
猫のおしっこの回数は、年齢や飲水量、食事、季節、体調などによって変化します。
そのため大切なのは、平均値だけを見るのではなく、色・量・ニオイ・排尿時の様子など“その子のいつもの状態”と比べることです。
「最近、愛猫のおしっこの回数が増えた気がする」
「いつもより少ないかも」
そんな風に感じて不安になる飼い主さんは多いでしょう。
この記事では、認定動物看護師の資格を持つ筆者が「猫の健康的なおしっこの回数やその他の基準」「回数が多い・少ない原因」「受診の目安」などについて詳しく解説します。
猫のおしっこ回数は1日1〜3回が正常

成猫のおしっこ回数の目安は、1日1〜3回程度が正常です。
しかし、体質や生活環境によって個体差があります。
そのため、平均値だけではなく“その子のいつもの回数”を知っておくことが大切です。
いつものおしっこの回数から急に増えた・急に減ったなどの変化が大きいときには、早めに動物病院へ相談をしましょう。
子猫は成猫より回数が多め
子猫は成猫よりもこまめに排尿する傾向があります。
まだ体の機能が発達途中で、一度に膀胱にためられる尿量も少ないからです。
そのため、成猫の「1日1〜3回」という目安をそのまま当てはめないことが大切です。
子猫のおしっこ回数の目安としては、だいたい1日4〜5回程度だと思っておくといいでしょう。
シニア猫は病気の影響でおしっこ回数が変わることもある
シニア猫では、加齢だけではなく慢性腎臓病や糖尿病などの病気でおしっこの回数が変わることがよくあります。
そのため、日頃からの健康チェックでは、おしっこ回数の増減に加えて“水を飲む量”や“元気・食欲の様子”もよく見ておきましょう。
「年だから仕方ない」で済ませず、異常が続くなら早めの受診をおすすめします。
猫の健康的なおしっこの基準とは?色・量・ニオイのポイント

猫の健康的なおしっこの基準は、回数以外にもチェックすべきポイントがあります。
ここでは「色・量・ニオイ」の3点から解説します。
健康的なおしっこの色は「うすい黄色」
猫が健康なときにするおしっこの色は、うすい黄色です。
健康に異常が起きているときには、おしっこの色にも変化が見られることがあります。代表的なものは以下のとおりです。
【猫のおしっこの色と、よくある病気の関係】
- 濃すぎる黄色:脱水状態
- 赤い・ピンクっぽい:血尿、血色素尿
- にごっている:膀胱炎や尿石症
- 極端に薄い:多尿や腎機能低下状態にある
- キラキラしている:尿中結晶や尿石症
濃すぎる黄色の場合は“脱水状態”であったり、赤い場合は“血尿”であったりなど、おしっこの色は体の不調のヒントになります。
しかし、猫の場合はトイレの猫砂で尿の色が分かりにくい場合もあるため、気付ける範囲で見てあげましょう。
健康的なおしっこの量は「体重1kgあたり1日30~50mL程度」
猫の1日のおしっこの量は、体重1kgあたり約30〜50mL程度が目安です。
たとえば体重4kgの猫なら、1日のおしっこの量は約120〜200mLが目安になります。
しかし、家庭で正確に測るのは難しいため、猫砂のかたまりの大きさや数を目安にするとよいでしょう。
急に大きなかたまりが増えたり、逆に極端に小さい・少ない場合は注意が必要です。
健康的なおしっこのニオイは「強すぎない」
健康的なおしっこにも多少のニオイはあります。
しかし、いつもより強すぎる・ツンとした刺激臭がある・明らかに違和感のあるニオイがするなどの場合は注意が必要です。
脱水・細菌感染・体調不良などが隠れているかもしれません。早めに動物病院で診てもらいましょう。
愛猫の“いつもの状態”を知っておくことが大切
猫のおしっこの状態や回数にも、それぞれ個体差があります。
そのため、一般的な平均よりも普段の回数・色・量との違いを見ることが大切です。
毎日のトイレ掃除が健康チェックにつながるため、トイレ掃除の際には意識して見てあげるといいでしょう。
猫のおしっこ回数が多いときに考えられる原因

