猫は水に濡れるのが苦手で、ドライヤーの大きな音を怖がることも多いです。
愛猫が嫌がっているのに、わざわざシャンプーをする必要があるのかと、疑問に思われる飼い主さんもいらっしゃるでしょう。
結論から言うと、猫にとってシャンプーは必要不可欠なものではありません。
しかし、春と秋の換毛期においては、抜け毛の管理をするのに役立ちます。
この記事では、猫の換毛期の抜け毛対策として役立つシャンプーのやり方と注意点を解説します。
猫の換毛期とは?
換毛期とは、季節に適応するために毛が生え変わる時期のことです。
猫の場合、春と秋(3月頃・11月頃)の年2回あります。
換毛期には通常の10倍以上の毛が抜ける猫もいるそうです。
日照時間と気温の変化による刺激を受けることで、3月頃には夏に適した毛になり始め、11月頃には冬に耐えられる毛になります。
室内飼いの場合、換毛期がはっきりしない猫も見られますが、愛猫と飼い主さんが共に快適に暮らすためには、ブラッシングやシャンプーを適切に行うことが大切です。
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猫にシャンプーは必要?
猫のシャンプーは必須ではなく、怖がりな性格の猫の場合は飼い主さんとの信頼関係が崩れるリスクもあります。
室内で生活をしている限り、無理やりシャンプーをする必要はありません。
しかし、換毛期に行うと抜け毛がたくさん洗い流せるので、毛づくろいで飲み込む毛や部屋に落ちる毛が少なくなるというメリットがあります。
特に、長毛種の抜け毛対策にはシャンプーが効果的です。
また、油分や汚れも落とせるので、べたつきが気になる時やフケが出やすい時にはシャンプーでスッキリできます。
肥満体型で自分で毛づくろいが上手にできない猫にもシャンプーはおすすめです。
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猫のシャンプーのやり方
換毛期の猫にとってメリットのあるシャンプーですが、少なからずストレスをかけてしまう可能性があります。
心身に負担をかけすぎないシャンプーのやり方を知り、安全かつスピーディに行えるようにしましょう。
1. 爪切りをしておく
シャンプーを行う前には、愛猫の爪切りをしておきましょう。爪切り自体がストレスという猫の場合は当日でなくてもいいですが、爪が短い状態でシャンプーを行う方が安全です。
猫の長く伸びた爪はとても鋭く、愛猫にとって強く引っかく気がなくても、飼い主さんをキズつけてしまう可能性があります。
猫は、恐怖・緊張・不安を感じると、噛みついたり引っかいたりします。
大好きな飼い主さんでも攻撃されることがあるため、爪切りで対策しましょう。
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2.ブラッシングをする
シャンプー前には、まずブラッシングをして毛の絡みを取り除くのがおすすめです。お湯やシャンプーがしみると余計に嫌がるので、ブラシで皮ふにキズをつけないように優しく行いましょう。
長毛種は、毛玉や抜け毛をブラッシングで取り除いておくとシャンプーしやすいです。
特に毛が多い猫の場合は、シャンプー前に少しカットしておくと夏場を涼しく過ごすことができます。
頭の後ろや首から始め、背中・腰・シッポと順番にとかしていき、長くても3分程度で終わらせましょう。
3.お湯で濡らす
猫のシャンプーには、人が少しぬるいと感じるくらいの38℃のお湯を使いましょう。急にシャワーをかけると驚くので、シャワーの音に慣れさせてからゆっくり濡らしていくのがおすすめです。
耳にお湯が入らないように注意しながら、頭の後ろから少しずつお湯をかけます。
お腹は飼い主さんの手のひらにシャワーのお湯を当てて、軽くポンポンと叩くように濡らしてください。
小さめのシャワーヘッドを使うと、お湯の飛び散りをコントロールしやすいです。
4.シャンプーで洗う
