若い頃に比べ、愛犬のうんちトラブルが増えてきたと感じていませんか?
犬も年を重ねると、排泄に関するトラブルが起こりやすくなります。
「うんちが出ない」「出す場所を間違える」「うんちまみれになる」など、飼い主さんも愛犬も困ってしまうことが多いですよね。
今回は、そんな老犬のうんちトラブルの原因や対策について、詳しく解説します。
愛犬の健康と快適さを守るために、ぜひ参考にしてください。
老犬をうんちまみれにさせないポイント
老犬になると老化や病気によってトイレの場所を間違えたり、うんちに含まれる水分が多くなることでお尻周りの毛がうんちまみれになることがあります。
ここでは、これらを防ぐために注意すべき3つのポイントについてご紹介します。
トイレの環境を見直す
老犬になると足腰の筋力が低下しトイレに行くのが大変になるため、愛犬が行きやすいところをトイレの場所として選ぶことが重要です。
トイレまでスムーズに行くことが難しくなると、うんちを我慢してしまったり、適当な場所で出してしまったりする可能性があります。
そのため、できるだけ愛犬がよく過ごす場所の近くにトイレを設置しましょう。
また、トイレまでの動線に階段や段差などの障害物がないようにしましょう。
排泄のタイミングを把握する
トイレの環境を整えても、老犬は自分でトイレに行くのが難しくなることもあります。
その場合、飼い主さんが排泄のタイミングを把握し、定期的にトイレに誘導することが必要です。
愛犬の排泄サイクルやサインを観察しましょう。
一般的には、食後や運動後、起床時などに排泄をすることが多いです。
また、犬が落ち着きなくなったり、周りをウロウロしたり、トイレの場所に向かったりするときは、トイレに行きたいサインです。
このようなときは、すぐにトイレに連れて行ってあげましょう。
お尻周りの毛をカットする
お尻周りの毛を定期的にカットすることも大切です。
とくに長毛種の犬の場合、お尻周りの毛がうんちで汚れやすくなります。
毛にうんちが付着すると、肌荒れや皮膚炎の原因になることもあります。
また、毛に付いたうんちが部屋に落ちたり、犬が舐めたりすると、衛生的にも問題があります。
トリミングサロンや動物病院でプロにお願いすることもできますが、自宅でカットすることも可能です。
ただし、カットするときは、愛犬の肌を傷つけないように注意しましょう。
老犬をうんちまみれにさせないための対策
ここまでは老犬をうんちまみれにさせないポイントについてご紹介しましたが、具体的にはどのような対策が有効なのでしょうか?
ここでは、以下の3つをご紹介します。
おむつ使う
おむつを使うことで、うんちが漏れるのを防ぐことができます。
しかし、おむつの選び方や使い方には注意が必要です。
愛犬の体型や大きさに合ったおむつを選びましょう。
おむつが大きすぎたり小さすぎたりすると、漏れたり外れたりする可能性があります。
「老犬介護用 おむつ パンツ」や「老犬介護用 おむつ パッド」がおすすめです。
また犬の肌に優しい素材を選び、無香料・無染料のものを選ぶと良いでしょう。
また、おむつをこまめに換えることも重要です。
おむつを長時間付けたままにすると、おむつかぶれや皮膚炎の原因になることがあります。
おむつを換えるときは、犬の肌を清潔に保つためにも、水やぬれタオルで拭いて乾燥させましょう。
愛犬がおむつを外してしまうときは、犬用のおむつカバーやサスペンダーを利用することで、おむつの位置を固定し外れにくくする効果があります。
「老犬介護用 紙おむつ カバー」などのアイテムが役立つでしょう。
うんちがおむつから漏れてしまうことがあれば、2枚重ねにしたり排泄物を吸収するパッドを併用したりすると良いでしょう。
ペットシーツを敷きつめる
ペットシーツを敷きつめることで、うんちがフローリングやカーペットに落ちるのを防げます。
ペットシーツは、高吸収力のあるものを選ぶことで多量のうんちも吸収してくれます。
また、消臭効果があるものを選ぶと、部屋全体の臭い対策にもつながります。
「サラ・シート ウルトラ」などの大きめのシートがおすすめです。
ペットシーツが汚れたままになると、犬の肌や健康に悪影響を及ぼすことがありますので、定期的に交換しましょう。
汚れた部分だけ新しいものに交換すればOKです。
ペットシーツだけでは不十分な場合は、サークルなどで犬の行動範囲を制限することも有効です。
