イギリスのヴィーガンペットフード企業オムニが、培養鶏肉を使用した栄養価の高いキャットフードの開発に成功し話題となっている。
「肉食動物である猫は、動物にしか含まれない特定の栄養素を必要とすると言われています。この新しい鶏肉はそれらの栄養素を含むので、動物に残酷な扱いをすることなく、猫に必要な栄養を与えることができます」と自信をもってコメントしたのは、同社共同設立者で獣医師でもあるガイ・サンデロフスキー博士だ。
「伝統的な家畜の養殖肉とは異なり、培養肉は健康のために最適化されたものであり、より多くの必須ビタミン、ミネラル、オメガを含み、抗生物質やその他の化学物質の残留リスクはありません」と、栄養面でも普通の肉を上回ると述べている。
オムニは、異なる職業経歴を持つ2人のビジネスマンが共同で設立した。サンデロフスキーは獣医で、シヴ・シヴァクマールは元投資銀行家である。
サンデロフスキーとシヴ・シヴァクマールはブランド立ち上げのために力を合わせ、英国の大学の獣医学の専門家グループと緊密に協力してオムニのペットフード・シリーズを開発した。
これらの専門家のなかには、欧州ペットフード産業(FEDIAF)協会と強い繋がりのある者もいると英国企業は述べており、オムニの影響力は今後ヨーロッパ全体に広がっていきそうだ。
また、オムニはペット用培養肉を販売する「世界初のB to B原料会社」として、英国と欧州ではじめて原料の規制に関する認可を得ることを目指している。
世界的にヴィーガンが増えるなかで、ペットにも動物性食品を与えることなく健康を維持させたいと望む人は多い。オムニの培養鶏肉の費用面についてはまだ明らかになっていないが、高額でも買いたいという富裕層を探すのは容易いことだろう。