盲導犬や警察犬などで活躍し、人気の高い「ラブラドール・レトリーバー」。穏やかで飼育しやすい犬種ですが、飼育にはいくつか注意したいポイントがあります。
そこで今回は、ラブラドール・レトリーバーとの暮らしのポイントを解説します。
犬種の特徴や飼い方も詳しく紹介しますので、「ラブラドール・レトリーバーをお迎えしたい」と思っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
ラブラドール・レトリーバーはどんな犬種?
JKCが発表した「2023年(1月~12月)犬種別犬籍登録頭数」によると、ラブラドール・レトリーバーは、15番目に飼育されている頭数が多いことがわかります。大型犬だけで比較すると、ゴールデンレトリーバーの次に飼育頭数が多く、人気が高いといえるでしょう。
ここではラブラドール・レトリーバーの特徴を以下の項目にわけて紹介します。
・大きさ・見た目
・性格
・毛色の種類
・平均寿命
・歴史
ラブラドール・レトリーバーの人気の理由をみていきましょう。
ラブラドール・レトリーバーの大きさ・見た目
ラブラドール・レトリーバーは、骨太でがっしりとした体型の大型犬です。大きさはオスの場合、体高57cm前後・体重29〜36kg、メスは体高55cm前後、体重25〜31kgです。ラブラドール・レトリーバーの見た目の特徴は、垂れた耳と優しい目元です。被毛はダブルコートの短毛です。水中で仕事をしていた歴史があるため、比較的油脂分が多いとされています。しっぽは根元から太く、「カワウソの尾」とも呼ばれています。
ラブラドール・レトリーバーの性格
ラブラドール・レトリーバーは、穏やかでフレンドリーな性格です。初対面の人や動物に対しても攻撃的になることはほとんどなく、誰とでも穏やかに過ごせるでしょう。また、ラブラドール・レトリーバーは、盲導犬や警察犬として活躍する犬種としても知られています。集中力や理解力に長けており、物覚えが早いのが特徴です。人間と一緒に何か作業をすることを好むため、人間を手助けする使役犬として活躍しています。
ラブラドール・レトリーバーの毛色の種類
ラブラドール・レトリーバーの毛色は、ブラック・イエロー・チョコレートの3色です。ブラックは、「黒ラブ」の相性で親しまれています。体や肉球、爪まで全身黒いのが特徴です。イエローは、ラブラドール・レトリーバーの代表的な毛色です。白に近い明るい色から赤に近い濃い色まであり、同じイエローでも色の違いがあります。
チョコレートは、チョコラブと呼ばれることがあります。ブラック、イエローと比べると、日本では比較的珍しい毛色です。
ラブラドール・レトリーバーの平均寿命
ラブラドール・レトリーバーの平均寿命は、10~12歳とされています。大型犬の平均寿命が11.5歳とされており、ラブラドール・レトリーバーの寿命は平均的といえるでしょう。また、ラブラドール・レトリーバーの寿命は、毛色によってやや異なるとされています。チョコレートの毛色の平均寿命は約10.7歳となっており、イエローやブラックと比較するとやや短命といえるでしょう。
ラブラドール・レトリーバーの歴史
ラブラドール・レトリーバーは、カナダのニューファンドランド島で生まれたニューファンドランドが起源といわれています。1820年頃にイギリスの貴族が起源となった犬を連れて帰り、改良を重ねて現在のラブラドール・レトリーバーとなりました。1903年にはイギリスケネルクラブで、1917年にはアメリカンケネルクラブで正式な犬種として認定されています。
泳ぎが得意な犬種で、狩りで撃ち落とされた水鳥を泳いで回収する役割を担っていました。ほかにも船を動かす漁師の手伝いなど、泳ぎが得意なことを活かしてさまざまな仕事をこなしていた歴史がある犬種です。
ラブラドール・レトリーバーの飼い方
ここからは、実際にラブラドール・レトリーバーを飼育する方法を4つの項目にわけて解説します。
・運動
・お手入れ
・しつけ
・食事
ラブラドール・レトリーバーのお迎えを検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
運動