サークルの床には、バスタオルや赤ちゃん用(ペット用)の防水シートを敷くと、洗濯や交換ができるので衛生的にキレイな状態をキープできます。
「トイレの下に敷くマット」などのアイテムも役立つでしょう。
以下の関連記事では、老犬のためのサークルを手作りする方法もご紹介しています。
老犬のぶつかり防止のための部屋づくり!手作りサークルや100均グッズも紹介
プロにまかせる
ペットシッターやケアサービスなどのプロに依頼し、老犬の排泄ケアを任せることで飼い主さんの負担が減ることもあります。
プロにまかせる方法としては、以下の4つがあります。
- 老犬ホームに預ける
- 老犬のデイサービスを利用する
- ペットホテルを利用する
- ペットシッターに頼んで、留守の間のお世話をしてもらう
これらに共通する注意点として、費用や施設の環境、愛犬とスタッフの相性などを事前に確認することが必要です。
また、愛犬が飼い主さんとの別れや環境の変化にストレスを感じることもあるかもしれません。
それぞれのメリットやデメリットを照らし合わせ、慎重に検討しましょう。
老犬がうんちまみれになる原因とは?
老犬がうんちまみれになる原因としては、どのようなことが考えられるのでしょうか?
一般的には、主に以下の5つの理由があります。
認知機能の低下
老犬になると認知機能が低下します。
そうなると、トイレの場所や時間を忘れたり、自制心が失われたりすることがあります。
これは、脳の神経細胞が老化や病気によって減少したり、機能が低下したりすることで起こります。
また認知症の犬は、以前はできていたのに場所を間違えるようになったり、トイレに行くことが嫌になったりすることがあります。
その結果、うんちを我慢できずに出してしまったり、適当な場所で出してしまったりすることがあります。
以下の関連記事では、うんちトラブル以外にも老犬が快適に暮らせるお部屋作りのポイントをご紹介しています。
老犬が快適に暮らせるお部屋作りのポイントとは?手順やおすすめアイテムもご紹介
筋力の低下
年齢を重ねると、全身の筋肉が徐々に衰えていきます。
筋力が低下すると、トイレまでの移動や排泄の制御が困難になることもあります。
これは、筋肉や骨の量が減少したり、関節が硬くなったりすることで起こると言われています。
筋力の低下した老犬はトイレに行くまでのスピードが遅くなったり、うんちを出すときに力が入らなかったりすることがあります。
その結果、うんちを漏らしたり、うんちがお尻に付いたままになったりすることがあります。
内臓の機能低下
老犬になると食べた物の消化や吸収が悪くなり、下痢や便秘になりやすくなります。
これは、内臓の血流が減少したり、内臓の老化や病気によって機能が低下したりすることで起こりやすく、加齢が要因のひとつだと言われています。
内臓の機能が低下すると、食べ物に対する耐性が低くなったり、腸の動きが悪くなったりすることがあります。
その結果、うんちの質や量に変化が起こったり、うんちを出すタイミングが不規則になったりすることがあります。
ストレスや不安
老犬になると退屈や孤独を感じやすくなると言われています。
また、加齢に伴う自分の身体の変化や周囲の環境に対応できなくなり、ストレスや不安を感じることもあるそうです。
ストレスや不安を感じることでトイレに行くのが嫌になったり、トイレの場所や時間にこだわったりすることがあります。
その結果、うんちを出す回数や場所が変わったり、うんちを出すのを我慢したりすることがあります。
食事の内容や量の変化
老犬になると、若い頃の食事と内容や量が変わってくることが多いですよね。
これは年齢に応じてエネルギー消費や栄養素の必要量が変わるためですが、その影響でうんちがゆるくなることもあります。
また、年齢に応じて適切な食事を与えてあげないと、消化や吸収に問題が起こることがあるそうです。
その結果、うんちの質や量に変化が起こったり、うんちを出すタイミングが不規則になったりすることがあります。
愛犬に適したフードを選び、必要な栄養素をバランスよく摂取させることが大切です。
また、水分が不足するとうんちが硬くなり便秘を引き起こす可能性もありますので、十分な水分を与えましょう。
老犬のうんちトラブルのために知っておきたいこと
老犬のうんちトラブルに悩んでいる飼い主さんは少なくありません。
ここでは、飼い主さんが愛犬のために知っておきたいことを3つご紹介します。
老犬がうんちまみれになったときの洗い方は?
