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犬は人間よりも雷が苦手?怖がる理由や対処法、飼い主さんのNG行動について解説

雷の鳴る夜、愛犬が不安に駆られる姿を目にしたことはありませんか?

人間の私たちにとっても雷は圧倒的な自然現象ですが、犬たちにとってはさらに恐怖の対象となり得ます。

 

犬は人間よりも敏感な感覚器官を持っているため、雷に対して、私たちが想像する以上に強い恐怖を感じているかもしれません。

 

この記事では、犬が雷に怯える理由と、その際に飼い主さんが取るべき適切な対応、避けるべき行動についてご紹介します。

愛犬が雷の季節も安心して過ごせるように、雷への恐怖を和らげる方法を把握しておきましょう。

 

犬が雷を怖がる理由

犬が雷を怖がるのには、いくつかの理由があります。ここでは、主な理由として以下の4つについて解説します。

 

野生時代の名残

犬が雷を怖がる理由の一つは、野生の祖先が危険を感じたときに示す本能的な反応の名残だと言われています。

 

野生で生きる動物は、雷のような大きな音が危険信号となり、生存に直結するため、これを避ける反応が進化の過程で身につきました。

 

現代の犬もその遺伝的記憶を引き継いでおり、雷の大きな音やそれに伴う気圧の変化、静電気などを危険と感じ、恐怖を示すのです。

 

この反応は、犬が人間と共に生活するようになっても変わらず、雷が鳴ると不安を感じ、身を守ろうとする本能が働くため、怖がる行動をとるとされています。

 

雷の大きな音や強い光

犬が雷の大きな音や強い光を怖がるのは、これらが突然に、そして予測不可能であることも関係しています。

 

雷の轟音は、犬の敏感な聴覚にとって大きなストレスとなります。

また、雷の閃光は、犬の視覚にも強烈な影響を与えます。

 

これらの刺激は、犬にとって非常に不快であり、危険な出来事が近づいているサインと結びつけられています。

 

そのため、雷が鳴ると、犬は本能的に身を隠し、安全な場所を求める行動をとるのです。

 

気圧の変化

雷が近づくと、気圧が急激に変わります。

犬は気圧の変化を敏感に感じ取り、これが不安や恐怖を引き起こす原因となります。

 

犬の感覚器官は人間よりも発達しており、特に耳は非常に敏感です。

そのため、わずかな気圧の変化も察知し、それが危険の兆候として認識されるのです。

 

気圧の変化は天候の急変を意味し、野生の環境では生存に関わる重要な情報源となります。

そのため、雷の前触れとしての気圧の変化に反応し、怖がる行動を示すのです。

 

人間には感じにくい雷のニオイ(オゾン臭)

雷が発生する際には、空気中の酸素分子が分解し、オゾンが生成されます。

このオゾンには特有の鋭いニオイがあり、人間にはあまり感じられないものですが、犬にとっては強烈なニオイです。

 

オゾンのニオイは「生臭い」「プールで感じる青臭いニオイ」「雷雨の中で感じるニオイ」などと表現されることがあります。

また、自然界でオゾンが多く存在する高原、日差しの強い海岸、森林の空気のニオイなどに似ているとも言われます。

 

犬の嗅覚は人間よりもはるかに発達しており、雷によって生じるオゾンのニオイまでも敏感に察知できるのです。

オゾン臭は、犬にとって不快であり、また、雷や嵐が近づいていることの前兆として認識されるため、恐怖や不安を感じる原因となります。

 

犬が恐怖を感じている時のサイン

犬が雷に恐怖を感じている場合、以下のような行動がみられることがあります。

 
  • その場から逃げようとする
  • 落ち着きがなくなる
  • 隠れようとする
 

これらは、直感的な防御反応で、安全な場所を求める本能から来ています。

 

また、恐怖が強まると、犬は以下のようなサインを示すこともあります。

 
  • 震える
  • シッポが下がる
  • よだれが出る
  • 目を見開く
  • 飼い主さんの呼びかけに反応しない
  • 鳴いたり吠えたりする
  • ご飯を食べなくなる
  • お水を飲まなくなる
  • 失禁
 

震えたり、シッポが下がったり、よだれを垂らしたりする反応は、ストレスや不安が高まっていることを示しています。

また、目を見開いて飼い主さんの呼びかけに反応しない場合、愛犬が周囲の状況に集中しすぎて、通常の呼びかけに耳を貸せない状態にあることを意味します。

 

鳴いたり吠えたりする行動は、不安や恐怖を外に発散させようとする試みで、助けを求めている可能性があります。

食欲がなくなり、ご飯やお水を飲まなくなるのも、心理的な不安が原因です。

最もストレスが高まった状態では、失禁することさえあります。

 

これらのサインは、犬が恐怖を感じていることを示しており、落ち着かせたり安心させたりするための対応が必要です。

 

犬の「雷恐怖症」とは?

