ブリーダー界隈では名の知れたドーベルマンのブリーダーであるポール・ピーヴィー(57歳)さんが、コロラド州の自宅敷地内で遺体で発見される事件が起きた。
彼の3匹の成犬は無事で、地域の動物保護施設に収容されたが、ポールさんが育てていた10匹の子犬の行方が分からなくなっている。コロラド州警察は、行方不明になっている純血種のドーベルマンの子犬が、ポールさんの不審な死を解決する鍵になるかもしれないと捜査を進めている。
警察は、マイクロチップの装着された子犬たちは、すでにソーシャルメディア上で販売されたと考えている。ポールさんが生きているのを最後に目撃されたのが8月19日であるため、それ以降、コロラド地域でドーベルマンの子犬を購入した人に対して情報を呼びかけている。
それらの犬のマイクロチップをスキャンすれば、ポールさんの犬がどうかの確認ができ、犯人確定の手がかりを得ることができる。
FACE財団(動物愛護教育財団)によると、価値の高い犬を盗み、インターネットを通じて販売して利益を得る「Dog Flipping」と呼ばれる行為は、アメリカの多くの地域で増加している。
まれにではあるが、ブリーダーが純血種の犬を大量に盗まれる被害に遭っている。たとえば、ABC 7によると、2022年にニューヨーク州ロングアイランドのブリーダーの家に泥棒が押し入り、フレンチ・ブルドッグの子犬5匹と成犬2匹が盗まれた。
「普通、犬の盗難というのは短時間で起こるもので、犬が外にいるときに隙を狙ってさらわれるのです。しかし、ブリーダーがこのように命まで狙われるという話は聞いたことがありません」と専門家は話す。
純血種のドーベルマンは1,000ドルから5,000ドルが相場で、ポールさんの自慢のオス犬、ジャックス・マキシマス・フォン・ジッパーの血統書サービスの価格は7,500ドルだったという。
お金のためであれば人の命までも奪ってしまうのか。ブリーダーとして成功をおさめると、犯罪に巻き込まれるリスクも高くなるということを思い知らされる事件だ。