「柴犬が室内のトイレを使ってくれない」
「外でしか排泄をしないので雨の日が大変」
このような悩みを抱えている柴犬の飼い主さまは多いのではないでしょうか。成犬でも根気よくトレーニングに取り組めば、室内のトイレで排泄ができるようになります。
今回は、
- 柴犬が室内のトイレを使わない理由
- 子犬・成犬別のトイレトレーニングの方法
- トイレトレーニングの注意点
など、これから「柴犬のトイレトレーニングに取り組む方」に向けて解説します。
なぜ室内でトイレをさせた方がいいの?
外で排泄することに強いこだわりがある柴犬は、雨の日や雪の日、猛暑日などでも、外に連れ出す必要があります。天候に関係なく外出するのは、飼い主にとっても犬にとっても負担となります。
また、愛犬が年をとってきて、足腰が弱ってきてうまく立てない場合、外に連れ出すのが難しいこともあるでしょう。室内のトイレで排泄ができると、介護のときに役立ちます。
さらに、長時間のお留守番のときには、犬は外に出ることができません。飼い主が帰ってくるまでトイレを我慢することになり、膀胱炎などの病気につながる可能性があります。愛犬の健康を守るためにも、室内のトイレを使えるようになった方がよいでしょう。
柴犬が室内のトイレを使わない理由
柴犬が室内のトイレを使用しないときは、以下のような4つの理由が考えられます。
- きれい好きな性格をしている
- 散歩のときに排泄することが習慣化している
- トイレトレーニングで嫌な経験をした
- トイレを設置している環境が悪い
順番に解説していきます。
きれい好きな性格をしている
柴犬をはじめとした日本犬は、きれい好きな性格をしています。犬はもともときれい好きですが、日本犬はほかの犬種よりも、自分の生活スペースを汚したくないという考えが強い傾向にあります。
柴犬がきれい好きな性格をしているのは、外敵から身を守るためだといわれています。野生化では、自分の寝床の周辺に排せつ物をそのまま放置すると、ニオイを嗅ぎつけた外敵に狙われる危険性が高くなります。
猟犬として働いていた歴史のある柴犬は、犬本来の習性が強く残っていると考えられており、室内のトイレを使用しないケースがあります。
散歩のときに排泄することが習慣化している
子犬の頃は室内でトイレできていたけれど、散歩に行くようになってから室内でできなくなることはよくあります。散歩に行ったときにほかの犬のおしっこのニオイを嗅ぐと、本能的に排泄が誘発されます。とくに縄張り意識の強い犬は、外でマーキングをするため、室内で排泄しないケースが多いようです。
また、散歩で通る道に、お気に入りの排泄スポットがある犬もいます。そのような犬は、お気に入りの場所でトイレをしたいという気持ちが強く、室内で我慢するようになる可能性があります。
トイレトレーニングで嫌な経験をした
子犬の頃、トイレ以外で排泄した愛犬を叱った経験はありませんか? トイレの失敗を叱ると、犬は「おしっこをしたから叱られた」と勘違いし、飼い主が見ているところでは排泄をしなくなることがあります。
トイレ以外の場所で排泄した場合は、速やかにニオイが残らないように掃除することが大切です。こちらの記事では、おしっこを失敗してしまったときの掃除方法を紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
➤犬のおしっこのにおいを消すには?フローリングやカーペットの掃除方法をご紹介
トイレを設置している環境が悪い
トイレを設置している場所が気に入らない場合や、トイレ自体が好きじゃない場合は、室内のトイレを使用しない可能性があります。
犬は、人目がなく静かな環境で排泄をする傾向があります。落ち着かない場所にトイレがあると、トイレ以外の場所で排泄をしてしまったり、室内で我慢したりするようになるでしょう。
また、犬は排泄をするときに、くるくるとその場で回転する習性があり、トイレトレーが小さすぎるとはみ出ることもあります。足裏の感覚に敏感な犬は、メッシュカバーが付いたトイレトレーを嫌がることもあるようです。
室内にトイレを設置する際のポイント
