アメリカ全土で、まだ病名のない謎の伝染病が犬の間で広がっている。
その病気は犬の伝染性気管支炎であるケンネルコフに似ているが、感染力が非常に強く、場合によっては死に至ることもあるという。
「残念ながら、今現在は誰もこの病気が何なのか分かっていません。分かっているのは、肺炎のようなこの病気は咳から始まり、徐々に悪化していくということです。咳に加え、くしゃみ、目や鼻からの分泌物、呼吸困難、疲労感も報告されています」と獣医師マイク・ハッチンソン博士は言う。
メディアや獣医師らは犬の飼い主に対し、飼い犬にそのような症状が出たらすぐに診察を受けるべきだと呼びかけている。まだ市場で手に入る抗ウイルス剤はないが、ネブライザーによる吸入や点滴、そのほか症状に応じた治療をすることで症状を抑えることができるようだ。
そして最も大切なのは感染予防で、飼い主にはほかの犬との接触を極力避ける努力が求められる。普段の散歩はもちろん、ドッグパークやトリミング店などはとくに注意が必要だ。
ホリデーシーズンが近づいていることは、獣医や研究者にとっても心配なことだとハッチンソン博士は眉をしかめる。「多くの人々が旅行をするため、犬を預けなければならない。少なくともこの病気について詳しいことが判明するまでは、可能な限り飼い主は犬と一緒に留守番をしてくれる人を探してほしい」と強く助言している。