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老猫が徘徊する原因と対策|安心して暮らすための環境づくり

愛猫が高齢になり、夜中に鳴きながら家の中をさまよったり、同じ場所をぐるぐる歩き回ったりするなど、これまで見られなかった行動に戸惑っている飼い主さんもいるのではないでしょうか。

これらの行動は、認知症などが原因の「徘徊」と考えられます。

本記事では、二級建築士の筆者が、徘徊行動による対策について、主に環境づくりの視点から解説します。

長年連れ添ってきた大切な愛猫の変化に寄り添いながら、穏やかな老後を過ごすためのヒントになれば幸いです。

老猫が徘徊する主な原因は「認知症」?

老猫が徘徊する主な原因は「認知症」?

老猫が徘徊する主な原因のひとつとして「認知症」が考えられます。

認知機能が低下すると、これまでのように「縄張りを理解して行動する」ことが難しくなり、次のような行動が見られるようになります。

  • 同居猫の縄張りに侵入し、喧嘩などのトラブルが発生する
  • 窓やドアの隙間から脱走してしまう
  • トイレの場所がわからず、ウロウロしてしまう
  • 昼夜の感覚が曖昧になり、夜中に鳴きながら歩き回る

ただし、徘徊の原因は「認知症」だけとは限りません。「身体の痛み」や、視力・聴力といった「感覚器の衰え」が原因の可能性もあります。

たとえば

  • 関節が痛むため、楽な体勢を探して歩き回る
  • 目や耳が不自由になり、心細さから飼い主さんの姿を探し回る

徘徊の原因について安易に自己判断せず、気になる症状が続くときは、まずは獣医師に相談しましょう。

老猫が徘徊し始めたときの対応策

老猫が徘徊し始めたときの対応策

愛猫が徘徊をし始めたら、飼い主さんは不安や戸惑いでいっぱいになるかもしれません。

そんなときだからこそ、慌てずに「原因を探ること」「猫の心に寄り添うこと」から始めましょう。

ここでは、2つの対応策をご紹介します。

動物病院を受診し相談する

愛猫の徘徊に気づいたら、自己判断せずに、まずは動物病院を受診して、獣医師の判断を仰ぐことが重要です。

徘徊の裏には、認知機能の低下だけでなく、他の原因が隠されているかもしれません。徘徊の原因を特定し、適切な治療やケアの方針を決めましょう。

受診の際は、以下の準備をしておくと、診察がスムーズです。

準備すること 内容
徘徊の様子を動画で撮影しておく 口頭で説明するよりも、症状が伝わりやすい
具体的な状況をメモしておく
  • いつから徘徊が始まったか
  • どんなときに徘徊するのか(夜間や留守番中など)
  • 徘徊中はどんな様子なのか(同じ場所を回る、壁に向かうなど)
徘徊以外の変化も伝える
  • 食欲や飲水量の変化
  • 体重の増減
  • 排泄物の状態

これらを記録しておけば、診察の手がかりになります。

ストレスを減らす工夫をする

徘徊行動の背景には「不安」や「ストレス」が隠れていることがあります。

たとえば

  • 家具の移動
  • 家族構成の変化
  • 引越し
など、ちょっとした環境の変化も、老猫にとっては大きな負担に……。

また、認知機能の低下により、今まで慣れ親しんだ環境でも「安心できない」「どこにいるのかわからない」という不安を感じているケースもあるかもしれません。

愛猫が少しでも穏やかに過ごせるよう、日々の暮らしの中で、ストレスを軽減する工夫を取り入れましょう。

安心できる環境づくり
  • 静かで落ち着ける寝床の用意
  • 一人(一匹)で過ごすための隠れ家の確保

猫の習性に合った環境づくりを心がけたいですね。

ほかにも、適度な刺激や、飼い主さんとのコミュニケーションも重要です。

適度な刺激やコミュニケーション
  • 日中に日向ぼっこをさせる
  • 短時間でも優しく撫でてあげる
  • おもちゃに興味を示したときは、一緒に遊んであげる

これらの工夫は、徘徊行動を根本から解決するものではないかもしれませんが、愛猫の心の負担を軽くし、穏やかな時間を取り戻すための大切な一歩になるはずです。
以下の記事も参考にしてみてくださいね。