猫のシャンプーは、猫専用のものを使いましょう。人や犬とは皮ふのpH値が異なるため、人用や犬用のシャンプーは使わないでください。
低刺激で、強い香りがしないシャンプーが推奨されています。
植物由来のアミノ酸系シャンプーがおすすめです。
適量を手に取り、目や耳に泡が入らないように注意しながら、背中・お腹・足に伸ばすようにつけます。
指でマッサージするように優しく洗いましょう。猫の皮ふはとても繊細で、人の赤ちゃんよりも薄いと言われています。
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5.お湯ですすぐ
洗い終わったら、シャンプーが残らないようにしっかりとすすぎます。目や耳に手をかざして、頭の後ろからシャワーをかけます。お腹の泡も忘れず流してください。
お風呂上りに念入りに毛づくろいする猫も多いので、シャンプーが残らないようによくすすぎましょう。
だんだんイライラしてくる猫もいるため、引っかきや噛みつきへの注意が必要です。
シャンプーとリンスを別々にすると時間が長くかかるため、リンス不要のシャンプーを使用すると1段階で済みます。
6.タオルで拭く
泡を流し終わったら、手で毛の水分を軽く絞ります。次に、ドライヤーの時間を短縮するため、タオルでしっかりと拭きましょう。吸水性の良いタオルで拭くのがおすすめです。
我が家では、猫のタオルとしてセームタオルを愛用しています。
セームタオルとは、通常のタオルよりも吸水性が高く、絞れば吸水性が復活するスポンジ製のタオルです。
タオルで愛猫を拭く時は、ゴシゴシこすらず、押さえるようにして水を吸い取りましょう。
7.ドライヤーをする
最後に、ドライヤーでしっかりと乾かして完了です。急に耳元で大きな音がするのを怖がる猫も多いので、まずは少し猫から離れたところでドライヤーのスイッチを入れましょう。
普段から飼い主さんが髪の毛を乾かす時にドライヤーの音を聞かせておくと、慣れやすくなります。
同じ場所を乾かし続けると、ヤケドの心配があります。ドライヤーの温風をまんべんなく当てながら、乾かしましょう。
すぐに乾く暖かい日にシャンプーするのがおすすめです。
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猫のシャンプーの注意点
猫のシャンプーをする時は、頻度やタイミングに注意してください。
そもそも必須ではないシャンプーなので、愛猫にストレスを与えるようなことは避けるようにしましょう。
シャンプーしすぎない
猫にシャンプーをし過ぎると、ストレスや皮ふトラブルの原因となることがあります。短毛種は半年〜1年に1回程度、長毛種は月1回程度が目安です。
水に濡れることやドライヤーの大きな音がとても苦手な猫の場合、シャンプーは不快でしかありません。
汚れが目立つ場合を除いて、積極的にシャンプーしなくても大丈夫です。
長毛種の抜け毛対策としては、サマーカットをするという方法もあります。
暖かい日を選ぶ
寒い日にシャンプーすると体調を崩すこともあります。濡れた毛が乾きやすい暖かい日に行うのがおすすめです。イライラを我慢できる時間が短めな猫の場合、シャンプー後のタオルドライとドライヤーだけでは完全に乾かしきれないこともあります。
日差しの暖かい時間帯であれば、日向で毛づくろいをすることでしっかり乾かすことが可能です。
春と秋の換毛期にシャンプーするのであれば、晴れて暖かい日を選びましょう。
年齢・体調を考慮する
免疫力が低く体温調節が苦手な子猫やシニア猫は、獣医師に相談の上シャンプーするようにしてください。子猫は生後3ヵ月を過ぎて、ワクチン接種が完了してからが目安です。
また、体調の悪い日は避けるようにしましょう。
食欲や排泄、皮ふの状態をよく観察して、普段と違う様子が見られる時はシャンプーは先送りした方が無難です。
下痢などでお尻が汚れた時にシャワーができない場合は、お湯で濡らした布で拭いたり、洗い流し不要の泡シャンプーを使ったりしましょう。
