スペインで暮らすステファニーさんの自宅には、だれも真似できそうにないおしゃれなインテリア「アイテム」がある。それは生きている白馬だ。その馬は馬小屋ではなく、ステファニーさんと同じ屋根の下で10年以上にわたって家族とともに暮らしているのだ。
ナサールという名前のその馬はもともと外で飼われていたが、2013年に大きな嵐が来るという警報があり、ステファニーさんは一時的にナサールを自宅に避難させることにした。
しかし嵐が過ぎ去り、外に出そうとしたがナサールは嫌がり、自宅にとどまることを選んだ。以来、ナサールとの同居生活が始まったというわけだ。
ステファニーさんの朝は、キッチンでナサールの朝食を作ることから始まる。キスのあいさつをしたあと、カットしたフルーツを1つずつナサールの口に運ばせる。ナサールの大好物はトマトソースたっぷりのスパゲティだが、ガツガツと食べるとソースが壁じゅうに飛び散るため、半年に一度ナサールの部屋の壁を塗り直さなければならない。そのほか、ラテ・マキアートや季節に合わせたさまざまなワインもたしなむという、なんともグルメなお馬さんだ。
ステファニーさんの家の外には150ヘクタールの草原とオリーブ、アーモンド畑が広がっており、ナサールはいつでも自由に外へ出て走り回ったり、草を喰んだりできる。外も好きだが、暑くなるとすぐに家に戻り、扇風機の前で涼を取るという人間みたいなことをしてステファニーさんを笑わせる。おそらく自分を人間だと思っているのだろう。ほかの馬にはあまり興味がなく、一緒に暮らす家族とペットたちをとても大切にする。
こんなおしゃれな環境で愛する馬とともに暮らし、ワインとスパゲティを楽しみながら人生を謳歌できたら本当に最高だろう。