古典古代エジプトは、紀元前30年から約600年間にわたってローマ帝国に支配されていた。ローマ帝国に組み込まれたことで人々の営みも変化し、古代エジプト時代とは違った文化が生まれていった。
ポーランドの考古学者たちは、エジプト遺跡の中にあるペットの墓地の発掘調査を行ったところ、200匹以上の猫、犬、子牛、猿の骸骨が、特別に作られた墓の中で発見され、大切に保存されていた。
愛すべき動物たちの遺体と並んで、ローマの百人隊長(司令官)が書いたパピルス文書に綴られた手紙が見つかり、そこには州の貿易や軍事組織についての詳細が記載されていた。
発見されたさまざまな資料から、当時エジプトで暮らしていたローマ人は、インド原産の2種類のマカク(猿)をペットとして好んで飼っていたことがわかった。エジプトにはもともと猿はいなかったため、その時代にインド洋と紅海を経由して輸入されたことを意味している。高価な猿はペットとしてはもちろん、富と権威の象徴としてローマ人に愛されたのだろう。
猿がエジプト人にも受け入れられたかどうかは不明だが、エジプト人にとって最も愛すべきペットは古代から今も変わらず、「猫」であることは間違いない。