パキスタンの首都イスラマバードにある裕福な家で、ペットとして飼われていたヒョウが逃げ出して街で人にケガをさせる事件があった。
若いオスのヒョウは興奮状態で道路の車の間をすり抜け、鉢合わせた人を突き倒し、ガーデンのフェンスを飛び越えて逃げ続けたが、6時間後に野生動物保護隊に睡眠剤を打たれて御用となった。
パキスタンでは近年、富裕層に売ることを目的にアフリカライオンやベンガルタイガー、クマ、ヒョウなど、多くの珍しい動物が外国から持ち込まれたり、繁殖が行われ問題となっている。国は昨年、そうした動物の輸入を禁止したばかりだが、すでに飼われている動物は規制の対象とはなっていない。
そんな最中に起きたレオパードの脱走事件。捕獲されたヒョウはかつて動物園だった施設で保護されており、健康状態は良好だが怖がってずっとうなっているようだ。当局はヒョウの身元を調べているが、まだ飼い主の特定はできていない。
トラやヒョウは昔から富や権威の象徴として飼われてきたが、それらの野生動物が絶滅の危機にある現代では倫理的に通用しない。動物が逃げ出せば、罪のない人を殺傷する危険があるにもかかわらず、SNSで自慢げにペットのヒョウを見せる富裕層はあとを絶たない。パキスタンだけでなく、世界中でもっと厳しい規制や処罰を課さなければ被害は拡大する一方だろう。