犬は定期的なシャンプーが必要な動物なので、できれば自宅でシャンプーをしたいと考えている飼い主さんもいるのではないでしょうか。しかし、愛犬がお風呂を嫌がり、自宅でできる状態ではないとお困りの方もいるでしょう。
この記事では、
・愛犬をお風呂に慣らす方法
・お風呂を手早くすませるコツ
・愛犬がお風呂を嫌いな理由
など、
「お風呂嫌いな愛犬を自宅でシャンプーする方法」について詳しく解説します。
お風呂嫌いな愛犬を慣らす方法
お風呂が苦手な犬を自宅でシャンプーするには、お風呂に慣れてもらう必要があります。ここでは、お風呂嫌いな愛犬を慣らす方法を4つ紹介します。
足先から濡らす
お風呂場に入って、すぐにシャワーで顔に水をかけられると犬は驚いてしまいます。犬が驚いて暴れると、鼻や口などに水が入り、ますますパニックを起こす可能性があります。犬の体を濡らすときは、先に後ろ足やお尻を濡らし、怖がっていないようであれば、背中・胸・頭と徐々に前方に移動しましょう。
もし、愛犬がシャワーの音を怖がっている場合は、シャワーのヘッド部分にタオルを巻いて、音が出ないようにすることをおすすめします。
鼻や耳にお湯が入らないようにする
犬は、人間と同様に鼻や耳に水が入ると痛みを感じます。一度でも、鼻や耳に水が入った経験がある犬は、その痛みを覚えているため、顔周りが濡れることを嫌がります。顔周りをシャワーで流す際には、犬の顔を上に向け、垂れてきた水が鼻や耳に入るのを防ぎましょう。
また、顔周りを嫌がって、シャワーで流せないときは、スポンジやタオルなどの使用がおすすめです。スポンジやタオルに水分を含ませて、犬の顔を拭くようにして使用します。スポンジやタオルを使うときも、多少の水分は垂れてくるので、鼻や耳に水が入らないように、犬の顔を上に向けましょう。
優しく声掛けを行う
お風呂嫌いな犬は、どうしてもシャンプー中に嫌がって暴れてしまうことがあります。愛犬が暴れているときに、動けないように飼い主が押さえつけると、余計に暴れて、手が付けられなくなる可能性があります。愛犬が暴れてしまったら、優しく声をかけて落ち着くまで待つことがポイントです。
また、最後までシャンプーができたら、しっかり褒めてあげましょう。シャンプー後の特別なご褒美も用意してあげると良いかもしれませんね。
手早く終わらせる
お風呂が苦手な犬にとって、シャンプーの時間はストレスを感じ、体力を消耗します。特に、老犬や子犬の場合、体力があまりないため、長時間のシャンプーで体調を崩す可能性があります。
また、シャンプー中に大人しくできる犬でも、長時間のシャンプーは我慢ができず、暴れ出すこともあります。愛犬のために、シャンプーはできるだけ手早く終わらせましょう。
シャンプーを手早く終わらせるコツ
先述したように、なるべく早めにシャンプーを終わらせるのがポイントです。しかし、愛犬が暴れたり、汚れが多かったりすると時間がかかり、手早く終わらせるのが難しいと思っている飼い主さんは多いのではないでしょうか。ここでは、シャンプーを手早く終わらせるコツを5つ紹介します。
シャンプー前にブラッシングを行う
シャンプーをする前にブラッシングをしておくと、抜け毛を除去できて、時間短縮につながります。抜け毛を除去すると、被毛を濡らす時間や、ドライヤーで乾かす時間を短くできます。
また毛玉ができている場合、濡れると固まってしまい、シャンプー後にほぐすことが難しくなります。ガチガチに固まった毛玉は、犬の皮膚を引っ張り、愛犬が痛みを感じる可能性もあります。そのため、シャンプー前にブラッシングでほぐして、毛玉を除去しておくことが大切です。
たっぷりの泡で洗う
シャンプー時間を短縮するには、シャンプーをしっかり泡立ててから使用しましょう。シャンプーを泡立てると、泡が犬の体の汚れを包み込んで浮かせるため、しっかりと汚れを洗い流すことができます。また泡で洗った方が、原液で洗うよりも洗い流す時間を短縮できるのもメリットです。
シャンプーは、シャンプー剤を洗面器などの深めの容器にうつし、シャワーでお湯を入れると泡立ちます。足先や、お尻周りなど汚れがひどい部分は、シャンプーの原液でしっかり洗いましょう。
トリートメントは薄めて使う
シャンプーの仕上げに使うトリートメントは、原液を薄めて使用した方が効率的です。トリートメントを原液のまま使用すると、すすぎ洗いに時間がかかります。
