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ペンシルベニア州アルトーナに住んでいたロスさんは、2年前にあるフェイスブックページを立ち上げた。その目的は、飼い猫が外出中に近所から盗んできたシューズやサンダルを持ち主に返すためだ。
ロスさんが飼っている猫のジョーダンはなぜか靴が大好きで、夜中に出かけるたびに靴を口に咥えて帰ってくる。そんなイタズラ行動を重ねるうちに靴は50足以上たまってしまい、ロスさんは何とかしないといけないと立ち上がった。
庭に監視カメラを設置すると、真夜中にジョーダンが靴を咥えて帰ってくる姿がはっきりと映し出されていた。犯行は紛れもなくジョーダン単独の仕業であるという証拠をつかんだ。目を光らせ、誇らしげな表情のジョーダンとは裏腹に、飼い主は落胆のため息しか出なかった。
さらにロスさんはジョーダンの首にGPS追跡装置をつけ、一晩でジョーダンがどの家を訪れているのかを調べた。その結果、ジョーダンが縄張りとしているエリアは広範囲に渡り、さまざまな家に立ち寄り、なかには何度も繰り返し訪れる家もあった。そうやって彼は一晩に11キロ近く歩き回って、格好の獲物（靴）を見極めるのだ。
ロスさんはフェイスブックページを通して、近所の人に「もしあなたの靴がなくなっていたら、ジョーダンの仕業です」と呼びかけ、半数以上の靴を返却することができた。隣人はだれもまさか猫が盗んだとは思わず、事実を知って怒るどころか楽しんでくれ、ジョーダンにおやつをあげる親切な人もいた。
ジョーダンは地元メディアにも大きく取り上げられ、一躍有名猫となったが、1年前に飼い主とともに違う場所へ引っ越した。現在住んでいる場所は隣家が離れた場所にあるため、ジョーダンは以前のように簡単に靴を盗むことができない。犯行防止のためには今の環境が良いが、ジョーダンは以前の縄張りをとても恋しがっているそうだ。
