図書館に行く目的といえば、本を借りる、返却する、勉強する、パソコンを使うといったくらいしか思い浮かばないが、イギリスのある図書館では動物を使ったユニークなアイデアで多くの人を呼び込んでいる。
イギリスにあるジャージーライブラリーは新しい試みとして、今年2月にセラピー犬を図書館に招き、地域の人々が犬と触れ合えるイベントを行った。運営は「セラピードッグ・ネイションワイド」という団体で、動物と時間を共有することで寂しさや不安、ストレスを抱える人々を助けることを目指している。団体で活動するセラピー犬はみな温厚な性格で、特別な訓練を受けて病院や高齢者介護施設などを訪問し、人々と交流している。
図書館での第1回目の試みは大成功に終わり、多くの人が「フワフワの愛」を受け取ることができた。図書館長も手応えを感じたようで、「これを定期開催にしていくつもりです。犬に会いにくるついでに本も借りてもらえますからね。セラピー犬を触りたい人で列ができたときは読みたい本を選んで、読書を楽しみながら順番を待つことだってできますよ」と笑顔で話す。
街に住んでいる人の多くは犬を飼いたくても飼えないという事情があり、そうした家庭の子供は動物との付き合い方がわからない。セラピー犬との触れ合いを通して動物に慣れ、動物との絆を感じてほしいとジャージー図書館は考えている。
「犬に会いに図書館へ行く」という新しいコンセプト。読書離れが進む日本でもぜひ取り入れてみてはどうだろうか。