何かとお騒がせのセレブ、パリスヒルトンがペットとして飼っていた「キンカジュー」という珍しい動物を知っているだろうか?
見た目はサルのようだが、アライグマの仲間としてメキシコやブラジルの熱帯雨林に生息するエキゾチックアニマルだ。そのキンカジューが熱帯雨林から遥か遠く、ワシントン州の道路の柱によじ登っているところを発見された。
ワシントン州運輸局が月曜日にXに投稿した写真によると、救出されたキンカジューは、ヤキマ郡イースト・セーラの休憩所にある木製の標識の柱にしがみついて辺りを見回していた。
キンカジューがその場所で捨てられたのか、飼い主から逃げ出したのかは定かではない。まずは体の状態を調べるため、動物園・水族館協会の動物病院で総合的な健康診断を受けているところだ。
動物園はフェイスブックに検査の様子を映した短い動画を投稿し、「健康状態を完全に把握するため、総合的な血液検査を含む診断検査の結果を待っているところです」と説明した。
獣医師長のカレン博士によると、この若いキンカジューは全体的に健康状態は良好だが、非常に痩せており、体重はわずか2.5キロしかない。食欲が旺盛なので、スタッフは果実や種子などの栄養価の高いヘルシーな食事を与えているようだ。
動物園によれば、キンカジューは絶滅の危機に瀕しているわけではないが、毛皮や食肉、エキゾチック・ペット取引のために狩猟・密輸されており、野生の個体数が脅かされているという。とくにパリスヒルトンが飼い始めてから注目され、ペットとしての需要が高まっている。
しかし、「そのかわいらしさにもかかわらず、キンカジューは良いペットにはなりません」と動物園は述べている。
ヒルトンが飼っていたキンカジューの「ベイビー・ルーヴ」は2006年にヒルトンの腕を噛んだため、彼女は病院に行き、傷の手当てと破傷風の予防注射を受けた。
米国国立衛生研究所によると、キンカジューに噛まれた場合は、通常の破傷風予防、狂犬病ワクチン、傷口の洗浄が必要だという。ほとんどの場合、蜂窩織炎や骨髄炎の発症を防ぐために抗生物質が処方される。
生態系への悪影響や、飼い主の健康へのリスクを考えると、可愛いからと言ってキンカジューを飼うべきではないことは明らかだ。
保護したキンカジューは現在動物園で療養しており、これから彼がどこで暮らすべきかを模索しているようだ。少しでも野生に近い環境で暮らせることを祈りたい。