ペットは単なる所有物なのか?それとも子どもと同等の家族の一員か?
法律的にどう解釈するか非常にむずかしいこの問題において、スペインガリシア州ヴィーゴは大きな前進を遂げた。
2022年1月、スペインはペットを単なる物体としてではなく感覚を持つ存在として認める「動物の法的規制に関する法律」を制定した。
そして制定から2年後、ヴィーゴの裁判所は離婚の渦中にある夫妻に対し、妻がペットを保護する場合、元夫はペットの飼育費として毎月40ユーロを拠出するよう義務づけた。
この新しい法的枠組みのもとでは、ペットは子供を含むほかの家族と同様の配慮が与えられ、家族分離のなかにあっても、ペットの幸福と保護が継続的に保証されることを義務づけている。
この判決は1年以上前に出されたものだが、控訴されたため最近になって注目されるようになった。これまで軽視されていたペットを「権利とニーズを持つ存在」として、離婚後の経済的取り決めに完全に統合したのである。
ペットの飼い主が負う責任を明確にし、家族分離の複雑なプロセスにおいてペットが見過ごされないようにするための進歩的な一歩を示した。
法律制定以来、スペイン全土の裁判所がペットの親権や面会権についての判決を下してきた。しかし、今回のヴィーゴの判決は、人間の子どもの養育費の取り決めに似た「ペットへの経済的支援制度」を確立したという点で、さらに限界を押し広げたと言ってもいいだろう。