犬のトリートメントの種類によっては、原液を希釈して使用することを推奨しているものもあります。トリートメントの種類によりますが、だいたい10倍くらいになるようにお湯で希釈しましょう。
しっかりタオルドライをする
トリートメントのすすぎ洗いまで終わったら、ドライヤーで乾かす前にしっかりタオルで水分を拭きとりましょう。タオルでしっかり水分を拭きとると、ドライヤーで乾かす時間を短縮できます。
特に足先や顔周りなど、犬が風の当たるのを嫌がる箇所を中心にタオルドライを行います。毛があまり密集していない部分は、タオルで拭くだけで地肌が乾き、他の箇所をドライヤーしている間に完全に乾きます。時間短縮には、タオルドライに時間をかけることがポイントです。
乾かすときにブラシを使用する
ドライヤーで乾かすときに、ブラッシングをしながら乾かすと時間短縮できます。ブラッシングをすると、被毛の根元まで乾かすことができるので、長毛の犬でも効率よくドライヤーが可能です。
ドライヤー中のブラッシングは、毛の流れに逆らって行うとより乾燥が早くなります。風を当てながらブラッシングするので、犬の皮膚の様子が確認でき、愛犬の健康管理にもつながります。
シャンプーの注意点
犬のシャンプーを行う際には、効率よく行うことも大事ですが、正しい方法でシャンプーすることも大切です。
ここでは、犬のシャンプーをするときの注意点を4つ紹介します。
必ず犬用のシャンプーを使用する
犬のシャンプーをするときは、必ず犬用のシャンプーを使用しましょう。人間用のシャンプーは犬にとって刺激が強すぎるため、皮膚トラブルの原因になります。
また、犬用のシャンプーには、被毛ケアや敏感肌用などさまざまな種類があります。犬の皮膚状態によっては、動物病院で薬用のシャンプーを処方される場合もあります。愛犬の皮膚に合ったシャンプーを選ぶことが重要です。
皮膚まで泡が届くように洗う
犬の被毛は、皮脂によってコーティングされており、水をはじきやすい構造をしています。そのため、表面は濡れているように見えても地肌は濡れていない場合があります。特に長毛の犬は、注意が必要です。地肌に付着した皮脂汚れなどをとるためには、皮膚までしっかり泡を浸透させましょう。
ただし、犬の皮膚は人間の3分の1ほどの厚さしかなく、外部からの刺激に弱いという特徴があります。泡を浸透させるために、ゴシゴシとこすりすぎないように注意しましょう。
すすぎ残しのないようにする
シャンプーやトリートメントは、すすぎ残しのないようにしっかり流すことが重要です。シャンプーやトリートメントのすすぎ残しは、皮膚に雑菌を繁殖させ、皮膚トラブルの原因となります。
また、目にシャンプーが入った状態のまま放置すると、目に炎症を引き起こす恐れもあります。流しにくい顔周りも、すすぎ残しがないようにしっかり洗い流しましょう。
しっかり乾かす
シャンプー後は、ドライヤーを使用してしっかり乾かしましょう。タオルで拭いただけの生乾きの状態は、ニオイの原因になったり、皮膚トラブルを引き起こしたりします。特に被毛が2層構造になっているダブルコートの犬は、被毛の下の皮膚が乾きにくいので注意が必要です。
犬の皮膚を健康に保つためには、ドライヤーやブラシを使用しながら、被毛の根元や皮膚の湿り気がなくなるように、乾かすことが重要です。
愛犬のお風呂を快適にするおすすめグッズ
嫌がる愛犬を自宅でシャンプーするなら、なるべく短い時間でキレイに仕上げたいと考えている飼い主さんもいるでしょう。ここでは、愛犬のお風呂を快適にするグッズを2つ紹介します。
「ボリーナワイド」
0.0001mm未満の気泡が毛穴まで入り込み、皮膚や被毛の洗浄ができる商品です。また、保湿・保温効果もあり、皮膚が乾燥気味の犬にもおすすめです。シャワーだけで洗浄ができるため、シャンプーの時間短縮にもつながります。
「アイオン 超吸水ペットタオル Mサイズ 厚手 ブルー」
軽くおさえるだけで水分を吸収するタオルです。排水性にも優れており、絞るだけで、元の吸水力に戻ります。スポンジ素材でできているため、長い被毛でも絡みにくいのがポイントです。タオルドライをしっかり行うことでドライヤーでの乾燥時間が短縮できます。
犬にシャンプーが必要な理由
犬は、定期的なシャンプーが必要な動物です。人間のように毎日する必要はありませんが、健康な犬であれば月に1,2回程度必要だとされています。では、なぜ犬は定期的なシャンプーが必要なのでしょうか。
