野良猫をおうちに迎えるまで、最低限やるべきことがあることについてご存知ですか?
現在の猫の飼い方として、安全性を考慮し完全室内飼いが推奨されています。
外の世界で生活していた野良猫をおうちに迎える際、室内で飼うのはかわいそうと思う飼い主さんもいるかもしれません。
外飼いのリスクとして、交通事故に遭ってしまったり、他の野良猫とのグルーミングやケンカで感染症にかかったり、道端に落ちている異物を誤って食べてしまうなど、多くの危険が潜んでいます。
野良猫をおうちに迎えたことがある方、またはこれから迎える予定の方は、ぜひこの記事を参考にしていただきたいです。
【野良猫を家族としておうちに迎えたら、やるべきこと】
野良猫を安全に保護したあと、おうちに迎え入れるための準備が3つあります。
動物病院に受診
可能であれば、保護した当日に動物病院を受診して、健康状態をチェックしてもらいましょう。
また、先住猫がいる場合は野良猫から病気が感染する可能性があるので生活スペースを分ける必要があります。野良猫をゲージにいれて隔離して少しでもお互いのストレスを軽減してあげましょう。
★動物病院で主に当日にできること
- 健康状態のチェック
- ノミ、マダニ、その他の寄生虫の駆虫
身体をチェックしたり、糞便検査にて寄生虫の有無を確認
- 猫エイズウイルス感染症(HIV)、猫白血病ウイルス感染症(FeLV)のチェック
先住猫がいる場合は、この2つのウイルスチェックを必ず行いましょう
結果によっては、先住猫と生活スペースを分けたり、飼育時に注意するべき点があります
- 爪切り
室内飼いになるので、爪は切ってあげましょう
人馴れしていない野良猫だと、お世話時に引っかかれる場合もあります
- 獣医師の判断で必要があれば、追加検査
野良猫の状態によっては、追加の検査が必要になる可能性もあります
飼い猫や地域猫ではないか確認
すでに他の飼い主さんがいる猫や、地域の方がお世話をしている地域猫を野良猫だと思い、保護してしまうことがあります。
人馴れしている子は、特にその可能性がありますので、以下の項目をチェックしておきましょう。
- 首輪の有無
首輪をしていない場合でも、他の飼い主さんが外飼いしているケースや迷い猫で 警察署や保健所に届出が出されているケースも考えられます。
念のため、最寄りの警察署や保健所へ届出がでていないか確認しましょう。
また、迷い猫を探している飼い主さんががSNSで情報を拡散している場合もあります。
- 耳の先端部分を一部をV字にカットしている
※避妊去勢手術済みの証になります
地域猫の場合、耳の先端部分をカットしているのが特徴になります。
もし、地域猫をおうちに迎えたい場合は、地域の方や団体がメインでお世話をし ているので、まずはその方達と相談をしてからおうちに迎える方が今後のトラブルは避けられます。
- 動物病院にて、マイクロチップの確認
マイクロチップとは、小さなカプセル状の形で個体が識別できる迷子札のようなもので15桁の数字が記録されています。それを首の後ろの皮下に挿入します。
マイクロチップ挿入後は、飼い主や動物の情報などの登録手続きを行うことで、迷子や災害などで離れ離れになってしまった時に、身元が証明できる手段になります。
他の飼い主さんの猫や地域猫の場合、マイクロチップが体内に挿入されているか、動物病院で確認してもらいましょう。
飼育できる環境を整える
はじめから野良猫をおうちの中で、フリーにして飼育するのは脱走や異物を謝って食べてしまうなどの危険がともなうので、まずは1〜2週間程度は上下運動できるケージの中で過ごすことが理想的です。
ケージで生活することにより、猫は自分のテリトリーが守られているので、少しずつではありますがおうちの環境や人に慣れることができます。
猫の性格によっては、最初は人に慣れていない子もいるので、静かな場所にケージを設置したり、ケージの上から目隠し用のタオルをかけてあげることもおすすめです。
★ケージ以外に準備するもの
- ごはん
- ごはん皿、水皿または給水器
- トイレ用品一式
- ベッドや毛布
- 爪とぎ
- 環境に慣れてきたら、おもちゃ
【外の生活から、室内飼いになった猫のストレスサインとその対策】
野良猫から室内飼いの猫として、おうちで過ごす際には行動の変化がでてくる可能性があると思いますので、そのサインと対策について解説します。
排尿を我慢してしまう
もともと外の世界で生活していたので、生活環境の変化により排尿を我慢してしまったり、猫用トイレを認識できない子もいたりします。
数日おしっこをしない子もいるので、人の出入りが少なく静かな場所にケージを設置しその中にトイレをいれてあげましょう。
愛猫が猫砂で排尿しない場合は、野良猫時代に排尿した環境を再現してあげるために、外から土をもってきて猫用トイレにいれて排尿を促してあげましょう。
愛猫が排尿を失敗しても、叱ることは逆効果になりますので絶対にしないであげてください。
愛猫がトイレを覚えるには、時間がかかる場合もありますので、諦めずにそっと見守ってあげましょう。
また、数日間全く排尿しない場合は命に関わることもありますので動物病院に受診しましょう。
食欲、活動性の低下
外に比べて活動範囲が限られる家の中。元野良猫にとってはそれがストレスとなることがありますので、慣れてきたら少しずつケージから出しておうちの環境に慣れてもらう練習をしてあげましょう。
最初は、緊張や恐怖心のため食欲や活動性が低下することがあり、心配になることもあるかと思います。
まずは、愛猫にごはんをケージ内であげるようにしましょう。
また、愛猫と遊ぶ時はエリアを限定しておうちの環境に慣れてもらい、徐々に活動範囲を広げてあげましょう。
身を隠したり、ずっと鳴いている
環境の変化により、愛猫が警戒したり落ち着かないときなどは、身を隠してその場から動かない、ずっと鳴いている様子がみられる場合があります。
まずは、人の出入りが少なく薄暗い静かに過ごせる環境にケージを設置し、愛猫の身体が隠れる大きさのボックスやベットなどを入れてあげましょう。
それでも改善しない場合は、ケージの上から目隠し用のタオルをかけてあげたり、少しの間ひとりの時間を与えてあげたりすることも大切になります。
時間をかけてゆっくり様子をみてあげましょう。
また、野良猫の年齢によっては、小さい頃の社会化期に人間に触れ合う機会が少なく、人が怖いと感じているケースもあります。
その場合は、徐々に人に慣れてもらう練習が必要です。
焦らず、愛猫のペースに合わせて手からごはんやおやつをあげたり、身体を撫でたりしながら、コミュニケーションをとってあげましょう。
まとめ
野良猫をおうちに迎えることは、決して簡単なことではありません。
最期まで、責任を持っていっしょに暮らすことができる覚悟があるか、よく考えてから、おうちに迎えてあげましょう。
もともと、外の世界で生活していた野良猫だからこそ、おうちの環境に慣れてもらうまでは多くの時間が必要です。
野良猫によってストレスサインはさまざまですので、それを見逃さずにその都度対策をして様子をみてあげましょう。
この記事を読んでいただき、少しでもおうちの環境に慣れて、お互いに快適な暮らしができたら幸いです。