これから犬を迎えたいと考える人にとって、「飼いやすさ」は気になるポイントですよね。犬種によって性格や必要な運動量に違いがあることも多く、飼育経験がない人には向かない犬種も存在します。
この記事では、初心者でも飼いやすい犬種を、小型犬・中型犬・大型犬ごとにご紹介します。さらに、犬種選びのポイントや犬を飼うときの注意点についても解説していますので、愛犬を見つける際の参考にしてください。
小型犬で飼いやすい犬種
体格が小さく見た目も愛らしい小型犬は、ペットの飼育が許可されている集合住宅でも飼いやすいため、人気が高いです。ここでは、初心者でも飼育しやすい小型犬をご紹介します。
不動の人気を誇る「トイ・プードル」
トイ・プードルは全犬種の中でも賢く、フレンドリーな性格が特徴です。しつけがしやすいだけでなく、抜け毛も少なく掃除の手間もかかりません。毛が伸びやすいため月に一度程度のトリミングが必要ですが、さまざまなカットスタイルを楽しめるのも魅力の一つ。運動能力が高いため、毎日の散歩や室内での遊びも大切です。
真っ白で人懐っこい「ビション・フリーゼ」
ビション・フリーゼは、ふわふわとした白い被毛と穏やかな性格から、多くの家庭で愛されている犬種です。子どもや高齢者がいる家庭とも相性が良く、人懐っこく活発な性格をしています。運動も大好きなので、お散歩やお出かけも一緒に楽しめるでしょう。抜け毛が少ないためお掃除が楽な点もメリットですが、長い被毛は絡まりやすいため、毎日のブラッシングが欠かせません。定期的なシャンプーとカットも必要です。
賢く美しい「ヨークシャー・テリア」
ヨークシャー・テリアは、絹のような美しい被毛から「動く宝石」とも呼ばれる犬種です。賢く活発な性格は、子どもたちの遊び相手としても最適で、勇敢さと好奇心旺盛な一面が家族を楽しませてくれます。しつけは少し根気が必要ですが、その分、絆が深まるでしょう。毛が抜けにくいのはメリットですが、毛のお手入れは欠かせません。音に敏感な性格なので、驚かせないように気をつけることも大切です。
短い鼻が愛らしい「パグ」
パグはその短い鼻としわのある愛らしい顔立ちが特徴的で、多くの人に親しまれています。温厚で愛情深い性格は、家族全員に安心感を与え、特に小さな子どもがいる家庭にも向いているでしょう。無駄吠えが少ないため、マンションでも快適に過ごせるでしょう。ただし、換毛期には抜け毛が多くなるため、注意が必要です。また、顔のしわに汚れがたまらないよう、こまめに拭いて清潔に保つ必要があります。
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温厚で愛情深い「キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル」
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは、優雅な見た目と愛情深い性格を持つ犬種です。忠誠心が強く、温厚で社交的な性格は子どもや他のペットともすぐに仲良くなれるでしょう。吠えにくくてしつけがしやすい点も、初めて犬を飼う方には嬉しいポイントです。ただし、心臓や目の病気になりやすい傾向があるため、健康管理には注意が必要です。また、毎日のブラッシングと定期的なトリミングが欠かせません。
中型犬で飼いやすい犬種
小型犬や大型犬に人気が集まりがちですが、中型犬ならではの愛らしい存在感と活発な性格に魅了される方も多いことでしょう。ここでは、中型犬の中でも特に飼いやすい犬種をご紹介します。
賢く従順な「日本スピッツ」
日本スピッツは、その真っ白く愛らしい容姿もさることながら、賢く物覚えが良いため、しつけの手間が少なく初心者にも飼いやすい犬種です。家庭に馴染みやすく、特に子どもや高齢者にも優しい性格を持っています。運動が大好きで、お散歩では活発な性格が発揮されるでしょう。ただし、やや神経質な面があるため、静かで安心できる環境を整えることが大切です。
長い被毛がエレガントな「アメリカン・コッカー・スパニエル」
アメリカン・コッカー・スパニエルは、長い被毛がエレガントで魅力的な犬種です。明るく穏やかな性格を持ち、飼い主に対しても従順で、初めて犬を飼う方におすすめできます。しつけがしやすく、無駄吠えも少ないです。しかし、毎日のブラッシングと定期的なシャンプーが必要で、たれ耳のため耳のケアも重要です。また、寂しがり屋の一面があるため、家族の誰かが長い時間在宅できる家庭が好ましいでしょう。
甘えん坊で物覚えが良い「シェットランド・シープドッグ」
シェットランド・シープドッグは、賢く甘えん坊な性格で、多くの家庭で愛されています。ふわふわの被毛が魅力的で、飼い主に対して愛情深く従順です。比較的大人しい性格ですが、感受性が強く家族以外にはやや人見知りすることがあります。牧羊犬としてのルーツを持つため吠え癖がつきやすいですが、物覚えが良いためしつけはしやすいでしょう。
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大型犬で飼いやすい犬種
体格が大きい大型犬は、運動量も多くお家でも十分なスペースが必要ですが、穏やかな性格で初心者でも飼いやすい犬種が多いです。特に、以下に紹介する大型犬は人懐っこく、優しい犬種とされています。
穏やかで優しい「レトリーバー系」
レトリーバー系の犬種は、穏やかで優しく、多くの人に愛されている犬種です。特にゴールデン・レトリーバーやラブラドール・レトリーバーは家庭犬としてだけでなく、盲導犬や介助犬としても活躍しています。賢く学習能力が高いので、しつけもしやすく、初めて犬を飼う方にも適しています。また、子どもや他のペットとも仲良くできるフレンドリーな性格も魅力の一つです。ただし、必要な運動量が多く、毎日の散歩や遊びの時間が欠かせません。
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美しく温和な「バーニーズ・マウンテン・ドッグ」
