イギリスでは捨てられる猫の数が増え続け、保護団体も手が負えない事態になっている。
保護団体である「ピーターボロー・キャット・レスキュー(PCR)」は、ボランティア主導でネコの里親探しや世話をしているが、施設でのキャパシティは限界を超えており、入りきらない猫の対処に苦労していると述べている。
48年前にこの慈善団体を設立したダフネ・ウィルソンさんは、この状況を過去最悪だと表現し、「恐ろしくて、心が張り裂けそうになる」と胸を痛める。なぜなら、里親が見つからない猫はサッ処分になるかもしれなかったからだ
捨てられたり、望まれなくなった子猫や猫が 「増加 」していることを受け、猫救済の慈善団体が去勢手術の義務化を求めている。
家庭で飼われているペットの世話も行っている団体「ウッドグリーン・チャリティー」は、2024年に入ってから捨て猫の数が増えており、毎週何百匹もの子猫が捨てられていると述べた。
「ピーターボロー・キャット・レスキュー」によれば、月に平均13,000ポンドの獣医費用がかかっており、ボランティアたちはチャリティーを続けるために資金集めに奔走しなければならない。そして資金を集めては、数週間ごとに里親さがしのイベントを行い、引き取ってくれる家庭を地道に増やしていくのだ。
ウィルソンさんは、このチャリティーの努力は「終わり」がなく、里親探しが順調に行ったら、ロンドンなどのほかの地域の施設であふれた猫を保護しなければならないと言う。
しかし、もしすぐに何もしなければ、猫は害獣としてひどい扱いを受けてしまう。
「人々はペットに対して真剣に責任を持つ必要があります。ペットのことをよく調べて、去勢手術を受けさせてください。獣医代が高額になることは承知ですが、そのための予算を組んでください」と訴えるウィルソンさん。彼女の同僚は、去勢手術を法制化するよう嘆願書を出したそうだ。
慈善団体だけにしわ寄せが行かないよう、市や自治体も捨て猫の増加問題解決のために動き出す必要があるだろう。