ラブラドール・レトリーバーは、運動量がとても多い犬種です。そのため、毎日朝晩2回の散歩は欠かせません。1回の散歩時間の目安は30~60分です。しかし、散歩だけでは、ラブラドール・レトリーバーに必要な運動量を確保できない可能性があります。ラブラドール・レトリーバーは、運動量が足りないとストレスがたまります。ストレスによって部屋の中で走り回ったり、家具をいたずら噛みしたりと問題行動が出る場合があるため注意しましょう。
散歩だけでは満足できない場合は、ボール遊びや引っ張り遊びなど自由に運動できる時間を作る必要があります。愛犬がストレスをためないように、毎日十分な運動時間を確保しましょう。
自宅の庭でラブラドール・レトリーバーと遊ぶ際には、芝生を敷き詰めることをおすすめします。芝生は適度なクッション性があり、犬のケガを予防できます。以下ではおすすめの人工芝を紹介します。
「株式会社アドヴァングループ スーパークッションターフ」
本物の芝生のような質感が特徴の人工芝です。暑さ25mmのクッションパッドが使われており、弾力性があるのが魅力。愛犬が転倒した場合でもある程度ケガを予防できます。パネル式なので、庭だけでなく屋上やベランダなどにも簡単に施工できます。
以下の記事では、愛犬との遊び方をいくつか紹介しています。ぜひ遊び方の参考にしてみてください。
➤【愛犬のストレス発散に】室内・室外でのおすすめの遊び方!
お手入れ
ラブラドール・レトリーバーは、ダブルコートの被毛をもっています。ダブルコートは、季節の変わり目に換毛期があり、抜け毛が多いのが特徴です。被毛の手入れをしないと、抜け毛が皮膚に付着したままになり、皮膚トラブルの原因となります。そのため皮膚を清潔に保つために、毎日ブラッシングをしましょう。ブラッシングには、ラバーブラシや豚毛ブラシの使用がおすすめです。
抜け毛対策や掃除方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
➤愛犬の抜け毛が多いのはなぜ?犬種による違いや抜け毛対策、掃除方法を解説
また、ラブラドール・レトリーバーは垂れ耳なので、耳掃除も大切です。1日1回はコットンで表面を優しくふきとりましょう。耳の奥まで耳掃除をすると、汚れを押し込んでしまう可能性があります。汚れがひどい場合は、動物病院に相談してみてください。
しつけ
ラブラドール・レトリーバーは、賢くしつけしやすい犬種です。しかし、子犬の頃から適切なしつけをしておかないと、飼い主さんやほかの犬がケガをする恐れがあります。ラブラドール・レトリーバーは成犬になると体重20kg以上になります。成犬のラブラドール・レトリーバーは力が強く、飼い主さんでも制御が難しくなるでしょう。そのため、体の小さい子犬の頃からのしつけが大切です。
子犬のラブラドール・レトリーバーには、やんちゃな一面があり、家具を噛んだり飛びついたりなどをする可能性が高いでしょう。子犬のうちに噛み癖・飛びつき・吠え癖のしつけをしておくことがポイントです。
食事
ラブラドール・レトリーバーは、食いしん坊な犬が多いとされています。そのため、愛犬が欲しがるだけご飯をあげてしまうと、肥満の原因となるため注意が必要です。1日の食事量は、ドッグフードのパッケージに書かれた適正量を参考にしてみてください。犬に必要な栄養素は成長の段階によって異なります。犬に与えるドッグフードは、子犬用・成犬用・シニア用など、年齢に応じて切り替えることも大切です。
ラブラドール・レトリーバーとの暮らしのポイント
ここでは、ラブラドール・レトリーバーと一緒に暮らすうえで、注意したいポイントを紹介します。
・頭を使う遊びを取り入れる
・誤飲事故を予防する
・肥満に注意する
・滑り止め対策をする
・ラブラドール・レトリーバーに多い病気やケガを知っておく
それぞれのポイントについて、詳しくみていきましょう。
頭を使う遊びを取り入れる
ラブラドール・レトリーバーは、人の仕事の手助けをしていた歴史があり、生まれながらに学習能力が高い犬種です。そのため、頭を使った遊びが得意な犬が多いのが特徴です。頭を使った遊びとは、隠したおもちゃやおやつを探させたり、ボールを投げて持ってこさせたりなどの遊びを指します。犬は、体を動かす遊びよりも頭を使った遊びのほうが満足しやすいとされています。
