ハンディキャップを負っていても、自分の夢を実現するために挑戦や努力を惜しまない障がい者の姿は、いつも私たちに勇気を与えてくれる。
テキサス州に住むフェイス・スナップさんもその1人だ。彼女は双子の弟とともに未熟児で生まれ、視野は10%以下で右目は物の動きしか捉えることができない。左目でかすかに物の形や色、大きな文字を見ることはできるが、遠くのものはほとんど見えず、法律的には「盲目」として分類される。
しかし彼女はその障がいを理由に自分の可能性を狭めようとはせず、高校生のときに盲導犬を飼い始め、さまざまなクラブ活動に積極的に参加した。
幼い頃から馬やヤギとともに育ってきたことから動物が大好きで、成人してからは近所の動物病院で働いたこともあった。盲目でありながら動物や人を相手に働くことは困難に思えるが、フェイスさんは「自分の助けになってくれる人や場所を見つけさえすれば大変ではなかった。それよりも周りの人が私を見て、障がいがあるからできないと思い込んで接することの方がつらかった」と話す。
「私にとって足かせとなるのはひとつだけ。それは、自分ができないと思い込むこと」。
いつも自分を信じて前へ進んできたフェイスさんは、22歳になった今年、目標だったテキサス技術大学の獣医学科への入学を果たした。
学業に必要なサポートを受けて8月から大学に通い始めるそうで、今の夢は大型動物も小型動物もケアできる獣医になることだ。
「もし夢や目標を持っているのなら、それをあきらめないでほしい。誰であろうとどんな状況であろうとできないことはないのです。私のストーリーを知って、心に決めたことは何でも成し遂げられると思ってもらえたら嬉しい」と語るフェイスさんの表情は太陽のように明るく、希望に満ちていた。