ここでは、猫のおしっこの回数が多いときに考えられる原因をまとめました。
飲水量が多い
水をたくさん摂取していると、おしっこの回数が増えることは珍しくありません。
ウェットフードに切り替えたときや、暑い時期に水分を多く摂っているときなどは、一時的におしっこの回数が増えることがあります。
このような場合は体の中に入る水分量が増えているため、自然と尿の回数も増えます。
元気や食欲に変わりがなく他に気になる症状もなければ、最近飲水量が増えているか確かめてみるといいでしょう。
給水機の水の減り具合をチェックしてみてください。
膀胱炎
何度もトイレに行くのに少量しか出ない場合は、膀胱炎を疑う代表的なサインのひとつです。
膀胱炎は主に以下の2種類があります。
|
細菌性膀胱炎 |
細菌感染が原因の膀胱炎 |
|---|---|
|
特発性膀胱炎(FIC) |
はっきりした原因が特定できない膀胱炎で、猫はこれが多い |
おしっこの回数が多いだけではなく、排尿時に痛そうにする・長くしゃがんでいる・血尿が見られるといった場合も注意しましょう。
尿石症などの尿路トラブル
尿石症などの尿路トラブルでも、おしっこの回数が増えることがあります。
これは、尿路に違和感・痛み・炎症などが起こることでおしっこを出しづらくなり、少量ずつ何度も排尿しようとするためです。
トイレに何度も行くのにあまりおしっこが出ていない・いきんでいる・落ち着きがないといった様子が見られる場合は尿路トラブルを疑い、早めに動物病院で診てもらいましょう。
慢性腎臓病や糖尿病などの病気
おしっこの回数が増えていて、なおかつ1回の尿量も多い場合は、慢性腎臓病や糖尿病などの病気が関係していることがあります。
慢性腎臓病や糖尿病の代表的なサインは「多飲多尿」です。特にシニア猫に多く見られます。
「最近よく水を飲むようになった」「猫砂のかたまりが大きい」と感じたときは、体調の変化もあわせて見てみましょう。
ストレスや環境の変化による頻尿・マーキング
猫は、ストレスや環境の変化がきっかけで排尿行動が変わることもあります。
猫は環境の影響を受けやすいため、不安や緊張から何度もトイレに行くように見えることもあるのです。
例えば、以下のようなストレスや環境の変化が当てはまります。
- 引っ越し
- 来客
- 多頭飼育での関係変化
- トイレが汚れている・他の猫のニオイが付いているなど、トイレへの不満
- トイレの大きさが合わない
また、病気による頻尿ではなく、不安や縄張り意識によるマーキングでおしっこの回数が増えたように見える場合もあります。
猫のおしっこ回数が少ないときに考えられる原因

ここでは、猫のおしっこ回数が少ないときに考えられる原因をまとめました。
飲水量が少ない
飲水量が少ないとおしっこの回数も減りがちです。
とくに、冬場やドライフード中心の生活では水分不足になりやすい傾向があります。
また、シニア猫では“加齢”によって動くのがおっくうになり、水飲み場に行く回数が減っていることもあります。
飲水量が少ないと感じたら、フードに水分を含ませる・水分量の多いフードに切り替えるなどして対策してみるといいでしょう。
脱水や体調不良
食欲不振や嘔吐・下痢・発熱などがあると、体の中の水分が失われたり、十分に水分をとれなかったりして、脱水に傾くことがあります。
その影響でおしっこの量や回数が減ります。
このような場合はおしっこの回数だけで判断せず、元気がない・食欲が落ちている・ぐったりしている・口の中が乾いているなど、全身の様子もあわせて確認することが大切です。
体調不良にともなう脱水は早めの対応が必要になります。異常が続くときは早めに動物病院に相談しましょう。
尿道閉塞
尿道が詰まったり、尿路に炎症や結石などのトラブルが起きたりすると、おしっこが出にくくなり、回数が少なく見えることがあります。
特にオス猫に多く、命に関わる緊急事態になることもあるため注意が必要です。
トイレに何度も行くのに出ていない、いきんでいる、苦しそうにしている場合は、できるだけ早く動物病院を受診しましょう。
トイレや環境が合わない・緊張している
猫は、以下のようなストレスや不安がかかる状況でもおしっこの回数が少なくなることがあります。
- トイレの場所が落ち着かない
- 砂の種類やニオイ、箱の形が好みではない
- 汚れていて使いたくない
- 多頭飼いでほかの猫を気にして入りづらい
- 近くの物音や人の出入りで緊張している
愛猫にとって落ち着いてトイレができる環境か?安心して過ごせる環境か?改めて見直してあげるのがおすすめです。
例えば、愛猫のトイレの近くに除菌脱臭機を備え付けてあげるというのもいいでしょう。