ストレス発散にもつながるので、積極的に頭を使う遊びを取り入れましょう。
以下では、ラブラドール・レトリーバーにおすすめの知育玩具を紹介します。
「inuneru ノーズワークマット 紫スイレン/ヒマワリ/ガーベラ」
マットのすき間におやつを隠し、愛犬が嗅覚を頼りにおやつを見つけ出す知育玩具です。犬にとってニオイを嗅ぐ行為は本能的な行動です。嗅覚を利用して遊べるため、本能を満たすことができストレス発散にもつながります。取り入れやすい知育玩具を探している方におすすめです。
誤飲事故を予防する
ラブラドール・レトリーバーと暮らす際に、一番気をつけなければならないのは誤飲事故です。とくに子犬の頃は、拾い食いをする可能性が高く、注意が必要です。犬の飼育スペースには、犬が飲み込むと危険な物は置かないようにしましょう。たとえば、人間用のおもちゃや小さな部品、電池などは犬が誤飲しやすい物です。
また、愛犬にとって危険な物が多いキッチンには、ゲートなどで仕切ることをおすすめします。
肥満に注意する
ラブラドール・レトリーバーは、食いしん坊なので太りやすい傾向にあります。そのため、肥満にならないように、日頃から体重を管理しておくことが大切です。また、毎日の食事を管理し、運動を実施することも重要です。肥満は、関節や心臓に負担をかけ、病気やケガの原因となります。愛犬に健康で長生きしてもらうためにも、肥満に注意しましょう。
滑り止め対策をする
滑りやすい床は、ラブラドール・レトリーバーの腰や膝に負担がかかる可能性があります。腰や膝に大きな負担がかかると、愛犬が寝たきりになってしまう危険性があります。そのため、滑りやすい床がある場合は、滑り止め対策が必要です。滑り止め対策には、以下のような方法があります。
・敷物を敷く
・フロアコーティングを施す
・クッションフロアに張り替える
・ペット向きの床材に替える
愛犬の飼育スペースが広い場合は、掃除の手間を考えるとフロアコーティングやクッションフロア、ペット向きの床材などの活用がおすすめです。
以下ではおすすめのフロアコーティングを紹介します。
「株式会社COLOR ドッグライフコート プレミアム・ワンLOVEコート」
ワンLOVEコートは、犬の歩きやすいさを考慮して開発されたフロアコーティングです。犬に適したグリップ性があり、ケガや転倒を防止できます。また、キズや汚れ、水、熱から床を守れるのも魅力。耐用年数目安は30年と長く、コストパフォーマンスが高い製品といえるでしょう。
以下の記事では、床の滑り止めアイデアを紹介しています。ぜひチェックしてみてください。
➤愛犬のための「床」滑り止めアイデア!便利グッズもご紹介
ラブラドール・レトリーバーに多い病気やケガを知っておく
ラブラドール・レトリーバーに多い病気やケガは以下のとおりです。・股関節形成不全
・胃捻転
・腫瘍
・外耳炎
股関節形成不全は関節に異常が出て、最悪の場合歩けなくなる病気です。また、胃捻転は大型犬に多い病気で、食後すぐに運動することで発症するケースが多く、最悪の場合、命を落とす危険性があるとされています。
股関節形成不全・胃捻転・外耳炎は、日頃のお世話や室内の環境を整えることで予防できる可能性があります。ラブラドール・レトリーバーに多い病気やケガを知っておき、もしものときに備えることも大切です。
ラブラドール・レトリーバーとの暮らしを始めてみよう
ラブラドール・レトリーバーは、温厚で誰にでも友好的に接することができる大型犬です。盲導犬や警察犬として活躍するほど頭もよく、比較的飼育しやすい犬種とされています。
しかし、ラブラドール・レトリーバーにはやんちゃな一面や食いしん坊の一面もあり、飼育する際には食事の管理やしつけをしっかり行う必要があります。
以下の記事では、大型犬をお迎えする準備について解説しています。これからラブラドール・レトリーバーのお迎えを検討している方はぜひ参考にしてみてください。
➤大型犬を室内飼いするために必要な準備と室内環境