3月21日に、中国の大型ショッピングモール内で約100頭のハスキー犬が大脱走するという、フィクション映画のような出来事があった。
逃げたのは、モールのテナントとして入っていたペットカフェにいた犬たち。その日は犬の飼い主がひさしぶりにカフェを訪れたため、うれしくて興奮してしまった犬たちはゲートを突きやぶって店の外にとびだしてしまったのだ。
パニックになったスタッフが追いかけるなか、吠えながら楽しそうにモール内を走り回る犬たち。その様子をモールの客たちは大笑いしながらスマホで撮影していた。
スタッフたちは犬たちを囲い込み、そのほとんどをすぐにカフェに連れ戻すことができたが、ほかの犬たちはいろんな店へと探検に行ってしまい、そのうちの2頭は客が食べていた食べ物を盗み食いしていた。
逃走から1時間たっても見つからなかった犬は7頭。スタッフはチキンの足でおびきよせたが、客の食べものを盗んだ2頭は翌日になっても見つからなかったそうだ。
カフェ側は被害にあった客に対して食事代を弁償する対応をしたが、ほかの客たちはハスキーたちの逃亡をむしろ楽しんで歓迎していた。
中国内のソーシャルメディアではこの騒動の動画がバズっており、「楽しそう!どこのモールなの?」「次はいつ逃走するの?」というコメントが飛び交っている。
中国ではペットカフェビジネスが急成長しており、上海では2020年に3683件の新しいペットカフェがオープンした。2022年、国内のペット産業は680億米ドルにまで達した。
この騒動をきっかけに、モール内のペットカフェがイベント的に犬たちを「リリース」する日も遠くないかもしれない。