うんちまみれになると不快感でストレスを感じたり、放っておくと皮膚炎を起こす可能性があるため、早めに清潔にしてあげましょう。
うんちまみれになったときの洗い方は、以下のとおりです。
- 犬用のシャンプーを使ってゆっくりと汚れを洗い、ぬるま湯でやさしく流します。人間用のシャンプーは、犬の皮膚のpHバランスに合わないので、使用しないでください。
- 強くこすったりすると皮膚を傷つける可能性があるので、柔らかい布やタオルでていねいに拭き、しっかりと乾燥させます。ドライヤーを使う場合は、熱くなりすぎないように注意してください。
- 洗っている最中や洗った後は愛犬に優しく声をかけてあげ、ストレスを感じさせないようにしましょう。
老犬のうんちの回数はどれぐらい?
老犬のうんちの回数は、食事や運動量、体調などによっても異なりますが、一般的には1日1〜3回程度とされます。
回数が少なすぎると便秘、多すぎると下痢のサインです。
回数に急な変化があった場合は、獣医に相談することが大切です。
便の色や形、ニオイなどもチェックしておきましょう。
老犬のうんちが出ないときの出し方は?
老犬のうんちが出ないときは、飼い主さんも心配ですよね。
そんなときは、以下の方法を試してみてください。
- 水分を十分に摂っているか、食事に食物繊維が含まれているか確認し、足りなければ補いましょう。ただし、食物繊維は過剰に与えると逆効果になるので、量には注意しましょう。
- 軽いマッサージもうんちを出すのに効果的です。お腹をやさしく撫でたり、指で円を描いたりして、腸の動きを促します。愛犬が嫌がらないように力を加減してください。
- 上記の方法でも改善しない場合は、動物病院に相談しましょう。また、便秘の原因が他の病気によるものである可能性もあるので、検査を受けることも必要です。
うんちが出ないときは、便秘の可能性も考えられます。
便秘は、水分や食物繊維の不足、運動不足、腸の動きの低下などが原因と言われています。
便秘が続くと、腸内で便が腐敗して毒素を発生させたり、腸の壁を圧迫して破裂したりする危険がありますので、注意しましょう。
おわりに
適切な排泄ケアを行うことで、愛犬の健康や快適さを保つことができます。
この記事では、老犬のうんちまみれになる原因と、それに対処する方法について紹介しました。
愛犬がうんちまみれになるのは、飼い主さんにとっても犬にとっても辛いことです。
しかし、うんちまみれになるのは愛犬の意思とは関係なく、老化や病気によるものがほとんどです。
そのため、飼い主さんは愛犬を責めたり怒ったりせず、優しく対応してあげることが大切です。
ぜひ、この記事を参考に愛犬のうんちトラブルに対応してみてください。
愛犬との日々を大切にし、たくさんの愛情を注いであげましょう。