バージニア州の洞窟探検家グループは、7月7日に地下洞窟を探検中、偶然的に生き埋めになっている犬を見つけた。
犬を発見したのはコロラドを拠点とする教育用洞窟シミュレーター会社のジャクソンさんとロシェットさんで、地元の夫婦とジャイアント・キャバーンズを探検していた。
その洞窟内には野生動物の頭蓋骨や骨が散乱しており、そういった場所でまさか生きている犬に遭遇するとは思いもよらなかった。
「この下に犬がいる!」
「まさか!生きているのか?」
「生きている!」
ジャクソンさんらは興奮した様子で声を掛け合いながら、サラミを一切れ持って狭い洞窟をさらに15メートルほど下降した。犬に近づくと、その犬はすぐにやってきてサラミを舐めた。
洞窟探検はすぐに救出作戦に変わった。一行は寒さに震える犬を毛布や発泡パッド、そして洞窟で見つけた古いジャケットのフードで包んで温めた。
彼らはいつもレスキュー用具を携行していたので、持っていたものを工夫して救護作戦が行われた。防水シートやウェビングベルトなどを使って即席の滑車システムを作り、犬をロシェットさんに縛り付けて一緒に洞窟から外に運び出すことに成功した。
「洞窟を抜けて新鮮な空気に触れると、犬はすぐに元気になった。彼女は頭を上げ、空気の匂いを嗅ぎ始めたんだ」とロシェットさんは振り返る。
洞窟探検家たちによると、救出には約3時間かかったという。洞窟の所有者はその犬に見覚えがないと言ったので、ジャクソンさんらはその犬を動物病院に連れて行った。その後、犬はジャイルズ郡のアニマル・シェルターに保護された。
シェルターはフェイスブックの投稿で、この犬を 「生きた奇跡 」と呼び、SPAR-Cという名前をつけた(Small Party Assisted Rescue:「外部からの援助なしに自力で負傷者を救助する、ロープテクニシャンにとって必要不可欠なスキル」の略語に、Canine「犬」のCを加えたもの)。
シェルターによるとSPAR-Cは後ろ足が弱っていたものの、治療と休養によって順調に回復している。依然飼い主は見つかっていないが、このペースで治療が進めばおそらく新しい家に迎えられることになるようだ。