老猫と飼い主さんが安心できる環境づくり

老猫と飼い主さんが安心できる環境づくり

徘徊する老猫との暮らしでは、愛猫の安全を守るのと同時に、介護する飼い主さんの負担を軽くする“環境づくり”が何よりも重要です。

愛猫がシニア期を迎えたら、これまでの住まいを「老猫仕様」にアップデートしてあげましょう。

ここでは、老猫と飼い主さんがお互いに安心して過ごせる、具体的なアイデアをご紹介します。

思わぬ事故を防ぐための脱走防止対策

思わぬ事故を防ぐための脱走防止対策

徘徊する老猫は、予想外の場所へ移動したり、屋外へ出ていってしまったりするリスクが高まります。

認知機能の低下により「家の内と外」の区別がつきにくくなるためです。

脱走や転落といった思わぬ事故を防ぐためには、確実な脱走防止対策が欠かせません。そこで、脱走防止におすすめなのが「にゃんがーど」です。

猫の特性を徹底的に研究してつくられた「にゃんがーど」は、猫がよじ登れない構造や飛び越えられない高さを実現しています。

突っ張り式で壁や天井を傷つけずに設置できるので、賃貸住宅でも安心です。

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足腰の負担を軽減する床材の工夫

足腰の負担を軽減する床材の工夫

床材には、滑りにくく、老猫の足腰への負担が少ないものを取り入れましょう。

老猫は筋肉が衰え、関節炎などを患っていることも少なくありません。

滑りやすいフローリングは、足腰に大きな負担をかけるだけでなく、転倒によるケガのリスクも伴います。

ペット用に開発された「わんにゃんスマイル畳」は、適度なクッション性があって滑りにくいため、老猫の足腰の負担を軽減し、ケガの予防にもつながります。

キズがつきにくく、お手入れも簡単。“置き畳タイプ”と“敷きこみタイプ”の2つがあるので、用途に合わせて選べるのも嬉しいポイントです。

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トイレや食事場所の増設

徘徊する老猫は、トイレの場所や水飲み場の位置がわからなくなっているケースが多いです。

粗相や脱水を防ぐために、トイレや水飲み場、食事の場所へのアクセスを楽にできるよう、設置場所を増やしましょう。

それぞれのポイントをまとめました。

用途 配置と工夫
トイレ
  • 愛猫が生活する各フロアに最低1つずつ配置
  • 特に、夜間よく過ごす場所の近くに配置
  • 食事場所からは適度に離す
  • トイレは、低い縁で出入りしやすいタイプを選ぶ
  • 滑りにくい素材のトイレマットを敷く
食事や水飲み場
  • 各フロアに、複数設置
  • 食べたり飲んだりしやすい「高さ」と「形状」の器を選ぶ

愛猫の生活動線を考えて、使いやすい場所に配置してあげましょう。

老猫に合わせた寝床の工夫

寝て過ごす時間が長い老猫には、快適に過ごせる寝床づくりが大切です。

寝床が狭すぎたり、移動しづらい場所にあったりすると、負担が増えてしまいます。

暖かくて柔らかいベッドや、身体をしっかり支えられる低めの寝床を用意するなど、工夫をしましょう。

また、足腰の弱い老猫には、段差の少ない場所に寝床を設置するのも重要です。

冬は保温グッズ、夏は通気性に優れた素材を選ぶなど、季節に合わせた快適な寝床環境を整えましょう。

詳しくは、以下の記事でご紹介しています。

ペットカメラで外出中も見守り

ペットカメラで外出中も見守り

仕事などで家を空けがちな場合は、外出先から老猫の様子を確認できる、ペットカメラを導入してはいかがでしょうか?

「HDペットカメラ」は、離れた場所からペットを見守るための高機能カメラです。

動くペットの様子を捉える「自動追尾機能」を搭載しているので、徘徊などで動く愛猫の様子を捉えることも可能。

録画機能を使えば、徘徊のパターンを把握して、獣医師に相談する際の貴重な資料にもなります。

留守中の安心材料としてだけでなく、愛猫のケアプランを立てる上でも、非常に役立つアイテムです。

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飼い主さんの心構えと心のケア

飼い主さんの心構えと心のケア

老猫の介護は長期間に及ぶケースが多く、飼い主さん自身の心身のケアも欠かせません。

ここからは、介護を続けていく上で意識しておきたい「心構え」や、気持ちのケアについてご紹介します。

介護疲れを防ぐ自己ケア

愛おしく大切な愛猫とはいえ、老猫の介護は、睡眠不足や疲労、ストレスの原因になります。

ひとりですべてを抱え込まず、ときには息抜きをしたり、趣味の時間を持ったりして、意識的に心身をリフレッシュさせる時間を作りましょう。

飼い主さんの笑顔が、愛猫にとっての一番の安心につながります。

家族での介護分担

介護はひとりきりで抱え込むと、大きな負担になります。家族がいる場合は、みんなで役割分担を決めて協力し合いましょう。

具体的な役割分担の方法として、次のような例が挙げられます。

  • 時間帯ごとの担当制(朝の餌やり、夜の見守りなど)
  • タスク別の分担(投薬、トイレ掃除、遊び相手など)
  • カレンダーやチェックリストを活用して管理

長期間の介護を乗り切るために、家族みんなで情報共有し「頑張りすぎない介護」を目指しましょう。

ペットロスに備える心の準備

悲しいけれど、必ず訪れるのが「愛猫との別れ」です。

最期を考えるのは辛いですが、愛猫との大切な時間を充実させながら、別れに向けての心の準備も少しずつ進めていきましょう。

毎日「大好きだよ」「いつもありがとう」と声をかけ、たくさん撫でてあげてください。

これまでも、愛猫の写真や動画をたくさん撮影されてきたと思いますが、日常の何気ない一コマを、これからもいっぱい残しておきましょう。

ともに過ごした幸せな記憶が、温かい思い出として、心の支えになってくれるはずです。

まとめ:老猫が過ごしやすい環境を整え、穏やかな時間を

老猫の徘徊行動は“老い”によって引き起こされる自然な現象です。

シニア期特有の行動や変化も、愛猫らしさの一部として受け入れ、一緒にいられる時間を大切に過ごしましょう。

残された時間を、最期まで愛情をもって接することが、長年連れ添った愛猫への最大の贈り物です。

筆者もこの記事を執筆しながら、我が家の猫たちと過ごせる一日一日を大事にしようと、改めて感じました。

この記事を書いたペットとの暮らしの専門家
安美 サヨリ
    猫2匹と暮らす二級建築士。
    (キジトラ/男の子)(キジシロ/女の子)




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