犬の散歩に出かけている際に、何かの拍子に散歩ひもが手から離れ、愛犬が逃げ出してしまった経験はないだろうか。犬でも全速力で走られるとなかなか捕まえるのが大変だが、それが馬だったらどうだろうか。足が速くスタミナもあり、力尽くで抑えられる相手ではない。ひとたび逃げ出すと捕獲が非常に困難であることは容易く想像できるだろう。
昔から馬術が盛んで馬を飼っている人の多いオランダで、馬が飼い主から逃げ出して街のなかを逃走する騒動があった。その一部始終をとらえた動画はたまたまバイクで通りかかった男性によって撮影された。
彼は走行中に歩道でパニックになっている女性を見つけた。彼女の視線の先に目をやると、なんと大きな馬が全速力で走って逃げているではないか。とっさに男性は女性をバイクの後部座席に乗せ、アクセルを踏んで馬を追いかける。馬は飼い主なんてお構いなしで走り続け、歩道を外れて車が通る道路を横切ったり、交差点の真ん中を走ったりし、いつ車にぶつかってもおかしくない状況。
バイクの男性は馬との距離を縮めることができ、飼い主は馬をなだめて捕まえようとするが、馬はまた走り去ってしまう。再び男性と飼い主はバイクで追いかけ、馬の横で伴走しながらなだめ続けた。馬がスピードを緩めたところで飼い主が手綱を掴み、やっと馬はあきらめておとなしくなった。
「本当にありがとう!あなたにキスをしたいくらいだけど、ヘルメットのせいでできないわ」と安堵の笑みを浮かべて運転手にお礼を言う飼い主。お礼の仕方はさすが欧米といったところ。
バイクの運転手の助けがなかったら、おそらく女性は何時間も馬を捕まえることはできなかったし、馬は交通事故で負傷していたかもしれない。とっさの判断で人助けをした男性にネット上で多くの称賛が集まっている。