おすすめは、サンスター技研株式会社の「QAIS-air- H04A2J」です。
壁掛け式の除菌脱臭機で、光触媒とUV光を使った独自の技術で嫌なニオイを分解してくれます。
静音性にも優れているため、音に敏感な猫ちゃんでも安心して使えます。
気になる方はチェックしてみてください。
猫のおしっこの異常|こんなときは動物病院へ

猫のおしっこの変化には一時的なものもありますが、中には早めの受診が必要なケースもあります。
以下のようなサインや症状が見られたら動物病院で早めに診てもらいましょう。
- おしっこの色が赤い、ピンクっぽい、にごっている
- おしっこの量が急に多くなった、または極端に少ない
- 丸1日近くおしっこが出ていない
- ニオイがいつもより強い、刺激臭がある
- 水を飲む量が急に増えた、または極端に減った
- 何度もトイレに行くのに少量しか出ない
- 長くしゃがんでいるのに出ていない
- 排尿時にいきむ、痛そうに鳴く
- トイレ以外の場所で粗相が増えた
- 元気がない、食欲がない
- 下痢や嘔吐を伴っている
受診時に控えておくと役立つこと
おしっこの回数・量・色・ニオイなどの変化があり、これから愛猫の受診を考えている場合は、以下の内容を控えておくと役立ちます。
- いつから変化したか
- 1日の回数
- 1回の量
- 色やニオイ
- 飲水量
- フード内容
- 排尿時・普段過ごしているときの動画や写真
完璧に分かるようにしておく必要はありません。分かる範囲でチェックしておくといいでしょう。
猫のおしっこ回数に関するよくある質問(FAQ)

ここでは、猫のおしっこ回数に関するよくある質問をまとめました。
猫のおしっこは1日何回が普通ですか?
成猫では1日1〜3回程度が普通とされています。
しかし個体差があるため、いつもの回数との違いを見ておくことが大切です。
また、子猫では膀胱に溜められる尿量が少ないため、おしっこの回数が多くなる場合があります。
猫がおしっこを何回もするのは病気ですか?
一時的に水をたくさん飲んだだけのこともありますが、少量ずつ何度もする、痛そうにする、血尿がある場合は膀胱炎や尿路トラブルの可能性があります。
早めに動物病院で診てもらいましょう。
季節によって猫のおしっこの回数が変わることがありますか?
あります。冬は水を飲む量が減り、おしっこの回数も少なくなる傾向にあります。
ただし、元気や食欲まで落ちている場合は体調不良の可能性もあるため注意しましょう。
猫がおしっこをしていないときはどのくらいで受診すべきですか?
半日〜丸1日近くおしっこが出ていない場合や、何度もトイレに行くのにほとんど出ていない場合は、早めに動物病院を受診しましょう。
とくに、いきんでいる・痛そうに鳴く・落ち着きなく何度もトイレに行く・元気や食欲がないといった様子があるときは緊急性が高いです。
猫のおしっこ回数は“平均”より“いつもとの違い”を見るのが大切
猫のおしっこの回数の目安は成猫で1日1〜3回程度が健康的な状態です。
しかし、年齢や飲水量、食事、季節、体調などによっておしっこの回数は変化します。
大切なのは、平均値だけを見るのではなく、色・量・ニオイ・排尿時の様子も含めて“その子のいつもの状態”と比べることです。
何度もトイレに行くのに出ない・血尿がある・元気や食欲がないという緊急性が高い場合は、できるだけ早めに動物病院へ相談しましょう。

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