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グーグルAIが野鳥の音声記録から希少種の特定を可能に


野生動物の保護というと自然に密着したアナログなイメージがあるが、いまやIT技術を駆使することで、絶滅に瀕する動物の保全活動がはるかに効率的、効果的にできる時代になっている。

オーストラリア音響観測所(A20)とクイーンズランド工科大学は、グーグル・オーストラリアと提携し、数千時間もの野鳥の録音データを数分で処理し、特定の野生動物の鳴き声を特定できるシステムを構築した。
AIを利用することで鳥類の識別が高速ででき、これまで研究者が録音に手作業で注釈を付けていた時間が大幅に減少した。

オーストラリアで2019年に起きたブラックサマーの山火事によって大きな被害を受けたのが絶滅危惧種のツヤクロオウム。とりわけ追跡が難しい種であるツヤクロオウムの鳴き声を聞き分けるのに、このシステムが非常に役立っている。

クイーンズランド技術大学の研究員であるテイキセイラ氏は、ツヤクロオウムがどこにいるのかだけでなく、なぜそこにいるのかを把握するために録音データを分析している。
その場所で繁殖しているのか、それとも一時的に暮らしているだけなのか。もしかしたら、そこは彼らのねぐらなのかもしれないし、あるいは1年のある時期にさまざまな群れが集まってくる重要な集合場所なのかもしれません。やってくるのは幼鳥なのか成鳥なのか、数の変化はどうなっているのか。明らかにすべきことがたくさんあるとテイキセイラ氏は言う。

これまでにもパッシブサウンドレコーダーというものはあり、10年以上前から野生環境で使用されてきた。しかしセンサーが収集できる情報量が多いため、手作業での情報処理に時間と手間がかかるのが難点だった。
最新のAIモデルはデータを素早く検索するだけでなく、ほぼ正確に検索できるとテイキセイラ氏は高く評価している。AIはもはや人間よりも通話を見つける能力が高く、サウンドレコーダーからかなり離れた場所にいる個体でも見つけることができる。

さらにAIによって成鳥と幼鳥の鳴き声の違いが正確に識別できれば、鳥の群れを見て、1年以内にどの程度の個体数が成長し、回復しているのかを知ることができるだろう。AIは鳥たちの現状を把握するだけでなく、未来の保全にも大いに貢献できる可能性を秘めている。
このAIモデルはコアラからカエルまで、あらゆるものの検出に使用できるため、オープンソース化されて今後世界的に広まり活用されていくと専門家たちは期待している。

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