食後は避ける
緊張や興奮をすると、吐き戻す猫もいます。絶食する必要はありませんが、シャンプー直前にたくさんのフードを与えるのは避けましょう。
嫌な記憶を和らげるため、乾かした後に大好きなオヤツをあげるのがおすすめです。
「シャンプーをがんばったら良いことがある」と印象づける効果があると言われています。
シャンプー後すぐにあげないと関連性が学習できないので注意しましょう。
飼い主さんの優しい誉め言葉と笑顔を添えることも大切です。
シャンプーなしで猫のキレイを保つコツ
シャンプーは換毛期の抜け毛対策に役立つものの、やはり水やドライヤーが苦手な猫も多いです。
ストレスを感じさせてまでシャンプーしたくないという飼い主さんもいらっしゃるでしょう。
ここでは、シャンプー以外の方法で愛猫のキレイを保つコツをご紹介します。
ブラッシングする
まず、愛猫の健康と清潔を保つ上で大切なのが、ブラッシングです。ブラッシングをするだけで、血行が促進されたり毛づやが良くなったりします。
長毛種は毎日、短毛種は1週間に2〜3回が目安と言われています。
皮ふをキズつけないように、優しくブラッシングしましょう。
マッサージやコミュニケーションの役割もあり、飼い主さんとの関係性を良くするのにも効果的です。
濡らしたタオルで拭く
シャワーで全身ずぶ濡れにしなくても、ぬるま湯で湿らせたタオルで拭くだけでもキレイになります。顔周りやお尻など、汚れている部分だけ拭くのもおすすめです。汚れがひどい時は、市販の拭き取り用の泡シャンプーやシャンプータオルも便利です。
体力が落ちていたり、調子が悪かったりしてシャンプーができない時でも使うことができます。
汚れを放置すると、毛が絡まったり皮ふトラブルの原因となったりすることもあるので、早めにキレイにしましょう。
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禁煙する
飼い主さんが室内で喫煙すると、タバコの煙が猫の体に付着して汚れます。毛づくろいする時にタバコの成分を飲み込むので、健康にも良くありません。
タバコの煙は、有害物質の粒子を含んで重いため、下の方にたまります。
人の足元で生活する猫は、有害物質に接しやすい環境で暮らしていることになります。
空気清浄機を設置していても、すべての有害物質を取り除けるわけではありません。
愛猫の健康とキレイのため、禁煙するのがおすすめです。
外に出さない
室内で暮らしている猫は、観葉植物の鉢植えをひっくり返したり、ホコリの多い狭い場所に入り込んだりすることを除けば、基本的にひどく汚れることはありません。外を出歩くと、汚れるだけでなく、交通事故や野良猫とのケンカなどの危険があります。
現在は完全室内飼いが推奨されており、外に出さないという家庭が大多数です。
天候に関わらず毎日の散歩が欠かせない犬と違って、室内だけで過ごせば、雨にぬれたり土で汚れたりする心配がありません。
去勢する
未去勢オスの中には、シッポの付け根から脂っぽい分泌物が出やすい猫がいます。分泌物が過剰に出る状態は、皮ふ疾患の1つでスタッドテイルと呼ばれます。
悪化すると細菌感染や出血を伴うので、かゆみや痛みで不快感が増します。
シッポの部分だけ変色していたり、ブラシが通りにくかったりする場合はスタッドテイルかもしれません。
はっきりとした根本原因はわかっておらず、メスや去勢済みのオスにも発生することがありますが、去勢は予防法の1つとして推奨されています。
【まとめ】換毛期にはシャンプーも効果的
完全室内飼いを徹底し、ブラッシングを定期的に行えば、基本的に猫のシャンプーをする必要はありません。
しかし、換毛期の抜け毛対策としては有効です。
天気の良い暖かい日を選んでシャンプーし、ご褒美のオヤツでご機嫌取りするのを忘れないようにしましょう。
頻繁なシャンプーは、愛猫にとってストレスや皮ふトラブルの原因となります。
短毛種は半年〜1年に1回程度、長毛種は月1回程度が目安です。