上記では、トイレを設置している環境が悪いと、柴犬が室内で排泄しなくなる可能性があることを紹介しました。では、室内のトイレは、どのような環境に設置すればよいのでしょうか。室内にトイレを設置するポイントは、以下の通りです。
- 寝床やケージから離れた場所に設置する
- 静かで落ち着く環境に設置する
- 柴犬の体のサイズに合ったトイレを用意する
寝床やケージから離れた場所に設置する
さきほど説明した通り、柴犬は、野生で暮らしていたときの習性である、寝床をきれいに保つという本能が強く残っています。そのため、寝床やケージなどの近くでは、排泄をしない可能性があります。
とくに、ケージの中に設置してあるトイレでは、排泄しないケースが多いでしょう。室内のトイレは、できる限り寝床やケージから離れた場所に設置する必要があります。
日中の留守番時に、ケージで過ごす柴犬には、寝床とトイレとの間に仕切りがあるケージをおすすめします。柴犬におすすめのケージは、こちらの記事でも紹介しています。
➤室内飼いの柴犬にはケージが必要!柴犬におすすめのケージもご紹介
静かで落ち着く環境に設置する
犬は、人目がなく静かな場所で排泄をすることを好みます。そのため、にぎやかな場所にトイレを設置すると、使わなくなる可能性が高いといえます。例えば、玄関やリビングの中央、人の往来が多い廊下などは、トイレの設置を避けた方がよいでしょう。
室内のトイレは、リビングのデッドスペースや、廊下のはしなどに設置することをおすすめします。また、開けた場所にトイレを置く場合は、トイレ周辺に仕切りを設置するなど、落ち着ける環境を作ってあげることが重要です。
こちらの記事では、リビングにトイレを設置する際のポイントを紹介していますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
➤リビングに犬のトイレを設置するポイント!便利グッズもご紹介
柴犬の体のサイズに合ったトイレを用意する
トイレトレーが小さすぎる、またはトイレを設置しているスペース自体が狭すぎる場合、外でトイレをしたがるようになる可能性があります。
犬は、排泄時にその場でくるくると回り、排泄場所を決める習性があります。ある程度動きまわれるスペースがないと、排泄ができないことがあります。
また、小さすぎるトイレは、愛犬が成功したつもりでも、トイレから外れてしまうこともあるので、トイレトレーのサイズ選びには注意が必要です。愛犬の体より一回り大きいサイズを選ぶようにしましょう。
ここでは、柴犬におすすめのトイレトレーを2つ紹介します。
シンプルでスタイリッシュなデザインが魅力のトイレトレーです。余計な色が付いていないので、部屋の中で目立つことはありません。低床式を採用しており、段差がないため、子犬からシニア犬まで幅広い年齢で使用できます。大型犬も使用できる大きさなので、トイレトレーニングを始めたばかりの柴犬におすすめです。
汚れがたまりにくく、お手入れが簡単なトイレトレーです。メッシュの周りにすき間がないため、汚れにくい仕様になっています。丸洗いもできるため、掃除も簡単です。ゴム脚が付いており、犬が動きまわってもずれにくいのがポイントです。こちらはトイレトレーニングがある程度できるようになった柴犬におすすめです。
【子犬・成犬別】室内のトイレトレーニングの方法
室内のトイレを設置する環境が整ったら、いよいよトイレトレーニングを実施していきます。
ここでは、トイレトレーニングの方法を子犬と成犬にわけて紹介します。
子犬の場合
子犬は、家に迎え入れた当日からトイレトレーニングを開始します。トイレをサークルなどで囲っておくことをおすすめします。
まだトイレがどこにあるかも把握できていないため、始めは子犬の排泄のタイミングに合わせて、飼い主がトイレに連れていきます。トイレで排泄ができるまで待ち、できたらよく褒めてあげましょう。
子犬がよく排泄をするタイミングは、食後、寝起き、運動後などです。また、子犬が床のニオイを嗅いで歩き回っていたり、しっぽを追いかけまわしたりなどの行動がみられたら、排泄をする可能性があります。できるだけ部屋の中で失敗しないように、飼い主のサポートが大切です。
排泄のタイミングでトイレに連れていき、できたら褒めるを繰り返すと、子犬が自主的にトイレに行くようになります。トイレの場所を覚えてきたら、囲いを外してもよいでしょう。
