動物保護施設にいる動物たちはみな、自分に愛情を注いでくれる里親と出会い、その人の家でびのびと暮らすことを夢見ている。だからこそ、養子縁組の失敗は人間よりも動物たちの方がつらい。
ラスティとティガーはカリフォルニア州オレンジカウンティにある動物保護施設で暮らす18才の猫だ。高齢猫は人気がないが、運よく里親が見つかり、2匹は一緒にその人の家に引き取られることになった。しかし引き取られたその日に、正確に言うとたった5時間で猫たちは施設に戻されてしまった。
猫たちに非はない。その里親は犬を数匹飼っており、ラスティとティガーが犬たちと対面してストレスを感じていると判断し、飼うことをあきらめたのだ。
新しい動物を家に迎え入れる際、すでにほかの動物を飼っている場合は時間をかけてゆっくりと両者を慣らしていくのが基本である。犬たちが家のなかで走り回っている環境に猫を放り込んだら、猫はストレスや恐怖を感じるのは当たり前だ。たとえ猫たちがストレスを感じたとしても、なぜ犬から引き離し、安全な場所に移して猫の様子を見守ることができなかったのだろう。
施設のスタッフがラスティとティガーに起きた悲劇を、困惑した表情の猫たちの動画とともにTikTokに投稿した。すると、630以上のコメントが書き込まれ、「5時間で新しい環境に慣れるわけないじゃない」、「里親は飼育責任放棄で罰せられるべきだ」といった厳しい意見が飛び交った。そして多くの人が2匹に新しい家が見つかりますようにとコメントを残していた。
不運な目に遭いながらも、SNSを通じて多くの人から声援をもらったラスティとティガー。実はその後、2匹にはすばらしい里親が見つかり、今度こそ幸せな生活を手に入れることができたそうだ。