ここでは、犬にシャンプーが必要な2つの理由を解説します。
汚れやにおいを落とす
シャンプーは、ブラッシングでは落としきれない犬の汚れや皮脂を落とす役割があります。一見、キレイに見える愛犬でも、外に散歩に出るため、細かい汚れやほこりが付着しています。汚れが蓄積すると、かゆみや皮膚病の原因になります。
また、皮脂は犬の皮膚を守るために必要な成分ですが、古くなった皮脂は酸化し、ニオイの原因となります。犬の汚れや古くなった皮脂を落とすと、ニオイの軽減につながります。
皮膚と被毛を健康に保つ
犬の皮膚は、人間の皮膚より薄くデリケートです。そのため、人間より皮膚トラブルが起こりやすいといわれています。皮膚と被毛を健康に保つには、定期的なシャンプーで余分な皮脂や汚れを取り除く必要があります。
また、シャンプーをすると、皮膚や被毛の状態を確認できるので、湿疹(しっしん)やノミ・ダニの付着などの皮膚トラブルの早期発見も可能です。
なぜお風呂を嫌がるのか
犬がお風呂を嫌がる理由はさまざまです。シャンプーのときに何か怖い思いをしたという経験から、お風呂を嫌がるようになる犬が多いようです。
ここでは、犬がお風呂を嫌がる代表的な理由を5つ紹介します。愛犬がお風呂嫌いな理由を知りたいという方は、ぜひ参考にしてください。
濡れるのが怖い
プードルやラブラドールレトリバーなど、昔から水の中に入って人間の仕事の手伝いをしていた犬は、比較的水に濡れても平気です。一方、柴犬や四国犬などの日本犬は、本能的に水に濡れることを嫌がるという特徴があります。犬種によっては、本能でお風呂が苦手と感じる犬もいます。
また初めてのシャンプーで、耳や鼻に水が入って痛い思いをしたことがある場合は、多くの犬が水に濡れるのを嫌がるようになります。
飼い主が怖い
愛犬が暴れ出したときに、飼い主さんが無理やり押さえつけてシャンプーを行うと、シャンプー中の飼い主は怖いと犬が学習します。押さえ込むだけでなく、きつい口調で叱られた経験も、犬はよく覚えています。
シャンプーを嫌がるからと押さえ込んで無理やり行うと、次回以降も暴れるようになり、徐々に暴れる頻度も高くなるため、注意しましょう。
シャワーなどの音が怖い
犬の聴力は、人間の約4倍も優れているといわれています。そのため、人間にとっては気にしないような音でも、犬には大きな音に聞こえ、驚いてしまう可能性があります。特にお風呂場は音が反響しやすいので、音を怖がる犬もいるようです。
お風呂場では、シャワーの音だけでなく、洗面器などに水をためる音や、何か物が床に落ちた音なども怖く感じる場合があります。
ニオイが嫌
犬は五感の中で、一番嗅覚が優れています。人間と比べると、犬の嗅覚は約3,000〜10,000倍優れているようです。
犬用シャンプーやトリートメントの種類によっては、原液にニオイが付いているものが販売されています。使用するシャンプーやトリートメントのニオイが、犬にとっては刺激が強すぎるため、シャンプーを嫌がっている可能性があります。
また、シャンプーをすると、自分のニオイがなくなるため、ストレスを感じる犬もいるようです。
触られたくない部分に触られる
犬の体の中で、特に汚れが目立つところは、足先やおしり、口元付近です。シャンプー中に汚れをきれいにするために、足先やおしり、口元をしつこく触られた経験のある犬は、シャンプー自体を嫌がるようになります。
足先など体の先端部分は、犬にとって触って欲しくないところが多く、シャンプー中に暴れ出すこともあります。気の強い犬の場合は、噛みつく可能性もあるため、注意しましょう。
犬は、月に1,2回程度、健康を維持するためにもお風呂に入る必要があります。しかし、お風呂が嫌いという犬は多く、お風呂を嫌がる理由も、犬によってさまざまです。
シャンプーは、なるべく愛犬に嫌な思いをさせないように、手早く済ませるようにしましょう。シャンプーを手早く済ませるためには、シャンプー前のブラッシングや、タオルドライなどさまざまなコツがあります。
今回紹介したお風呂嫌いな愛犬を慣らす方法を参考にして、自宅でのシャンプーにぜひチャレンジしてみてください。
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