「オーマイゴット!ママ!オーマイゴット!」
オクラホマ州に住むクリントンさんは、家の裏にある池で釣りをしていた息子のチャーリー君の叫び声を聞いた。
いつものように釣れた魚を見せびらかせたいのだろうと落ち着いた様子で息子に近づいた。
しかしチャーリー君が釣った魚を間近で見て、クリントンさんは自分の眼を疑った。
パクパクと口を開けるその魚の歯の形や並び方が人間にそっくりだったのだ。「その池で釣れる魚はたいていバスかナマズで、まさか人間みたいな歯を持った魚がいるなんて信じられなかった」とクリントンさんは振り返る。
チャーリー君が釣った魚は「pacu(パク)」というピラニアの親類にあたる魚で、南アメリカ原産だという。その大きな歯は見る人に強烈なインパクトを与え、たびたび泳いでいる人を怖がらせてきた。そんな魚がなぜオクラホマ市郊外の小さな池に生息していたかは不明だが、おそらくペットとして飼っていた人が勝手に池に放したと思われる。
その後パクは外来種で池に生息したら困る魚だと判明したのだが、池で獲れた魚は池に戻すことがルールだったため、チャーリー君は魚の正体を知る前に池に戻してしまった。
もう一度パクを釣ろうとチャーリー君は、翌日以降ずっと池で釣竿と睨めっこをしているそうだ。近所の人たちはチャーリー君がもしまたパクを捕まえたら食べてもいいよと言っているが、本人は魚拓を作るのを楽しみにしているとか。にかっと笑っているように口を開かせて、人間のような歯を写すことができたら最高だろう。