カリフォルニア州ペタルーマで「世界一醜い犬コンテスト(World's Ugliest Dog Contest)」が開催された。
約50年の歴史を持つこのイベントで今年優勝したのは、チャイニーズ・クレステッド・ドッグの「スクーター」。この犬種は中国原産で体には毛がなく、頭部と足先にだけ白くて長い毛が生えているのが特徴だ。
スクーターにはハンディキャップがあり、生まれつき後ろ足が変形していてうまく歩くことができない。さらに舌はいつも口から飛び出した状態だ。さっ処分の運命にあったが動物保護団体のボランティアによって救われ、7ヶ月前にいまの飼い主であるリンダさんが里親となった。
「醜い」というのは決して否定的な意味ではなく、コンテストの主催団体は、すべての犬を特別にしてくれる「不完全さ」をたたえ、大会を通してどんな犬も独自の魅力を持っていると人々に伝えたいと述べた。
スクーターは前足2本だけでバランスをとりながら歩くが、これはほとんどの犬ができない技だ。障害を乗り越え、むしろ自分の強みにしている。散歩に行く時は後ろ足にカートをつけてもらい、楽しそうに公園を駆け回っているそうだ。動物たちの懸命に生きる姿にこそ、本当の美しさが宿っているのかもしれない。