バーニーズ・マウンテン・ドッグは、美しい黒・白・茶の光沢ある毛並みと温和な性格で広く親しまれています。飼い主に対して献身的で、家族に対しても優しい性格です。ただし、股関節が弱い傾向があるため、お家のレイアウトには配慮が必要です。家庭内での生活にも適応しやすいため、大型犬の中でも特に飼いやすいとされています。
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犬種選びのポイント
愛犬を迎える際には、ライフスタイルや住環境を考えることが大切です。以下のポイントを考慮しながら、どんな性格や特性を持つ犬種を迎えるべきか、じっくり考えてみましょう。
住まいの環境を考えよう
まず、自宅の住環境を見つめ直してみましょう。例えば、広い庭のある一軒家なら、大型犬や運動が必要な犬種が向いています。体格の大きな犬種でも、自由に走り回れる環境を喜ぶでしょう。一方、マンションや都会の集合住宅に住んでいる場合、周囲への配慮が必要です。騒音やニオイを気にするなら、吠え声が少なくおとなしい犬種が適しています。スペース的に余裕があれば、穏やかな大型犬も選択肢です。
家族構成と時間的余裕を考えよう
家族全員が犬を迎える準備ができているか、日常生活において犬に十分な時間を割けるかを考えましょう。一人暮らしや共働きで家を留守にすることが多い家庭では、そもそも犬を迎えるべきではないかもしれません。おとなしく留守番も得意とされる犬種もいますが、それでも6〜8時間程度が限度です。時間に余裕があり、日中も犬と一緒に過ごせる家庭では、活発な犬種も選択肢になります。特に初めて犬を飼うご家庭には、お手入れが簡単で運動量も少ない犬種が適しているでしょう。
愛犬と一緒に何をしたいのか考えよう
犬を迎える前に、愛犬と一緒にどんなことをしたいのかを考えましょう。例えば、アウトドアで一緒に楽しみたいなら、山や海、川への冒険ができる犬種が向いています。水辺での活動が得意な犬がぴったりです。また、ドッグスポーツに挑戦したいなら、アジリティやディスク競技で活躍する運動能力の高い犬種が向いています。日常的に一緒に出かけたいなら、小型犬が適している場合もあるでしょう。
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初心者が飼う場合、特に注意が必要な犬種の特徴
初心者が犬を飼う際には、しつけが難しい犬種は避けた方が良いでしょう。独立心が強く、指示に従いにくい犬種は、飼育経験のない方には手に負えないことが多いです。また、大型犬や力の強い犬種は、コントロールが難しく、散歩中に引っ張られることがあります。
さらに、警戒心が強く、見知らぬ人や他の動物に対して過敏に反応する犬種も、初心者には難しいとされます。飼うのが難しいとされる犬種は以下の通りです。
- ジャック・ラッセル・テリア
- ボーダー・コリー
- ジャーマン・シェパード・ドッグ
- シベリアン・ハスキー
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犬を飼うときの注意点はある?
愛犬との生活は豊かで楽しいものですが、その一方で責任も伴います。ここでは、犬を飼う際に気をつけたいポイントを説明します。
飼育コストがかかる
犬を飼育するには手間や費用がかかります。食費やトイレシーツなどの消耗品、予防接種や定期健診などの医療費も必要です。犬にとって快適な室温を保つために冷暖房などの光熱費も高くなり、犬種によってはトリミング代もかかります。これらの経費を長期的に負担できるかを検討しましょう。また、予期せぬ医療費も発生する可能性があるため、予備費の確保も重要です。
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トイレを覚えるまでに時間がかかる
犬がトイレを覚えるまでには時間がかかることがあります。特に子犬の場合、トレーニングには忍耐と根気が求められます。カーペットやソファに粗相をされる可能性もありますが、穏やかな気持ちで受け入れてあげる寛大さも必要です。トイレの場所を覚えてもらうには、焦らず、叱らず、適切な方法で教えていくことが大切です。成功した時にはしっかり褒めてあげることで、少しずつ覚えていきます。
毎日のお世話とお散歩が必須
毎日のお世話とお散歩は欠かせません。犬は運動を必要とし、毎日の散歩や遊びが重要です。習慣がない人にとっては、「毎日散歩をする」ということが負担になることもあるかもしれません。そのため、忙しい日常生活の中でも、愛犬に十分な時間を割けるよう体制を整えることが必要です。散歩は運動だけでなく、社会性を養うための大切な時間でもあります。
抜け毛が多い犬種もいる
犬種によっては、抜け毛が多くなることもあります。季節ごとの換毛期には、特に多くの毛が抜けるため、定期的なブラッシングや掃除が欠かせません。アレルギー体質の方は、特に注意が必要です。掃除機や空気清浄機を活用することで、快適な生活環境を保てます。
長時間のお留守番はさせられない
犬は、長時間の留守番には不向きです。社会的な動物であり、孤独はストレスの原因になります。仕事や外出の際には、家族や友人に協力を求めるか、ペットホテルの利用を検討しましょう。また、短い時間でも、ケガや事故につながりそうな危険なものは取り除き、留守番時に安心できる環境を整えることも大切です。
「大切な命を預かる」ということを忘れずに
愛犬は家族の一員であり、その一生を共にするパートナーです。しかし、時には粗相やいたずらをしたり、家族や近隣に迷惑となるような行動を起こすこともあるかもしれません。それでも、飼い主さんとしての責任を果たし、愛情をもって接することで絆が生まれます。犬を迎えることには責任も伴いますが、しっかりとした準備と心構えを持って、犬との新しい生活を楽しんでください。一緒に過ごす時間はかけがえのないものとなるでしょう。