあげられます。

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EVA樹脂製のリングフリスビー

また、上記のようなEVA樹脂製のリングフリスビーをおもちゃとして使う飼い主さんも多くいます。

噛んでも引っ張っても壊れにくく、水で簡単に洗ってきれいに保てるため、外遊びにおすすめのおもちゃです。

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動きやすさ・安全性を意識した配置を考える

ドッグランに遊具などを設置する際は、愛犬が動きやすい配置を考えてあげましょう。

ベランダに観葉植物や花を置く方もいますが、愛犬にとって有害になる可能性も考える必要があります。

ベランダに置きがちで、実は犬にとって有害な植物を以下にまとめました。

【犬にとって有害な植物】

  • アロエ
  • ユリ
  • スイセン
  • スズラン
  • チューリップ
  • クリスマスローズ
  • アジサイ
  • ツツジ
  • シクラメン
  • アサガオ
  • スミレ
  • パンジー
  • ナンテン
  • ビオラ
  • アイビー
  • ポインセチア

できれば観葉植物や花は設置しないほうがいいかもしれません。

置きたい場合は、愛犬の届かない場所やリードをつけて愛犬の動きを制御できる玄関先などに留めましょう。

より快適なベランダドッグラン作りのアイデア

より快適なベランダドッグラン作りのアイデア

ここでは、ベランダのドッグランをより快適な場所にするためのアイデアを紹介します。

トイレ対策・掃除のしやすさを考える

排泄はドッグランに出る前に室内で済ませるのが一番いいですが、興奮してくるとドッグランでも排泄をする可能性があります。

そんなときにお手入れしやすいベランダドッグランがおすすめ。

掃除しやすい床材だけではなく、水道ホースの設置・お手入れセットの常備なども快適なドッグラン作りのために大切です。

ニオイ対策

愛犬のよだれや排泄物、皮脂のニオイなどが蓄積すると、ベランダが臭う場合もあります。

ベランダドッグランのニオイ対策は以下のような方法がおすすめです。

季節・天候対策

年中快適に使えるように、季節や天候に合わせて対策もしておくといいでしょう。

夏:シェードなどで日陰を作る、床の熱対策
冬:保温マットや風よけ設置
雨対策:排水性のある床材、滑りにくい素材を選ぶ

スタイルシェード

年中使える便利なシェードには「スタイルシェード」がおすすめです。日差しや紫外線が強いときに出して、使わないときにはコンパクトに収納できます。

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【犬種・ライフステージ別】ベランダドッグラン作りのポイント

【犬種・ライフステージ別】ベランダドッグラン作りのポイント

ここでは、犬種やライフステージ別のベランダドッグラン作りのポイントをまとめました。

【小型犬・超小型犬】転落・飛び出しに要注意

体が細い・小さい小型犬や超小型犬は、柵やフェンスの隙間から体が抜けてしまうリスクがあります。

思わぬタイミングで事故につながらないよう、なるべく隙間が小さいフェンスを選ぶようにしましょう。

例えばこちらの目が細かい金網フェンス。隙間が小さく、超小型犬や小型犬の子でも体が抜けにくくなっています。

支柱や結束バンドなどを活用すれば、ベランダの壁を高くすることも可能です。

とくにトイ・プードルのようなジャンプ力のある犬種は、壁を飛び越えてしまうリスクもあります。

高さ120cm以上の壁を作ると安心です。

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【中型犬・大型犬】スペース確保・頑丈なフェンスの設置

安全かつ思いっきり遊べるドッグランには、体の大きさに合わせたスペースが必要です。

中型〜大型犬の子たちが動き回れるドッグランを作るなら、10〜20平米のスペースを確保するといいでしょう。

また、飛び出し対策も大切です。

ガーデンフェンス

上の画像の柵は、ベランダ内の目隠しや庭の装飾に使われるガーデンフェンスです。庭造り以外にも「低い壁を高くする」という用途にも適しています。

飛び出しリスクを減らすために、このようなフェンスを活用して壁を高くする工夫もしておくといいでしょう。

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【子犬・シニア犬】体力に合わせた遊び・滑らない床

1歳未満の子犬は骨や関節が未発達です。成長中の身体を傷めないよう、骨や関節に負担をかけすぎない運動を心がけましょう。

また、シニア犬は足腰に負担がかかりやすいため、床材選びが大切です。足腰への負担が少ないかつ滑りにくい床材を選んであげましょう。

激しい運動よりも短時間で楽しめる軽い遊びやおもちゃで工夫すると安心です。

ベランダにドッグランを作る際の注意点

ベランダにドッグランを作る際の注意点

ここでは、ベランダにドッグランを作る際に注意したいことをまとめました。

賃貸の場合は規約・ルールをあらかじめ確認

賃貸の場合、フェンスや床材の設置が禁止されていないかをあらかじめ確認しておく必要があります。

管理会社によく確認をしましょう。

また、賃貸は退去時の原状回復が大前提です。フェンスや床材の設置が許されていても「原状回復」ができる範囲で行ないましょう。

原状回復ができるように考える

一つ前の項でも解説したように「原状回復できる範囲」というのはドッグラン作りにおいて大切なポイントです。

賃貸に限らず、一軒家の場合でも原状回復ができるドッグランにしておくといいでしょう。

例えば「敷くだけで設置できて簡単に剥がせる床材」「組み立て式で、解体も自分でできる柵やフェンス」などを使うのがおすすめです。

風・騒音対策で近隣トラブルを防ぐ

フェンス・遊具・床材の一部が強風で近所のおうちに飛んで行ってしまう!

なんてことがあれば、大変なトラブルになりかねません。

トラブルの原因にならないように。遊具やフェンスなどは固定が大切です。

重しを置いておく・ピンやアンカーで固定する・遊具は使ったらしまうなどの方法があります。

また、ドッグランで遊ぶときの愛犬の吠え声にも注意しましょう。

愛犬の安全を第一に考える

有害な植物はないか?除草剤・洗剤・殺虫剤などの薬品を近くに置いていないか?

愛犬にとってベランダのドッグランが危険な場所にならないよう、日々心がけておきましょう。

また、フェンスや柵を設置すれば100%安全というわけではありません。結束バンドなどで十分に補強し、定期的にメンテナンスをしましょう。

愛犬が安全に楽しく遊べる空間を作ろう

ベランダにドッグランを作るなら、愛犬が安全に過ごせることが一番大切です。

ある程度のスペースは必要ですが、無理に広く作るよりも安全性と快適さを優先しましょう。

また、住宅の規約や契約内容の確認・同じ建物内に住む人たちや近隣住宅などへの配慮も必要です。

トラブルなく安全で快適な時間が過ごせるよう、この記事が参考になれば幸いです。

この記事を書いたペットとの暮らしの専門家
舘 明奈
    動物看護師統一認定機構認定 動物看護師・ペットケアアドバイザー等多数資格保有
    (パピヨン/男の子)




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