成犬の場合
成犬は、これまで外で排泄する習慣が染みついているので、子犬よりもトイレトレーニングに時間がかかります。
まずは、犬にトイレシーツの感触を覚えてもらいます。ベランダや庭など、外に近い場所にトイレシーツを設置して排泄させます。もしお気に入りの排泄スポットがあるようであれば、そのスポットまでトイレシーツを持っていく方法でもよいでしょう。
トイレシーツの上で排泄ができたら、おやつをあげるなどしておおげさなくらいに褒めます。これを繰り返すことで、排泄をするときは、トイレシーツの上でするという習慣が身に付きます。
トイレシーツの上で排泄ができるようになったら、室内のトイレシーツの上でも排泄をさせます。一気に室内のトイレに誘導するのが難しい場合は、庭、玄関、廊下と徐々にトイレの場所を室内に近づけていく方法がおすすめです。
外で排泄する習慣がある柴犬のトイレトレーニングは、かなり根気が必要です。成功したときには、たくさん褒めて、根気強く練習を続けていきましょう。
トイレトレーニング中の注意点
トイレトレーニングを成功させるためには、以下のポイントに注意することが重要です。
- 失敗しても叱らない
- 散歩前に室内で排泄する習慣をつける
- トレーニングは毎日行う
- 焦らない
犬の年齢に関係なく、トイレトレーニングを実施することは可能です。「なんとか愛犬に室内のトイレを使って欲しい」と考えている方は、これらの注意点を守って、挑戦してみてください。
失敗しても叱らない
犬がトイレ以外の場所で排泄をしても、叱らないことが大切です。「柴犬が室内のトイレを使わない理由」でも紹介した通り、トイレの失敗を叱ると、犬は「おしっこをすると嫌なことがある」と学習し、飼い主が見ているところでは排泄をしなくなる可能性があります。
飼い主が見えないところで排泄をするようになると、余計にトイレの失敗が増えてしまう恐れがあるため、トイレトレーニング中は叱らないように注意しましょう。
散歩前に室内で排泄する習慣をつける
トイレトレーニング中は、室内のトイレで排泄をしてから散歩に出かけるのを習慣づけることをおすすめします。とくに、散歩に出るようになって、室内のトイレを使わなくなった犬に、この方法は効果的です。始めは排泄するまで時間がかかる可能性がありますが、「排泄したら散歩に行ける」と学習すると、スムーズに室内のトイレで排泄できるようになります。
室内のトイレで排泄できたら、おおげさなくらいしっかり褒めることも重要です。
トレーニングは毎日行う
トイレトレーニングは、毎日継続して行うことが成功への近道です。トイレトレーニングをしない日が続くと、これまで教えてきたことを犬が忘れてしまう可能性があります。
また、トイレトレーニングは、家族全員同じ方法で行う必要があります。トレーニング方法に一貫性がないと、犬が混乱する原因となります。トイレトレーニングを始める前に、しっかり家族と話し合って、方法を決めておきましょう。
焦らない
トイレトレーニングは、犬に教えてすぐにできるようになることはありません。とくに柴犬は、頑固な一面もあるため、室内のトイレを使えるようになるまでは、かなり時間がかかると考えてよいでしょう。
また、トイレトレーニング中には、昨日まで完璧にトイレでできていたのに、今日は失敗が続いているなどと、成功と失敗に波があることがあります。長期間かかるものと割り切って、愛犬に根気強く向き合いながら取り組みましょう。
室内のトイレが使えるように練習しましょう!
柴犬は、寝床の近くで排泄をしないという野生の本能が強く残っており、生活スペースである室内で排泄しない可能性があります。外で排泄する習慣が付いていると、室内のトイレが使えるようになるまでは、かなり時間がかかります。
トイレトレーニングを行う際には、排泄を失敗しても犬を叱らないことが大切です。排泄に対して悪いイメージを愛犬が持ってしまうと、飼い主が見ているところでは排泄をしなくなるため、注意が必要です。
柴犬を室内飼育する際のポイントは、こちらの記事で紹介しています。柴犬をお迎えする予定がある方は、ぜひチェックしてみてください。
➤柴犬をお迎えしたい!柴犬の特徴や性格、室内飼いのグッズ解説