犬はそもそも雷が苦手とされていますが、中には「雷恐怖症」と呼ばれる症状を発症する場合もあります。

 

犬の「雷恐怖症」とは、雷が鳴るときに犬が示す過剰な恐怖反応のことを指します。

雷の音・光・振動などに対して極端な恐れや不安を感じ、さまざまな異常行動を示すことがあります。

 

雷恐怖症の原因は、犬が雷の大きな音や光、気圧の変化などに本能的に恐怖を感じることです。

または過去に雷のときに怖い経験をしたことが影響している場合や、飼い主さんの反応から雷を恐れるべきだと学習することもあります。

 

対処方法としては、犬が雷に慣れるようにするトレーニングや、安心できる場所を提供することが挙げられます。

また、飼い主さんが落ち着いて対応することで、犬の恐怖を和らげることも可能です。

 

重度の場合は、サプリメントの摂取や鎮静剤などのお薬の投与を検討することもありますが、これらは獣医師と相談の上で決定することが重要です。

 

雷恐怖症は、犬によって反応の程度に個体差があります。

飼い主さんは、愛犬の行動や体調の変化に注意を払い、必要に応じて専門家の助けを求めることが大切です。

 

愛犬が雷を怖がる場合の対処法

愛犬が雷を怖がる素振りを見せた場合、飼い主さんはどのような対処をすれば良いのでしょうか。

ここでは、以下の3つの方法をご紹介します。

 

落ち着いた態度で接する

愛犬が雷を怖がる場合、飼い主さんが落ち着いた態度で接することは非常に重要です。

 

犬は主人である飼い主さんの感情や行動に敏感です。

飼い主さんが不安や恐怖を示すと、それを感じ取り、自身も不安を感じるようになってしまいます。

 

また、犬は経験から学ぶ能力があり、雷が鳴るたびに飼い主さんが過剰に反応すると、その反応を「雷=恐怖」と結びつけてしまう可能性があります。

 

飼い主さんが落ち着いていれば、犬は安心感を得られ、雷に対する恐怖を和らげることにつながるのです。

 

普段から落ち着かせるコマンドを練習しておく

普段から落ち着かせるコマンドを練習しておくことは、愛犬が雷を怖がる際に役立ちます。

愛犬は飼い主さんの指示に従って落ち着くことを学び、ストレスの多い状況でも安心して過ごせるようになります。

 

特に、雷のような予測不可能な状況で、愛犬が飼い主さんのコマンドに反応して落ち着くことができれば、恐怖を感じる時間が短くなり、安心して過ごすことにつながります。

 

「おすわり」や「待て」などの基本的なコマンドから始め、徐々に「ふせ」などの落ち着かせるコマンドを組み込むと良いでしょう。

 

雷に備え、愛犬に無理をさせない範囲で、練習してみましょう。

 

パニックがひどい場合は動物病院へ

愛犬が雷によってパニックになる場合は、動物病院を受診することをおすすめします。

 

症状が深刻なら、サプリメントの処方や薬物療法で不安を和らげることも一つの方法です。

 

しかし、これらは一時的な解決策であり、雷への恐怖を根本から解消するものではありません。

薬は最終手段として考え、普段から愛犬が安心できる環境を整えることが大切です。

 

住まいでできる愛犬を雷の恐怖から守る工夫

愛犬の雷への恐怖心を、住まいの工夫で和らげることが可能です。

以下の4つの方法の中から、愛犬に適しているものを試してみてください。

 

雨戸やカーテンを閉め、部屋の奥で過ごさせる

雷が鳴ると、多くの犬はその大きな音に怯えます。

家の中で愛犬を落ち着かせるためには、雨戸やカーテンを閉めて外の音を遮ることが有効です。

 

特に、部屋の奥などのなるべく静かな場所で過ごさせることで、雷の音を感じにくくし、愛犬の不安を軽減することにつながります。

 

さらに、防音カーテンなどのアイテムを使用することで、外からの騒音を大幅に減らすことも可能です。

雷の音だけでなく、日常的な外の騒音からも愛犬を守る効果があり、安心して過ごせる空間を作り出すことができます。

 

