アメリカ人女性のメーシュさんが飼っている鶏の「ナブズ」は両足の先端と爪がない。メーシュさんがハンディキャップを持つ動物を保護していると聞いて、知り合いが飼ってくれないかと連れてきたのがナブズだった。
なぜ足の先端がないのかという理由はわからなかったが、その形状のせいでナブズは思うように走り回ることができず、アヒルのように不恰好に歩いていた。メーシュさんの家にやってきた当初はあまり動こうとせず、ほかの鶏を見ているだけだった。
そんなとき、メーシュさんは使っていない犬用のシューズがあることを思い出し、試しにナブズの足に履かせてみた。「なんだこれは?」と困惑した顔で庭を歩くナブズ。足取りはふらふらしておぼつかなかったが、1週間ほどでシューズに慣れてスムーズに歩けるようになった。何よりもシューズを履いている鶏の姿はものすごく滑稽でかわいい。
メーシュさんの義母はそのかわいさにメロメロになり、すぐさまアマゾンで3足のシューズを買ってナブズに贈った。それからナブズは毎日シューズを履くようになり、いまでは30足のコレクションをもつおしゃれチキンに。でも一番のお気に入りは最初に贈ってもらった茶色いブーツのようだ。
ナブズはシューズのおかげで安定して動けるようになり自信がついたのか、性格も明るくなった。少しずつ行動範囲を広げ、いろんな挑戦をしながら新しい世界を楽しんでいる。
メーシュさんが保護している鶏のなかでもナブズは一番の甘えん坊で、メーシュさんのスマホをのぞいたり、一緒にランチを食べたりするのが好きだ。そしてメーシュさんが実家に帰るときはいつも同行し、両親に目一杯かわいがってもらう。
シューズを履いているからというだけの理由ではなく、ナブズはもともと人から愛される性格なのだろう。いまやSNSを通じて世界中にファンが広がっている。