以下の記事では、防音効果のあるカーテンや遮音性の高いアイテムを紹介していますので、合わせて参考にしてみてください。

 

【防音対策】留守番中の犬が吠える!ご近所の苦情トラブルを防ぐためにできること

 

愛犬が安心できる環境をつくる

愛犬が雷の恐怖を感じないようにするためには、安心できる場所を作ることが大切です。

 

たとえば、普段から愛犬がリラックスできる「隠れ家」を用意してあげましょう。

ベッドの下や棚の隙間など、狭くて暗いスペースは、犬にとって安全な避難所の代わりとなります。

 

また、クレートに柔らかいブランケットをかけて、落ち着ける巣を作るのも効果的です。

ただし、パニックになった時に破壊してしまう恐れがあるため、クレートに閉じ込めず、愛犬が自由に出入りできるようにしておくことが重要です。

 

さらに、お風呂場のような狭い空間もおすすめです。

お風呂場は静電気を逃がす効果があり、万が一の失禁や嘔吐があった場合も掃除がしやすいでしょう。

 

サンダーシャツを利用する

雷の日に愛犬を安心させるためには、アメリカで開発された「サンダーシャツ」という特殊素材のウェアを利用することも有効です。

 

犬の体にフィットし、適度な圧力をかけることで静電気を取り除き、不快感を軽減します。

そのため、雷が鳴る日に着用させると、愛犬が感じる恐怖や不安を和らげることが期待できます。

 

価格は約3,000〜4,000円で、手軽に購入可能です。

サンダーシャツは、愛犬が雷の恐怖を乗り越えるための強い味方となります。

 

飼い主さんが気をつけるべきNG行動

雷が苦手な愛犬を思うあまり、飼い主さんはさまざまな行動を試してみたくなるかもしれません。

しかし、中にはNG行動もあり、良かれと思った行動が、かえって逆効果となる可能性もあるのです。

 

そのため以下の3つのNG行動を知り、愛犬に対して適切な対応ができるようにしましょう。

 

愛犬をなだめる

雷の際に愛犬をなだめることは、意外にもNG行動とされています。

 

犬は経験から学習する動物で、雷が鳴るたびに飼い主さんが特別な注意を払うと「雷=飼い主の愛情」と認識し、雷に対する恐怖反応を強化してしまう可能性があります。

 

そのため、愛犬が雷を怖がっている時には、過度になだめたり、普段と異なる行動を取ることは避けましょう。

 

いつも通りの振る舞いを心掛けることで、愛犬は雷が鳴っても特別な出来事ではないと学び、徐々に落ち着いて過ごせるようになります。

 

狭いところに閉じ込める

愛犬が雷に怯えてパニックになった際、狭い空間に強制的に閉じ込めることは避けるべきです。

 

確かに、閉ざされた空間で落ち着くこともありますが、そのような場所に無理やり閉じ込められると、逆にストレスを感じ、パニック状態が悪化する恐れがあります。

 

さらに、恐怖から逃れようとしてケージを傷つけたり、自分自身にケガを負わせたりする可能性もあります。

 

愛犬に安全な避難場所を提供することは大切ですが、それは愛犬が自由に出入りできる環境であることが重要です。

 

飼い主さん自身が雷を怖がる

雷が鳴るとき、飼い主さん自身が不安や恐怖を示すと、愛犬もそれを感じ取り、不安を増幅させることがあります。

 

犬は感情を敏感に察知するため、飼い主さんが落ち着いていることが、愛犬を安心させる上で非常に重要です。

 

飼い主さんが冷静であれば、愛犬も徐々に雷に対する恐怖を克服していくことができるでしょう。

 

愛犬を雷の恐怖から守ろう

雷の日が来るたびに、愛犬の不安を感じている飼い主さんも多いでしょう。

犬は人間よりも聴覚が敏感で、雷の大きな音に強い恐怖を感じることがあります。

 

愛犬が雷を怖がらないように、まずは落ち着いて対応することが大切です。

飼い主さんが安心している様子を見せることで、愛犬も安心感を得られます。

 

サンダーシャツのようなアイテムを利用したり、隠れ家を作るなどして、愛犬がリラックスできる環境を作ってあげることも有効でしょう。

 

愛犬にとって飼い主さんは最も信頼できる存在です。

その信頼を基に、一緒に雷の恐怖を乗り越えましょう。





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